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要望書等について

2013年1月18日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
内閣府特命担当大臣(防災) 古屋 圭司 様

日本障害フォーラム(JDF)
代表 小川 榮一

災害時における障害者等の支援に関する要望

 障害者施策の向上について引き続きご尽力いただいていることに、心より敬意を表します。
 さて東日本大震災より1年10か月が経過し、復興の取り組みが続けられています。障害者を含む災害時要援護者は深刻な被害を受けましたが、その被害の実態は今も十分に把握されておらず、また、生活上のさまざまな困難も続いており、私たち民間団体の立場からも継続的な支援を行っているところです。
 現在、国においては、内閣府の所管による「災害時要援護者の避難支援に関する検討会」を含むさまざまな取り組みが進められていますが、先般の震災で大きな被害を受けた要援護者に有効な対策を打ち出すことは、障害者等を含む誰もが安心して暮らせる社会を構築するうえで不可欠のことと考えます。
 このことから、下記のことを要望します。

1.災害時の障害者の支援体制の枠組みに障害当事者団体・関係団体を明確に位置づけてください。
 災害時要援護者の支援にあたっては、従来より民生委員、福祉サービス提供者、障害者団体等の福祉関係者との連携がガイドライン等にも述べられていたところです。東日本大震災において、行政さえもが被災した深刻な状況を振り返ると、緊急時により多くの社会資源が、避難支援等の活動に有効な形で参画できる仕組みを日ごろから構築しておくことは不可欠です。とりわけ、障害者のニーズや支援方法、個人情報の取り扱いのノウハウを熟知している当事者団体、および障害者相談員や支援事業所を含むの関係団体等の参画を得ることは極めて有効と考えます。
 平時の訓練や避難支援計画の策定、緊急時の支援、避難生活や復興の過程における支援などあらゆるステージにおいて、障害当事者団体・関係団体の参画を明確に位置づけてください。

2.障害者の被害状況に関する検証委員会(仮称)を設置してください。
 障害者を含む要援護者の被害状況については、国としての調査が進められているところですが、報道機関等の調査によれば、障害者の死亡率は住民全体の死亡率の2倍以上との結果が出されています。この被害状況を十分検証することは、障害者を含むすべての住民の安心安全のために不可欠です。国として、障害者の被害状況に関する検証委員会(仮称)などの検証の場を設置してください。

3.今後の防災や復興においては、障害者権利条約を一つの指標として、誰もが取り残されることのない、インクルーシブな取り組みを行ってください。
 今後の防災や復興においては、すべての住民が誰も取り残されることのない、インクルーシブな観点が貫かれることが必要です。緊急時の具体的な場面に避難支援の優先順位を設けるなどの技術的な観点とは別に、本来、防災や復興の理念と取り組みは、すべての住民を対象として含み、誰もが安心して暮らせる社会の構築に資するものでなければなりません。この観点から、障害者権利条約を一つの指標とした、インクルーシブな取り組みを行ってください。


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