音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

宮城県内の障害者団体・支援団体の情報交換会

宮城県内の障害者団体・支援団体の情報交換会看板

宮城県内の障害者団体・支援団体の情報交換会の様子

 4月7日(木)14時より、宮城県内の被災障害者支援に携わる障害者団体・支援団体の情報交換会が開催され、約70人が参加しました。状況報告と意見交換が活発に行われ、当初の予定を超える3時間の会合となりました。

○次第等

東日本大震災にかかる情報交換会
日時 2011年4月7日(木)14時~17時
場所 仙台市福祉プラザ 11階第一研修室
主催 被災障害者を支援するみやぎの会
   JDF被災障害者総合支援本部みやぎ支援センター

次第
主催者あいさつ
 阿部一彦氏(被災障害者を支援するみやぎの会 代表 / みやぎ支援センター長)

行政からのあいさつ
 菅原勲氏(宮城県障害福祉課 課長補佐)
 山縣一宏氏(仙台市障害者支援課 生活支援係長)

 

関係団体代表あいさつ
 大川弥生氏(国立長寿医療研究センター研究所 生活機能賦活研究部 部長)

1.参加者紹介
2.各障害者団体からの被災状況の報告
3.支援者団体からの報告
4.意見交換
5.今後の被災障害者への支援と課題
(1)当面する支援活動の視点と課題
(2)長期的な方向性
(3)団体の連携のあり方

閉会のあいさつ
 西川茂(みやぎ支援センター 事務局長)

参加団体 45団体(リスト準備中)

○概要報告

<主催者あいさつ>

阿部一彦代表のあいさつ骨子
具体的な情報交換と連携によって、地元関係者のニーズを支援に結びつけたい。障害に関する特別なニーズを発信することにより、災害以前よりも暮らしやすいまちづくりにつなげたい。被災した私たちの地域から、日本の社会における支え合いのあるべき姿を提起したい。

<行政からのあいさつ>

菅原勲補佐のあいさつ骨子
県としても、市町村に通知を出したり、浸水区域の図面、施設の情報提供などを行い、JDFが活動しやすいように協力している。くれぐれもお気をつけて活動いただきたい。

山縣一宏係長のあいさつ骨子
皆様には私たちの手がなかなか届かない在宅の方々のためにご尽力いただいている。市としても協力していきたい。

<関係団体代表あいさつ>

大川弥生氏のあいさつ骨子
被災障害者の状況については、しっかりしたデータをもって示す必要がある。避難所のみならず在宅の方についても同様であり、目配りが必要である。
専門家・支援者は黒子として関与し、地域のコミュニティを支えることが必要である。支援には継続的な取り組みと平等性が欠かせない。

難民を助ける会からの報告骨子
地震の二日後から現地入りし、支援を開始した。ポイントは連携である。県、市、災害対策本部、JDFと連携している。現在の課題は在宅の方々への支援と、支援活動の全体的な調整である。

<各障害者団体からの被災状況の報告>

  • 初めての大災害でただ驚くばかりである。
  • 必要な物資や補装具を団体の会員にどうに提供するかが課題である。
  • 地震直後は電話が使えず安否確認などの連絡が取れなかった。通信手段の確保が大きな問題である。
  • 自治会からの声かけも得られず、連絡網の必要性を感じた。
  • ガソリンがなく、安否確認や、薬・物資・物資の入手(供給)もできない。ヘルパーも来られない。障害者は優先してガソリンを得られるようにしないと命に関わる。
  • 親戚より近所の支援が役立った。平時からの近隣との接し方を考えなければいけない。
  • 個人情報保護が安否確認の妨げになっている。施設・事業所の名簿も津波で流され、横の連絡が取れない。
  • 作業所等に通えず生活のリズムが崩れ、自宅でパニックをおこすなど、ストレスがたまっている。被災者の心のケアが必要である。結果として家族や支援者にも負担がかかる。
  • 地震直後に交通が止まり、帰宅ができなかった。交通機関の災害対策はなされていたのか。事業所の職員や家族の支援で車で帰宅するか、避難所で過ごしたのが実情である。本人にも支援者にも大きなストレスがかかる。
  • 避難所には支援が届きやすいが、われわれのグループホームには支援が届かず、当初は何時間も並んで食事の買い出しなどをした。自治体から水やアルファ米が届いたのは10日以上経ってからだった。点在している事業所にも支援を届けてほしい。
  • 事業所はなんとか開所し日中活動の場は再開したが、取引先が営業していない、ガスが通っていないなどの理由で作業を再開できない。
  • 外部からの支援団体同士が連携し有効な支援をしてほしい。
  • 隣県の障害者団体として支援を行っていきたい。
  • 相談事業所の役割として、ガソリンのない中、安否確認を自転車や徒歩で行った。わがまちの地域生活支援事業にはそのような役割が欠けているのではないか。
  • 政府の復興構想会議には、障害者団体も参加すべきである。JDFから働きかけていただきたい。
  • 福祉避難所などの役割を果たすため、職員が不眠不休で活動した。休ませたい。
  • 自分自身が被災者であり、自分や家族を守ることで精一杯だった。これから仲間のために何ができるか考えるために今日は参加した。
  • 行政や特別支援学校を通じてニーズ把握を行い、メーリングリストを通じて必要な物資を呼びかけ配布した。ただ、行政や学校にニーズを届けられない人たちをどう支援するかが課題である。
  • 作業所の作業ができない。工賃をどう払うか。報酬請求もできず、運営上の問題も出てくる。
  • てんかんの薬や相談窓口の情報を、マスコミを通じて流すほか、ビラを避難所等に配っている。発作の不安から避難所にいられず自宅にいる人もいる。またはてんかんのことを隠しているため声が挙げられない人もいる。その人たちをどう支援するかが課題である。ネットワーク作りが大切である。
  • 災害に特化した相談支援センターを作ってほしい。
  • 避難所に物資等はあるが補聴器・人工内耳用の電池がない。難聴者は避難所など騒がしいところではコミュニケーションができないことが理解されない。家族や知り合いといても情報が遅れてしまう。迷惑をかけていると思い消極的になり孤独を感じる。ピアサポートが大切であり始めていきたい。
  • 地震、津波、原発と深刻な災害であるが聴覚障害者は情報が乏しい。突然電気が消えてもラジオは聞こえないし状況が分からない。避難情報の街頭放送は、フラッシュライトを付けるなど視覚的にも分かるように工夫すべきである。
  • 一時避難所も津波の被害を受け、次の避難所に移動したがそこも寝床が固くて住みづらく、知人の家、民間のアパートなど点々とした。自分自身が被災者であり支援活動に手が付いていない。
  • 酸素ボンベを使用する会員の安否確認を、ボンベの業者と協力して行ってきた。新聞等の伝言板に当事者向けの情報(連絡先等)を掲載している。
  • 震災は精神障害者にとって多大なストレスである。今回の震災で初めてPTSDやうつになる人もいる。ピアカウンセリングのノウハウを使って電話相談を行っていきたい。当事者でなければできない相談や情報発信がある。
  • 視覚障害者の中でも弱視者は避難所でも外から見て分かりづらく、声も挙げられない。地域とのネットワークをどうつなげていくか。視覚障害者の対策本部を作り、安否確認と訪問を行っている。みなさんと連携したい。視覚障害者はテレビのテロップが見えないので、電話ナビゲーションシステムを準備中である。
  • 公的機関から安否確認の電話が今日になって来た。個人情報保護より、どんどん安否確認を進めるべきである。

<意見交換>

  • このような情報交換会・調整会議を定期的に開催すべきである。できれば週一回。諸外国では最低週一回は開いているのが通例である。宮城でも医療関係の調整会議は毎朝開かれている。
  • 情報の収集、共有と発信というが、それをどこが担うのか。JDFも含め、分担を明確化すべきである。
  • 今行っている緊急の取り組みを、長期的観点から、一歩引いた冷静な視点で見ることも大事である。それが、JDFや支援者の役割ではないか。
  • 支援によって、支援を受ける人がどう変わっていくのかという観点も必要である。

<今日のまとめ>

  • 今日の意見交換会で出された情報や資料は事務局でとりまとめて参加者の皆さんにお届けする。
  • 今後はこのような情報交換の場を継続していきたい。定期的開催については、みやぎの会とも相談して改めて提案したい。
  • 情報発信はJDFとして担っていきたい。
  • 外からの支援者は黒子に徹し、地域コミュニティを支えることが大切である。

<その他>

大川氏より、参加者の了解のうえ、「災害時要援護者」対策の認知度について、口頭での簡単なアンケートが行われた。

<閉会あいさつ>

西川茂事務局長のあいさつ骨子
初回の会議であったが、それぞれの思いを語っていただき、時間も延長した。みやぎ支援センターの説明ビラがあるので各所でご紹介いただきたい。当面の支援活動と、実態を把握したうえでの長期的な復興の取り組みと、双方が必要である。

(文責 事務局原田)