戻る / 目次 /  /  /  /  /  /  /  /  /  / 10 / 11 / 12 /  /  / 次へ


  3−1 メイン画面
  3−1−1 録音設定
  3−1−2 キャリブレーション
  3−1−3 クリーンアップ
  3−2 編集画面
  3−2−1 画面構成とファイル
  3−2−2 アプリケーション設定
  3−2−3 クリップ表示とオーディオイベントの分割・結合
  3−2−4 イベントの移動、切り取り・貼り付け、削除
  3−3 QAプレーヤー
  3−4 ATAU(音声テキスト追加ユーティリティ)
  3−4−1 ATAUの画面
  3−4−2 3種類のテキストモード


3 Sigtuna DAR 3 JPの概略

 Sigtuna3には4つの主要なモジュールがあります。それぞれ「メイン画面」「編集画面」「ATAU」(音声テキスト追加ユーティリティ)「QAプレーヤー」と呼んでいます。

 3−1 メイン画面

 このモジュールでは、プロジェクトを開いたり、閉じたり、見出しを追加するような簡単な編集、キャリブレーション(無音部分の測定)、録音、WAVEファイルのインポート、プロジェクトのクリーンアップ、プロジェクトのエクスポートなどを行います。

図3−1 メイン画面
図3−1 メイン画面

 この画面は、上から「メニューバー」と「ツールバー」「作業エリア」「コントロールボタン」「ステータスバー」から成り立っています。
 メニューバーはクリックすることで「ファイル」「編集」「コントロール」「オプション」「ツール」「ヘルプ」内のメニューを見ることができます。その下のツールバーは、マウスカーソルを合わせることにより、その機能がポップ表示されます。

図3−2 メニュー「オプション」→「録音の設定」
図3−2 メニュー「オプション」→「録音の設定」

 作業エリアは左右に分かれています。左の画面では、開かれているプロジェクトのNCC(ナビゲーションコントロールセンター)ファイルの内容がツリー状に表示されます。中央の画面は、現在シンクロされているテキスト部分が反転表示され、XHTMLファイルのブラウズ画面を表わします。
 そして画面右端には「ピークレベルメーター」があり、録音・再生時に動作します。
 「コントロールボタン」は、通常の録音機と同じロゴが使われており理解しやすくなっています。また、マウスカーソルを合わせれば、そのボタンの機能をポップ表示します。

図3−3 録音設定ボタン
図3−3 録音設定ボタン

 一番下にある「ステータスバー」には、作動状況の表示、1000分の1秒までの進行時間表示、上下に分かれた2本の「タイムポジションウインドウ」、使用ドライブの残り容量・プロジェクトの使用容量が表示され、イベント移動ボタンの下には、「現在のイベント番号/総イベント数」を表示するイベント位置ウインドウがあります。一番下の「ステータスライン」には、5つのパネルがあり、左からステータステキストフィールド、合計録音時間、リモコンの状況表示、SMILファイルに記録された録音フォーマットなど、そして一番右に録音設定が表示されます。
 以下に主な機能を説明します。

  3−1−1 録音設定

 新たなプロジェクトを開始したときは、必ずこの「録音設定」をします。「オプション」メニューの上から4つ目の「録音の設定」、マイクのロゴのついた「録音設定」ボタンをクリックします。
 この設定には「データフォーマット」「フレーズ検知」「録音モード」「デバイス設定」の4つのタブがあります。

図3−4 録音設定ダイアログのデータフォーマットタブ
図3−4 録音設定ダイアログのデータフォーマットタブ

 「データフォーマット」では、「使用するサンプリング周波数」、「チャンネル」を指定します。一般的には22050Hz、モノラルが使われていますが、高音質を求める場合にはサンプリング周波数の高い数値を選択してください。ただし、圧縮方法によってはその数値が使えない場合もあるかもしれませんから、事前に調べておく必要があります。
 「フレーズ検知」では、この機能を使うかどうか、チェックマークで選択します。選択した場合には、上から「フレーズ前の録音」「ノイズスレッシュホールド」「ポーズ長」の設定をします。フレーズ前の録音とは、音声波形の前に何秒を残して音声イベントを分けるかという意味の設定で、1000分の1秒単位の数値で表されています。
 「ポーズ長」は、音声イベントを分けて記録する際の無音部分の長さのことで、読みの速い人の場合は、例えば0.3秒の値にします。音声イベントの長さが編集の最小単位になりますから、編集効率からすれば大切な設定になります。
 「ノイズスレッシュホールド」は無音部分の音の値で、マイクをつないでの録音の場合では背景ノイズに相当します。この設定は、キャリブレーションをすることで自動設定されます。

図3−5 フレーズ検知タブ
図3−5 フレーズ検知タブ

  3−1−2 キャリブレーション

 キャリブレーションは文字通り無音部分の「測定」です。DAISY仕様では、音声をフレーズ単位の音声イベントとして記録し、これを編集の最小単位として扱うことで、編集効率をあげています。音声ベースの編集では大切なステップになります。

ステップ1 入力信号レベルを調節する
 まず、ツールバーの「キャリブレーション」ボタンをクリックして「音声キャリブレーションダイアログ」を開き、録音レベルが最大振幅で-3dBから-6dBになるように録音ボリュームで調整します。ピーク値が-3dBを超えると、グリーンの表示が黄色に変わります。ごく稀に黄色が出る程度が録音レベル設定のコツです。

図3−6 キャリブレーションダイアログで録音レベル調整
図3−6 キャリブレーションダイアログで録音レベル調整

ステップ2 テスト録音をする
 録音レベルが定まったら、「キャリブレーションを開始する」ボタンをクリックします。マイクの場合は、静かに10秒間待ちます。テープ転送の場合は、録音されている場所で無音部分の多いところを選んでテスト録音をするとよいでしょう。ただし、テープヒスの無い部分や、ノイズの少ない個所では、「無音測定」の意味がありません。無音部分でノイズの多いところでテスト録音をします。

図3−7 10秒の録音中
図3−7 10秒の録音中

ステップ3 分析結果を確認する
 10秒間の測定が終了すると、ダイアログの左下部分に無音部分の測定値、DCオフセットの値が表示されます。「閉じる」ボタンか「ESC」キーでダイアログを閉じて終了します。測定した値は、「録音設定」に自動的に反映されます。

図3−8 「低い」のメッセージ
図3−8 「低い」のメッセージ

結果が悪かった場合の処置
 「ノイズレベルの低い場所を見つけることができませんでした」というメッセージが出た場合は、録音環境を変えたりして、再度、キャリブレーション手順を最初から繰り返します。テープ転送の場合は、ミキサーなどの外部装置で音質などの補正をして、再度キャリブレーションを繰り返します。テープがカセットの場合は、「ワウ」(回転ムラ)などで測定値が大きくなっていますから、グラフィックイコライザーなどが有効な場合があります。

図3−9 入力レベル設定しなおしのメッセージ
図3−9 入力レベル設定しなおしのメッセージ

  3−1−3 クリーンアップ

 「編集」メニューの下から2番目、ツールバーの左から5つ目の歯車アイコンの「クリーンアップ」ボタンをクリックすると、3つのメニューが現れます。

図3−10 メニュー「編集」→「クリーンアップ」
図3−10 メニュー「編集」→「クリーンアップ」

図3−11 クリーンアップのボタン
図3−11 クリーンアップのボタン

図3−12 クリーンアップには3つのメニューが
図3−12 クリーンアップには3つのメニューが

現在のNCCアイテムのクリーンアップ
 「編集画面」で音声イベントの結合ができないときに、このクリーンアップをします。編集結果が反映されていないときなどにもこれを実行します。SMILファイルの時間計算をしなおし、ファイルを再構成します。

プロジェクト全体のクリーンアップ
 「編集画面」での音声イベントの編集、テキストイベントとのシンクロなどが終了したあと、「QAプレーヤー」を使って確認する前に、プロジェクト全体のクリーンアップを必ず実行します。SMILファイルの時間データの再計算、不要ファイルの削除などの段階を経て、クリーンアップが終了します。
 「エクスポート」の前にも必ず行われます。

図3−13 クリーンアップのダイアログ
図3−13 クリーンアップのダイアログ

図3−14 クリーンアップの開始
図3−14 クリーンアップの開始

図3−15 不要なファイルが表示され再生ボタンで確認
図3−15 不要なファイルが表示され再生ボタンで確認

図3−16 クリーンアップ開始
図3−16 クリーンアップ開始

図3−17 削除確認メッセージ
図3−17 削除確認メッセージ

不要なファイルのクリーンアップ
 ディスク容量が心配な場合にこのクリーンアップを実行します。Sigtuna3では編集画面で音声イベントの結合・分割を繰り返していると、内部では編集結果を新しいファイルにコピーする動作を繰り返しています。使用していない音声ファイルがどんどん発生していますから、ディスク容量を節約する意味で、このクリーンアップを活用します。

 3−2 編集画面

 編集画面は、SMILファイルや音声ファイルをより緻密に編集するために使います。画面構成や概略は次のとおりです。

  3−2−1 画面構成とファイル

 この編集画面には、上から「メニューバー」「ツールバー」「作業エリア」、そして一番下に「ステータスバー」が配置されています。

 「メニューバー」には、左から「ファイル」「編集」「表示」「ツール」「コントロール」「ヘルプ」メニューが並んでいます。
 その下の「ツールバー」では、一番左の「EXIT」ボタンから始まって22のボタンが並んでいます。これらボタンの機能は、マウスカーソルを上に置くことによって、ポップ表示で機能が表示されます。
 作業エリアは大きく3画面に分かれ、その下に「音声クリップ表示」「再生時間」「プロジェクトサイズ」「使用ドライブの空き容量」が表示されています。
 大きな作業エリアの左側は、NCCファイルが読み込まれツリー構造状に表示されます。右手のエリアは上下に分かれ、上がSMILファイルの記述を反映したグリッド状の表示で、テキストイベント、音声イベント、イメージイベントを表示する「イベントリスト」となっています。

図3−18 編集画面
図3−18 編集画面

 下のブラウズ画面は、使用しているXHTMLを反映した表示画面となっています。イベントリストの中から一つのイベントを選択すると、シンクロ(同期)対応するテキスト部分が、反転表示されます。

  3−2−2 アプリケーション設定

 編集画面をはじめて使うときは、このアプリケーション設定をします。「表示」メニューの「編集オプション」、ツールバーの「i」アイコンのついた「アプリケーション設定」ボタンをクリックすると、「編集オプション」のダイアログが開きます。
 このダイアログには「全般」「ピークメーター」「エラーログ」のタブがあり、「全般」「ピークメーター」でそれぞれを設定します(現在のバージョンでは「エラーログ」は開きません)。

図3−19 編集画面のメニューバーとツールバー
図3−19 編集画面のメニューバーとツールバー

全般タブ
 はじめて起動すると、一番上の「イベントリスト内のHTMLテキストを表示する」にチェックが入っていないので、チェックを追加します。
 編集操作に慣れた段階では、一番下の「すべての編集をメッセージボックスで確認する」のチェックを外すと効率があがります。誤って削除してしまったときには、ツールバーの「アンドゥ」ボタンで戻す操作をします(慣れない段階では、必ずチェックを入れておいてください)。

図3−20 編集オプションダイアログ
図3−20 編集オプションダイアログ

ピークメータータブ
 このタブでは、「最小dB範囲」を録音レベルチェックのしやすい値に直します。キャリブレーションのメッセージで出たノイズの値をカバーする範囲にするとよいでしょう。「クリップ警告」の値を調整すると、音声イベントのチェックが容易になります。

図3−21 編集オプションのピークメータータブ
図3−21 編集オプションのピークメータータブ

  3−2−3 クリップ表示とオーディオイベントの分割・結合

 イベントリストには音声イベントだけでなくテキストイベントとイメージイベントも表示されます。音声の前に、テキストイベント、イメージイベントが置かれると、その音声イベント再生時に、ブラウズ画面でテキストが反転表示され、イメージは音声イベントの再生中にポップ表示されます。
 各NCCアイテムごとに、イベントリストには最初に必ずテキストイベントが置かれます。このテキストイベントはNCCファイルのリンクが張ってありますから、移動したり、誤って削除しないよう注意しましょう。
 音声イベントを選択すると、そのイベントが音声クリップ表示に現れ、再生と同時にクリップ表示内をカーソル移動します。但し、これを利用できるのは、PCMとADPCM2のフォーマットのみで、mp3などの録音フォーマットでは表示されません。

図3−22 音声クリップ表示
図3−22 音声クリップ表示

 音声とカーソル位置で、分割すべき位置を決定します。2種類の再生ボタンで位置確認が済んだら、ツールバーにある「音声イベントの分割」ボタンをクリックします。「確認」の設定がされている場合は、確認ダイアログが開き、「はい」を選択すると音声イベントが分割されます。

図3−23 分割確認メッセージ
図3−23 分割確認メッセージ

 2つの音声イベントを結合したい場合は、音声イベントをドラッグで反転させ、「音声イベントの結合」ボタンをクリックし、確認ダイアログが開いて「はい」を選択すれば2つの音声イベントが結合されます。

図3−24 2つのイベントをドラッグで反転させ、メニュー「音声イベント編集」→「音声イベントの結合」
図3−24 2つのイベントをドラッグで反転させ、メニュー「音声イベント編集」→「音声イベントの結合」

図3−25 結合確認メッセージ
図3−25 結合確認メッセージ

  3−2−4 イベントの移動、切り取り・貼り付け、削除

 イベントの移動は、そのイベントを選択して反転表示させ、ツールバーにある「↑」「↓」ボタンをクリックすることで、一つずつイベントリストの中を移動します。

図3−26 イベント移動ボタン
図3−26 イベント移動ボタン

注意!! 操作をあまり速くしないようにしましょう。移動することによって、コンピューターはSMILファイルの記述位置と時間計算を瞬時に行い、結果を上書き保存をする動作を繰り返しています。計算スピード以上の操作をするとSMILファイルが破損することが起きます。注意しましょう。

 イベントリストが長く、一つ一つの移動では効率が悪いとき、イベントの切り取り・貼り付けを使います。
 移動させたいイベントを選択し、ツールバーの「はさみ」アイコンの「切り取り」ボタンをクリックします。そして、目的の位置の一つ下のイベントを選択し、ツールバーの「貼り付け」ボタンをクリックします。イベントリストでは、指定したイベントの前に入るような動きをします。「ページを付ける」「音声ファイルの挿入」「画像の挿入」も同じ動きをして、指定イベントの前にイベントが加えられます。

図3−27 右クリックで切り取りメニュー
図3−27 右クリックで切り取りメニュー

図3−28 右クリックで貼り付けメニュー
図3−28 右クリックで貼り付けメニュー

 音声イベントの削除は、イベント番号を選択したら、ツールバーの「削除」ボタンをクリックし、確認メッセージが出たら「はい」をクリックして実行します。

図3−29 右クリックで削除メニュー 
図3−29 右クリックで削除メニュー

 図3−30 削除確認メッセージ
図3−30 削除確認メッセージ

 3−3 QAプレーヤー

 Sigtuna3には、編集成果を確認するためのQAプレーヤーが付属しています。編集したプロジェクトを確認再生するには、「プロジェクト全体のクリーンアップ」をしてから使いましょう。
 QAプレーヤーの画面は、左側のNCCファイルのツリー構造表示部分とブラウズ画面とに分かれています。操作は画面下のカセットプレーヤーと同様の操作ボタンで操作します。「↑」(前の見出し)「↓」(次の見出し)ボタンでNCCアイテムのナビゲーション、「←」「→」ボタンでイベントの移動、中央の「→」「■」ボタンで再生・ストップができるようになっています。
 再生と同時に、シンクロ(同期)されているテキストがブラウズ画面で反転表示されます。シンクロさせたイメージ画像がある場合は、ポップ表示されます。
 一番下にはステータスバーがあり、左からNCCアイテムの再生時間と時間位置、再生合計時間が表示されます。

図3−31 QAプレーヤーの画面
図3−31 QAプレーヤーの画面

 操作ボタンの右には、再生進行状況を示すバーが配置されています。
 「テキスト検索」「ページ検索」もできるようになっており、編集がうまくいっているか確認できるようになっています。
 このプレーヤーの操作は、すべてショートカットキーで操作できるようにもなっています。

[HINT 1] QAプレーヤーは、編集者が編集結果を確かめるために内蔵されており、ユーザー用のプレーヤーのように、「ブックマーク」(しおり)機能や「ボイスメモ」「テキストメモ」などは内蔵されていません。再生スピードも可変になっていません。
 また、一部分、Lp Playerとは違った動きをします。

 3−4 ATAU(音声テキスト追加ユーティリティ)

 ATAU(音声テキスト追加ユーティリティ、以下、「ATAU」と表記します)は、音声だけのプロジェクトにテキストを追加シンクロさせるツールです。XHTMLファイルのテキストを訂正する場合にも使用できます。

図3−32 ツールバーにあるATAU起動ボタン
図3−32 ツールバーにあるATAU起動ボタン

図3−33 ATAU開始確認メッセージ
図3−33 ATAU開始確認メッセージ

  3−4−1 ATAUの画面

 画面の一番上にはツールバーがあり、左から「完了」ボタン、「NCCアイテムのToC表示」をはさんで、「前のNCC」への移動ボタン、「他のNCC」へのジャンプボタン、「次のNCC」移動ボタンと続きます。ツールバーの右端には「最初のNCCからの数と総数」が表示されます。
 大きな画面は作業エリアで、上下に2分割され、上がXHTMLファイルを表示するブラウズ画面で、イベントの移動に合わせてテキストが反転表示されます。
 下は3つのATAUテキストモードとなっていて、それぞれのタブをクリックすることによって、モードが選択ができます。
 一番下にはコントロールボタンがあり、「音声イベントの再生」「音声イベントの繰り返し再生」「イベント移動」などのボタンがあります。その右には、「現在のイベント番号」「イベントの種類」「イベントの再生時間」「現在の再生時間位置」がテキスト表示されます。
 3つのテキストモードタブの右に、やや大きめの「シンクロボタン」があります。
 2つの入力モード「マニュアル入力」「マニュアルHTML」ともに、再生された音声とキー入力および選択完了したテキストとの対応が確認できたら「シンクロ」ボタンをクリックして、次の音声イベントに進みます。

図3−34 ATAUの画面
図3−34 ATAUの画面

注意!! 慣れてくると音声イベントが再生終了しないうちに「シンクロ」ボタンを実行すると、SMILが損傷を受ける場合があります。
 対策としては、メイン画面のメニューバーにある「オプション」から「Sigtuna DAR 3オプション」を選ぶか、メイン画面のツールバー「i」ボタンでダイアログを開き、「ATAU再生速度」を150%から200%程度に速くしておくことをお勧めします。

 3−4−2 3種類のテキストモード

 ATAUの持つ入力モードは次の3つです。「マニュアル入力モード」「マニュアルHTMLモード」「オートHTMLモード」です。

マニュアル入力モード
 この入力モードは、講演会の音声記録やテキストの存在しない図書にテキストをシンクロ(同期)させるために設けられたモードです。入力画面では、半角、全角の区別がつきにくいですから、レイアウトに注意して文字入力をしてください。
 このモードを選択すると、最初の音声イベントが再生されます。聞き漏らしたり、確認には、「音声イベントの繰り返し再生」ボタンをクリックして確認をします。音声と入力したテキストが確認できたら、「シンクロ」ボタンをクリックします。

図3−35 ATAUマニュアル入力
図3−35 ATAUマニュアル入力

 このモードは、要約テキストシンクロにも使えます。
 「シンクロされた図書」で作成されたプロジェクトのXHTMLファイルのテキスト修正にも活用できます。

マニュアルHTMLモード
 このモードは、編集画面で整えられた音声イベントに、半自動でテキストやHTMLファイルを選択して貼り付けていくモードです。
 NCCアイテムを選択するか、このモードのタブをあけると、最初の音声イベントを再生して停止します。テキストファイル、またはHTMLファイルを読み込みますと、タブで囲まれた画面いっぱいにテキスト表示されます。

図3−36 ATAUマニュアルHTML
図3−36 ATAUマニュアルHTML

[HINT 2] ファイルの読み込み画面は、ウィンドウズのバージョンによって違いがあります。

 聞こえた音声の最後にあたる文字列個所をクリックすると、指定した部分より前が反転します。確認ができたら、「シンクロ」ボタンをクリックします。上段のブラウズ画面にテキストが取り込まれます。そして、次の音声イベントが再生され、前と同様に、聞こえた音声に対応する最後の文字列個所をクリックで指定します。

注意!! 手馴れてくると操作が速くなり、音声再生が終了しないうちに「シンクロ」ボタンを実行してしまうことに注意しましょう。
 音声の再生進行状況がバーでも表示されていますから、完全に再生終了まで「シンクロ」ボタンを実行しないように気をつけてください。場合によってはSMILの記述に損傷を受ける場合があります。
 「ATAU再生スピード」を上げて作業効率を上げるのも解決方法の一つでしょう。

オートHTMLモード
 このモードを実行させるためには、p、span、divタグの位置と音声イベントとが一致している必要があります。このモードは、「。」句点、「、」読点、段落といった文字列にとって明確な部分と、音声イベントのポーズが完全に一致している必要があります。編集画面でも文字列に合わせた編集が必要になります。
 文字の体系と音声の体系は必ずしも対応しているわけではありませんから、荒いシンクロをさせる図書向きのモードかもしれません。
 前記2つのモードは、音声イベントを一つ再生すると停止しますが、このモードでは次から次へと音声イベントを再生して、HTMLのタグ付けに沿って、音声再生のリアルタイムのスピードで自動的にシンクロを完成させます。

図3−37 ATAUオートHTML
図3−37 ATAUオートHTML

[HINT 3] 「ToCと音声のみの図書」作成した図書にATAUを使用した場合は、NCCアイテムの数分だけ「atau****.html」というファイル名のXHTMLファイルを作成します。


戻る / 目次 /  /  /  /  /  /  /  /  /  / 10 / 11 / 12 /  /  / 次へ