ToCのみの図書を作る −テープ転送−

ToC(Table of Contents、目次、見出し)のみの図書をすでに録音してあるカセットテープを使ってテープ転送で製作します。


1.新規作成

(1)デスクトップにある「Sigtuna DAR 3 JP 3.0」のアイコンをダブルクリックします。

(2)メニューバーから「ファイル」→「新規」をクリックします。

ツールバーでは一番左のボタンです。

(3)「新しいプロジェクトの作成」ダイアログが表示されます。「ToC(目次)のみの図書」をクリックし、「OK」ボタンをクリックします。

(4)「プロジェクトの保存先を選択してください。」ダイアログが表示されます。「タイトル」欄に、図書名「ハイテク読書」と入力します。

ここで入力した本のタイトルが先頭のNCCアイテム(ToC)になります。

(5)「パスの選択」ボタンをクリックします。「ハードディスクドライブ」をクリックし、「New folder」ボタンをクリックします。「ハードディスクドライブ」のルートに「New folder」が作成されますので、「daisy」と入力します。

フォルダはハードディスクドライブの階層の浅い場所に作ります。
ハードディスクドライブが2つ以上ある場合は、「Cドライブ」以外のハードディスクドライブにフォルダを作った方が良いでしょう。

(6)「Enter」キーで確定し、再度「New folder」ボタンをクリックします。
「daisy」フォルダの中に「New folder」が作成されますので、「newread」と入力します。「Enter」キーで確定し、「OK」ボタンをクリックします。

次に製作するプロジェクトからは「daisy」フォルダの中に「New folder」を作ります。

プロジェクトフォルダ名は半角英数でわかりやすい名前を付けます。
「 」(スペース)は使わずに、代わりに「-」(ハイフン)、「_」(アンダーバー)を使います。
その他の記号は使わないようにします。

(7)「プロジェクトの保存先を選択してください。」ダイアログに戻りますので、「OK」ボタンをクリックします。

「手動で文字セットを選択する」は、変更する必要はありません。自動で日本語の文字セット「shift_jis」が選択されます。
英語の図書を作成する場合には、チェックを入れて、リストから「iso-8859-1」または「Windows-1252」を選択します。

(8)「ハイテク読書」のNCCアイテムが一つできた画面が表示されます。この画面を「メイン画面」と呼びます。

このように先頭のNCCアイテムは必ず本のタイトルが入ります。

製作途中で終了する時は、メニューバーから「ファイル」→「終了」をクリックします。自動で保存されていますので、いつでも終了することができます。
再開する時は、「Sigtuna DAR 3 JP 3.0」を開き、メニューバーから「ファイル」→「開く」をクリックします。
ツールバーでは左から2番目のボタンです。
「ファイルを開く」ダイアログが表示されますので、作成した「newread」の中の、「ncc.html」を選択(クリック)して、「開く」ボタンをクリックします。

2.NCCアイテム

カセットテープの巻数分、NCCアイテム(ToC)を仮に追加します。

2−1.NCCアイテムの追加

(1)「ハイテク読書」のカセットテープは1巻(A面、B面)です。先頭のNCCアイテム(タイトル)にA面、1つNCCアイテムを追加して、B面の音声を録音します。

カセットテープが複数巻の場合は、1−B(1巻B面)、2−A(2巻A面)、2−B(2巻B面)というようにNCCアイテムを追加します。

(2)メニューバーから「編集」→「新しいNCCアイテムの追加」→「見出しの追加」をクリックします。

ショートカットキーは「Ctrl + Insert」です。

(3)「New heading 1」というNCCアイテムが追加されました。

「見出しの追加」は、現在選択しているNCCアイテムと同じレベルのNCCアイテムが追加されます。「小見出しの追加」は、現在選択しているNCCアイテムより1つ下のレベルのNCCアイテムが追加されます。
この方法で、レベルの違ったNCCアイテムを追加することができますが、レベルはNCCアイテムの分割後に変更しますので、今回は「見出しの追加」を使って追加します。

NCCアイテムを間違って多く追加してしまった場合は、メニューバーから「編集」→「現在のNCCアイテムの削除」をクリックします。
先頭のNCCアイテム(タイトル)以外のNCCアイテムならば削除できます。

2−2.NCCアイテム名の変更

(1)NCCアイテム名を変更します。
NCCアイテム「New heading 1」を選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「現在のNCCアイテム名の変更」をクリックします。

ショートカットキーは「F2」です。

(2)「B」と入力し、「Enter」キーで確定します。

3.録音準備

仮のNCCアイテム(ToC)ができたら、録音の準備をします。

録音後、音声編集をやりながらNCCアイテムの編集を行います。

3−1.録音設定

(1)メニューバーから「オプション」→「録音の設定」をクリックします。

ツールバーでは右から5番目のボタンです。

(2)「録音の設定」ダイアログが表示されます。

「データフォーマット」タブ(音声デバイス設定)

「サンプリング周波数」
人間の声で録音する場合、「22050 Hz」に設定します。
「44100 Hz」ですと音楽CD品質になります。しかし人間の声でしたら「22050 Hz」で十分です。
「チャンネル」
「モノラル」に設定します。
「録音コーデック」
「PCM 16 bits」に設定します。
マスタープロジェクトは「PCM 16 bits」で製作します。完成後に音声を圧縮することができます。
「ADPCM2 4bits」にも設定できますが、DAISY独自の音声フォーマットですので互換性がありません。最新のDAISY規格では採用されていませんので、今後リリースされるプレイヤーが再生をサポートしないことが多くなります。
また、完成後に他の音声フォーマットに変換することができません。
「テープスピード」
マイクで録音しますので、「等倍速」になっていることを確認します。
「二倍速」の場合、カセットデッキの二倍速のスピードとSigtuna DAR 3の二倍速のスピードが必ずしも同じスピードとは限りません。テスト録音をして確認してください。

「フレーズ検知」タブ(フレーズ検知の設定)

「録音中にフレーズ検知を使用する」
チェックが入っていることを確認します。
「フレーズ検知」を使用しない場合、録音開始から終了までが1つのフレーズになりますので、カセットテープのA面が1つのフレーズになってしまいます。後の編集をやり易くする為にフレーズ検知を使います。
「フレーズ前の録音」
フレーズ検知でフレーズが分割される位置の変更ができます。
「少ない」にすると、フレーズの先頭の無音がより少なくなります。「多い」にすると、フレーズの先頭の無音がより多くなります。
通常は、「90 ms」で問題ありませんが、実際に録音を行った時に、フレーズの終わりに次の音声が入ってしまう場合は、「多い」で「130 ms」程度に調節します。
「ノイズスレッシュホールド」
バックグラウンドのノイズ(雑音)のレベルを設定します。この後に行う「キャリブレーション」で自動で設定されます。
「ポーズ長」
カセットテープの朗読者が設定した秒数よりも長い時間黙っていると(息継ぎ等)、その部分でフレーズが分割されます。朗読する速度は朗読者によって異なります。大体「。」句点で分割されるように、朗読者に合わせて調節します。「0.350 s」前後が標準です。
「短い」にすると、より細かくフレーズが分割されます。「長い」にすると、より大まかにフレーズが分割されます。

「録音モード」タブ

「ダイレクト録音」
「録音」ボタンをクリックすると同時に録音が始まります。通常はこのモードを選択します。
「録音待機」
「録音」ボタンをクリックしても音声を認識するまでは待機状態になり録音が始まりません。使用する音声デバイスによって誤差がありますので、通常は「ダイレクト録音」を選択してください。

「デバイス設定」タブ

「音声デバイス」
複数の音声デバイスがある場合、使用したい音声デバイスが選択できます。
「バッファー数」、「バッファーサイズ」
デフォルトのまま、変更する必要はありません。
パソコンによっては、内蔵の音声デバイスで十分な録音ができない場合があります。その場合は外付け(USB接続)の音声デバイスを使用してください。

以上で「録音設定」が終了しました。「OK」ボタンをクリックします。
1度設定すると保存されますので、変更が無い限り、次回は設定の必要はありません。

3−2.キャリブレーション

(1)カセットデッキをパソコンのライン入力端子に接続します。

パソコンによっては、ライン入力端子がない場合があります。その場合は外付け(USB接続)の音声デバイスを使用してください。

(2)メニューバーから「オプション」→「音声のキャリブレーション」をクリックします。

ツールバーでは右から2番目のボタンです。

(3)「SigtunaDAR3 AudioCalibrator」ダイアログが表示されます。

(4)最初に「録音レベル」の設定をします。メニューバーから「オプション」→「ミキサーの設定」をクリックします。

画面右下のボタンでも可能です。

(5)「Recording Control」ダイアログが表示されます。

パソコンによって「Recording Control」の名称は異なります。

(6)「Line In」の「選択」をクリックし、チェックを入れます。

パソコンによって「Line In」の名称は異なります。また、「選択」ではなく「ミュート」になっている場合は、「Line In」のチェックを外し、その他の入力の「ミュート」にチェックを入れてください。
「Line In」が表示されていない場合は、「Recording Control」ダイアログのメニューバーから「オプション」→「プロパティ」をクリックし、「表示するコントロール」の中の「Line In」にチェックを入れます。

(7)「SigtunaDAR3 AudioCalibrator」ダイアログが隠れてしまったので、タスクバーにある「SigtunaDAR3 AudioCalibrator」をクリックし表示します。

「SigtunaDAR3 AudioCalibrator」と「Recording Control」の画面が重ならないように、ウィンドウを移動します。

(8)カセットテープを再生し、テストをします。

テスト中、「SigtunaDAR3 AudioCalibrator」で波形が表示されない場合は、「Line In」が選択されていない、ボリュームが小さすぎる、カセットデッキが接続されていない、無音の部分等の原因が考えられます。
再度「Recording Control」の設定を確認してください。

(9)録音レベルが最大で「-3」を超えない程度(-6 〜 -3の範囲)に「Recording Control」の「Line In」のレベルを調節します。

(10)カセットテープを再生させたまま、「キャリブレーションを開始する」ボタンをクリックし、10秒間待ちます。

カセットテープを再生し、頭の部分(録音されはじめて、タイトルが読まれるまで)や、無音の多い部分でキャリブレーションをします。

(11)完了すると、「DCオフセット値」および「ノイズスレッシュホールドレベル」が表示されます。

「ノイズレベルの低い場所を見つけることができませんでした。」というメッセージが表示された場合は、テープヒス(雑音)が大きすぎる、ライン端子の接触が悪い、録音レベルが低い等が考えられます。
再度設定しなおし、キャリブレーションを行ってください。

(12)数値は自動で設定されますので、「閉じる」ボタンをクリックします。「Recording Control」ダイアログも閉じます。

録音レベルがそれまでとは変化した時は、再度キャリブレーションを行ってください。

(13)「録音設定」、「キャリブレーション」が正しく行われると、録音準備の完了です。録音を開始します。

4.録音

(1)NCCアイテムごとに録音をします。NCCアイテム「ハイテク読書」を選択(クリック)します。

(2)メイン画面の下、コントロールボタンの「録音」ボタンをクリックします。すぐに録音が始まりますので、カセットテープを再生し、A面が終了したら「停止ボタン」をクリックします。

録音中、画面右の「VU メーター」に録音レベルが表示されています。
クリップ(赤色)になった場合は、「録音レベル」を再度調節し、「キャリブレーション」を行ってください。

録音後に、NCCアイテムに含まれるすべての音声を削除したい場合は、そのNCCアイテムを選択し、メニューバーから「編集」→「現在のNCCアイテム中のすべての音声の削除」をクリックします。

(3)録音した音声を確認したい時は、画面下のコントロールボタンを使います。

「先頭へジャンプ」
現在のNCCアイテムの最初へジャンプします。
「巻き戻し」
ボタンを押している間、巻き戻しされます。
「再生」
現在の位置から再生します。
「早送り」
ボタンを押している間、早送りされます。
「最後尾へジャンプ」
現在のNCCアイテムの最後へジャンプします。
「停止」
再生、録音を停止します。
「録音」
録音を開始します。
「前のイベントへ移動」
前のフレーズへ移動します。
「次のイベントへ移動」
次のフレーズへ移動します。

(4)音声の確認後、すでに音の入っているところに再録音する場合は、「録音ボタン」の下、「録音モードの切り替え」で、「挿入モード」を選択します。

すでにあるフレーズは上書きされず、再録音したフレーズが挿入されます。不要なフレーズは後で編集で削除します。

(5)次のNCCアイテム「B」を選択し、同様に録音をします。

5.編集

「結合」、「分割」、「削除」を使って、音声を編集します。「NCCアイテムの分割」、「ページの追加」を使って、音声を編集しながらNCCアイテムの編集をします。

画面右上「イベントリスト」の最初から音声を編集していきます。NCCアイテム名を読んでいる音声イベントにきたらNCCアイテムを分割します。
ページの部分にきたらページの追加をします。

編集は「編集画面」で行います。メニューバーから「ツール」→「編集画面」をクリックします。

ツールバーでは左から7番目のボタンです。

「メイン画面」に戻りたい時は、「編集画面」を閉じれば「メイン画面」に戻ります。
ツールバーでは一番左のボタンです。編集中でも「メイン画面」に戻り、再録音をすることができます。

結合

画面右上「イベントリスト」で、結合したい2つの音声イベントをドラッグで選択し、メニューバーから「音声イベント編集」→「音声イベントの結合」をクリックします。

ショートカットキーは「Ctrl + J」です。
ツールバーでは右から11番目のボタンです。

NCCアイテム名を読んでいる音声イベントは必ず1つに結合します。各NCCアイテムの先頭の音声イベントはNCCアイテム名に沿った音声のみにします。余分な音声が入っている場合は分割します。

本文の部分は大体「。」句点で音声イベントを分割します。

「これらの二つの音声イベントは結合できません!」というメッセージが出た場合は後述の「音声エディター」を使って結合します。

分割

音声イベントを1つ選択し、画面下「音声クリップ表示」の分割したい箇所でクリックし、メニューバーから「音声イベント編集」→「音声イベントの分割」をクリックします。

ショートカットキーは「Ctrl + S」です。
ツールバーでは左から11番目のボタンです。

音の波形の途中ではなく、無音の部分で分割します。

削除

削除したい音声イベントを1つ選択し、メニューバーから「編集」→「削除」をクリックします。

ショートカットキーは「Delete」です。
ツールバーでは左から6番目のボタンです。

各NCCアイテムの先頭のテキストイベントは削除してはいけません。

間違って「結合」、「分割」、「削除」してしまった場合は、メニューバーから「編集」→「元に戻す」で一段階ずつ元に戻すことができます。
ツールバーでは左から2番目のボタンです。

音声イベントならば、「切り取り」、「コピー」、「貼り付け」することが可能です。

音声エディター

「音声エディター」を使用すれば、より詳細な音声編集が可能です。
音声イベントを1つ以上選択し、メニューバーから「ツール」→「音声エディター」をクリックします。

「結合」

結合したい2つ以上の音声イベントを選択した状態で「音声エディター」を開くと、イベントの境目が黄色いラインで表示されます。
黄色いラインの上でクリックし、メニューバーから「編集」→「現在のナビゲーションポイントの削除」をクリックします。

「分割」

分割したい箇所でクリックし、メニューバーから「編集」→「音声イベントの挿入」をクリックします。
イベントの境目に黄色いラインが入ります。

「編集画面」に戻るには、メニューバーから「ファイル」→「閉じる」をクリックします。「lpSmilEdit Message」ダイアログが表示されますので、変更を保存する場合は「Yes」ボタンを、保存しない場合は「No」ボタンをクリックします。

NCCアイテムの編集

NCCアイテム名を読んでいる音声イベントでNCCアイテムを分割し、見出しを作っていきます。

(1)原稿(原本)を参照し、NCCアイテムを分割します。先頭のNCCアイテム(タイトル)はすでにできていますので、次のNCCアイテム「1 これまでの読書」の音声イベントでNCCアイテムを分割します。

「ハイテク読書」の原稿は、「kyouzai」フォルダの中の「newread.html」ファイルです。大きな文字が見出しになります。

(2)画面右上「イベントリスト」で、「1 これまでの読書」の音声イベントを選択し、メニューバーから「編集」→「NCCアイテムの分割」をクリックします。

(3)「ハイテク読書 - Split 1」のNCCアイテムが追加されました。「ハイテク読書 - Split 1」の中に「1 これまでの読書」以降の音声イベントがあります。

(4)NCCアイテム名を変更します。NCCアイテム「ハイテク読書 - Split 1」を選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「現在のNCCアイテム名の変更」をクリックします。

(5)「1 これまでの読書」と入力し、「Enter」キーで確定します。

(6)次のNCCアイテム「2 ハイテク読書術」の音声イベントで、同様にNCCアイテムを分割し、NCCアイテム名を変更します。最終的には合計10個のNCCアイテムに分割します。

ページの追加

ページを追加する位置は2種類あります。

「ハイテク読書」のページの位置は、「kyouzai」フォルダの中の「newread.html」ファイルを参照してください。

NCCアイテムにページを付ける

(1)「1 これまでの読書」に「1ページ」が付いています。「1ページ」でページジャンプすると「1 これまでの読書」と再生されるようにします。

先頭のテキストイベントの前にページを挿入することはできませんので、下記の方法でページを付けます。

(2)一つ前のNCCアイテム「ハイテク読書」の最後の音声イベントを選択します。

(3)画面下「音声クリップ表示」で、終わりの無音の部分0.1秒くらいで分割します。

分割した無音(0.1秒くらい)を一度作れば、その無音の音声イベントをコピーして、他のページ用の音声イベントとして使うこともできます。

(4)分割した無音の音声イベントを選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「ページの追加/編集」をクリックします。

ショートカットキーは「Ctrl + P」です。
ツールバーでは右から7番目のボタンです。

(5)「新しいページを付ける」ダイアログが表示されます。
「開始ページ」に「1」、「終了ページ」に「1」と入力します。
「追加」ボタンをクリックします。

「開始ページ」に「1」、「終了ページ」に「3」と入力すると、「1ページ」「2ページ」「3ページ」がまとめて付きます。

「クラス属性」は現在「page-normal」のみ使用することができます。

ページを削除したい場合は、ページのテキストイベントを選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「削除」をクリックします。

ページ番号を変更したい場合は、ページのテキストイベントを選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「ページの追加/編集」をクリックします。
「現在のページを変更する」ダイアログが表示されますので、「開始ページ」を変更し、「変更」ボタンをクリックします。

本文にページを付ける

(1)「1 これまでの読書」の本文、「視覚に障害がある人は・・・」に「2ページ」が付いています。「2ページ」でページジャンプすると「視覚に障害がある人は・・・」と再生されるようにします。

(2)「視覚に障害がある人は・・・」の音声イベントの一つ前の音声イベント「・・・仕事で本を読まなければならない人々にはかなり致命的です。」を選択(クリック)し、画面下「音声クリップ表示」で、終わりの無音の部分0.1秒くらいで分割します。

(3)分割した無音の音声イベントを選択(クリック)し、メニューバーから「編集」→「ページの追加/編集」をクリックします。

(4)「新しいページを付ける」ダイアログが表示されます。
「開始ページ」に「2」、「終了ページ」に「2」と自動で入力されています。
「追加」ボタンをクリックします。

ページ番号は必ずしも連番である必要はありません。「1ページ」の次に「3ページ」を付けることも可能です。

「newread.html」ファイルを参照し、すべてのページを付けます。

NCCアイテムの移動

「NCCエディター」を使ってレベルを変更します。現在のレベルはすべてレベル1となっています。

NCCアイテムにはレベル(階層)を1〜6まで設定することが出来ます。図書には、大見出しの中に多数の中見出しがあり、その1つの中見出しの中には多数の小見出しがあります。図書の持つ構造をDAISYでは、レベル1〜6の6つのレベルを使ってあらわします。
例えば、

図書名(タイトル)レベル1
目次レベル1
第1章レベル1
第2章レベル1
第2章1節−−−−−−−>レベル2
第2章2節レベルで表すとレベル2
第2章2節1項レベル3
第2章2節2項レベル3
第3章レベル1

となります。

(1)メニューバーから「ツール」→「NCCアイテムの移動」をクリックします。

ツールバーでは左から8番目のボタンです。

(2)「NCCエディター」ダイアログが表示されます。

(3)現在のレベルはすべてレベル1(H1)です。レベルを変更したいNCCアイテムを選択(クリック)し、変更します。

原本では、

ハイテク読書レベル1(H1)
1 これまでの読書レベル1(H1)
2 ハイテク読書術レベル1(H1)
ハイテク読書の利点レベル2(H2)
ハイテク読書の欠点レベル2(H2)
(1)OCRソフトが文字を誤認識するレベル3(H3)
(2)コンピュータが誤読するレベル3(H3)
(3)自分では誤りを校正できないレベル3(H3)
3 情報バリアフリーレベル1(H1)
4 結論レベル1(H1)

このようにレベル(階層)が付いています。

(4)「ハイテク読書の利点」から「(3)自分では誤りを校正できない」までは、「2 ハイテク読書術」の小見出しになりますので、レベル2(H2)に変更します。
5個のNCCアイテムをドラッグでまとめて選択し、→「NCCアイテムを右に移動」ボタンをクリックします。

(5)レベル2(H2)に下がりました。

レベルを上げたい場合は、←「NCCアイテムを左に移動」ボタンをクリックします。

(6)さらに、「(1)OCRソフトが文字を誤認識する」から「(3)自分では誤りを校正できない」までは、「ハイテク読書の欠点」の小見出しになりますので、レベル3(H3)に変更します。
3つのNCCアイテムをドラッグでまとめて選択し、→「NCCアイテムを右に移動」ボタンをクリックします。
レベル3(H3)に下がりました。

(7)レベルの変更ができたら、「保存と終了」ボタンをクリックします。

↑「NCCアイテムを上へ移動」、↓「NCCアイテムを下へ移動」ボタンでNCCアイテムの順番を変更することができます。

「編集」が終わったら、「編集画面」を閉じて「メイン画面」に戻ります。

6.書誌情報

(1)書誌情報(メタデータ)を入力します。必須項目は必ず入力します。

(2)メニューバーから「オプション」→「NCCのメタデータを修正する」をクリックします。

(3)「書誌記述メタデータ」ダイアログが表示されます。自動で入力されている項目もありますが、必須項目で未入力の項目には赤い「!」マークが付いています。

「dc:creator」
ダブルクリックし、「内容」の部分に、原本の著者を入力します。
「石川 准」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
「dc:date」
ダブルクリックし、「内容」の部分に、制作したDAISY録音図書を公表した日付を入力します。
スキームが「yyyy-mm-dd」となっていますので、「2004-09-18」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
「dc:identifier」
ダブルクリックし、「内容」の部分に、他のDAISY録音図書と区別するようなコードや番号を入力します。製作する団体で固有の管理番号を付けることができます。「newread」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
「dc:language」
ダブルクリックし、「内容」の部分で、Japanese [ja]を選択(クリック)します。スキームはISO 639です。
「OK」ボタンをクリックします。
「dc:publisher」
ダブルクリックし、「内容」の部分に、DAISY録音図書の公表者または出版者を入力します。
「財団法人 日本障害者リハビリテーション協会」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。

(4)すべての必須項目に入力したら、「OK」ボタンをクリックします。

推奨項目、その他の項目については、任意で入力します。

7.クリーンアップ

(1)不要な音声ファイルを削除してファイルの整理をします。

(2)メニューバーから「編集」→「クリーンアップ」→「プロジェクト全体のクリーンアップ」をクリックします。

ツールバーでは左から5番目のボタンで、「プロジェクト全体のクリーンアップ」を選択します。

(3)すべてのファイルをチェック後、「不要な音声ファイルのクリーンアップ」ダイアログが表示されます。
「使用していない音声ファイル」がある場合、「クリーンアップの開始」ボタンをクリックし、「OK」ボタンをクリックします。

音声を編集した時は、最後に必ず「プロジェクト全体のクリーンアップ」をします。

ここまでで「マスター」(保存用プロジェクト)の完成です。再生プレイヤーで確認後、配布用のプロジェクトを作成します。

8.QA Player

(1)DAISY再生用ソフトウェア「LpPlayer」の機能限定版です。

(2)メニューバーから「ツール」→「QA Player」をクリックします。

ツールバーでは一番右のボタンです。

(3)「LpPlayerQA」が開きます。プロジェクトの最終チェックをします。

チェック後、修正(録音・編集)を行った場合は、再度「クリーンアップ」をします。

(4)「LpPlayerQA」を閉じて「メイン画面」に戻ります。

9.エクスポート

(1)配布用のプロジェクトを作成します。

(2)メニューバーから「ツール」→「エクスポート」をクリックします。

ツールバーでは左から4番目のボタンです。

(3)「エクスポートダイアログ」が表示されますので、「音声の圧縮」を選択(クリック)し、「OK」ボタンをクリックします。

(4)「プロジェクトのビルド」ダイアログが表示されます。
「保存先パス」で、「daisy」フォルダを選択(ダブルクリック)し、「新しいフォルダの作成」ボタンをクリックします。

必ずダブルクリックで選択します。

(5)「サブフォルダを作成する」ダイアログが表示されますので、「newreadP」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。

フォルダ名は半角英数でわかりやすい名前を付けます。「-」(ハイフン)、「_」(アンダーバー)以外の記号は使わないようにします。
PCM(非圧縮)にビルドしますので、プロジェクトフォルダ名「newread」に「P」を付けました。

(6)「プロジェクトのビルド」ダイアログに戻ります。ダイアログ右上の「設定」で、プルダウンメニューの中から「PCM(非圧縮)」を選択(クリック)します。

「PCM(非圧縮)」
音声を圧縮せずにファイルの整理のみ行います。音質は悪くなりません。
1枚のCDで300分程度の録音時間です。
「Mpeg Layer 2」
音声を約1/7に圧縮します。(ビットレート48kbの場合)音質は悪くなります。
ビットレートは32kb〜160kbの間で選択してください。
数値が大きいほど高音質ですが、圧縮率は低くなります。音質にあまり影響を及ぼさずに長時間の音声を収録したい場合は、48kbを選ぶと良いでしょう。
「ADPCM 2」
音声を約1/4に圧縮します。音質は悪くなります。
DAISY独自の音声フォーマットです。
「DVI ADPCM」
音声を約1/4に圧縮します。音質は悪くなります。
標準規格の音声フォーマットです。

MP3等の外部エンコーダーがあれば、「コーデックの設定」からインストールすることができます。

(7)「ビルドの開始」ボタンをクリックします。

(8)「クリーンアップ」の確認のダイアログが表示されますので、「はい」ボタンをクリックします。

(9)「クリーンアップ」後、「エンコード中」ダイアログが表示され、「エンコード」が完了します。

(10)「daisy」フォルダの「newreadP」フォルダの中のすべてのファイルをCD-Rに書き込み、配布用CDの完成です。

CD-Rへは、「JOLIET」、「MODE 1」で書き込みます。

1枚のCDに複数のプロジェクトを書き込む場合は、「discinfo.html」ファイルを作成し、プロジェクトフォルダと一緒に書き込みます。