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要望書等について

2014年2月10日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様

日本障害フォーラム(JDF)
代表 嵐谷 安雄

東日本大震災から三年目にあたっての、日本障害フォーラムの要望

 東日本大震災の発生からまもなく三年を迎えます。
 被災地では復興に向けた取り組みが続けられていますが、地域の再生・新生にはなお長い時間を要するとともに、仮設住宅やその他の避難先を含む生活の場面において、被災した障害者等はなお不自由を強いられ、継続的な支援を必要としています。
 また震災の記憶が薄れないうちに、その課題を改めて検証し、今後の防災や地域づくりに活かしていくことも強く求められます。
 このことから、次のことを要請いたします。

1.このたび日本が批准した障害者権利条約を実施する観点からも、防災、復興の施策や実践に、障害者を明確に位置付け、インクルーシブな取り組みを行ってください。

 (1)2015年の国連防災世界会議で策定される新たな国際的な防災の枠組みに、障害という言葉を明記し、位置付けるよう、会議開催国の立場から働きかけてください。

 (2)改正災害対策基本法と、これに基づく「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」をはじめとする、要援護者・要支援者に関わる施策の周知と推進を、全国の障害当事者の参加の下に行ってください。

 (3)今後の都市計画・まちづくりを含む復興の取り組みは、障害者を含むすべての人が暮らしやすいものとなるように行ってください。このため、関連行政機関等の部局に障害当事者・関係者を積極的に任用するとともに、その事業の実施や、関係する審議会・検討会等に当事者・関係者を参加させてください。


2.震災三年目にあたり、被災した障害者の実態把握を改めて行ってください。

 (1)被災した障害者について、地域別の犠牲者数や、障害者手帳等の取得・更新の変遷、また被害の軽減に効果があった好事例や、震災から現在に至る障害者の生活状況など、その実態を改めて把握、検証し、今後の防災の取り組みに役立つよう、公表してください。

 (2)特に、仮設住宅(みなし仮設を含む)や、県外避難などで生活する障害者について、実態把握とそれに基づく支援を行ってください。

 (3)上記のような調査検証等の取り組みを、民間団体や学術・報道機関等が行う場合に、関連データの公表を含めた、積極的な支援を行ってください。


3.上記の観点や、実態把握を踏まえながら、被災した障害者等へのきめ細かな支援を引き続き行ってください。

 (1)仮設住宅で生活を続ける障害者等に対しては、居住性の向上のための備品・設備の入手や改修を、その時々の必要に応じて継続的に行えるようにしてください。

 (2)復興住宅の建設にあたっては、その耐用年数が長きにわたることや、住民のさらなる高齢化等も見据え、今後の地域資源として最大限に活用できるよう、ユニバーサルデザインによる設計を基本とし、かつ、多様な入居者に対応できるよう、建設後・入居後の柔軟な改修に対応できるものとしてください。

 (3)震災による地域資源の被害等から、在宅障害者に支援が届きにくい状況が続いています。被災地においては、特に障害者の在宅サービスが十二分に行えるよう、地域生活支援事業への補助等も含む、一層の対応を行ってください。

 (4)震災以降、被災地では、特に公的支援の届きにくい分野において、民間団体等の支援の取り組みが続けられています。これらの取り組みへのニーズはなお高く、今後は地域に根差した公的なサービスとして継続していけるよう、地域における独自の新規事業の創設について、予算上の措置を含む便宜を図ってください。

 (5)被災地の障害者支援事業所については、必要な人材の確保、製品の販路の拡大などの支援を引き続き行ってください。

以上


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