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シンポジウム「デイジー教科書の現状、課題、そして将来に向けて」

グループごとのテーマについての発表
テーマ:デイジー教科書の現状・課題・将来について

Dグループの発表

Dグループも皆さんの発言がたくさん出ました。

まず、課題としてデイジー教科書の認知度不足というのが大きなテーマでひとつあります。マルチメディアデイジーということ自体、知らない人が多くいます。マルチメディアデイジーは聞いたことがあるけれども、実際にそのマルチメディアデイジーをどう使っていいかわからない。再生ソフトのAMISが高額で手に入らないとか診断書がないとデイジーは使えないのではないかとか誤った情報が結構出ているのではないのかという話がありました。また、教員の理解が進んでいなく、導入されないという部分で認知度不足も挙げられました。

そして、二つ目として利用者の声が届かない、聞こえていないという点です。当事者の人が困っているということを聞いてもらうところがないのではないかということ、困っている子どもがどんなことで困っているのかを一般の人が知らないという話やサポートするボランティア等がいないという話も出ました。

それから、もう一つ出ていたのは、マルチメディアデイジー教科書、生徒は使えるのですが、先生が使えずに拡大図書をもって大変苦労しているという話が出ました。

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次に、関連団体、官庁間の連携不足という話が出てきまして、保育園の頃に発達障害という診断名をもらったが、それが小学校の方にうまく続かず、そこでまた一から始まってしまって、うまくサポートしてもらえなかったとか、大きい話で言いますと文部科学省、経済産業省、厚労省の壁が厚いのではないかというような話で、教科書ですと文科省ですし、デジタル教科書ですと経産省が関わってきますので、その辺の関わりがすごくおかしいのではないかというような話も出ていました。

最後に利用施設、学校の問題で、学校にPCがない、さっきの赤江小の先生のところは恵まれているのではないかという学校の先生もいらっしゃいましたし、教育委員会によっては、今から入る電子黒板に興味がいってしまって、デイジー等には見向きされませんという話も出てきました。これらが課題です。

では、どうしましょうかという話が出た時に、いくつかまとまっていますが、魅力あるPR媒体の制作です。1枚の写真やウェブページなどでも、一般の人に訴えるものを製作したり、ACに広告をつくってもらって常時流してもらったらどうか、という話もありました。

2つ目として保護者が行く場所へのPR。具体的に出たのが小児科です。小児科に行った時にテレビにいろいろと宣伝が出ているので、そこに流してもらうものを作ってもらったらどうかという提案です。それから教育相談所。困ったときに行くのが、教育相談所なので、そこにいかにアプローチするか、というところでPRの部分が出ています。

それと情報が間違っているので正しい情報を発信する場が必要だということです。操作が難しいとか、利用には障害の手帳が必要だといった情報を是正する広報的な役割、そこが必要だという話が出ました。

最後のまとめです。まず大きく2つあります。1つは、推進団体のネットワークを作ったらどうかということです。大阪や奈良の方の発表で、学校関係者、保護者、支援者、当事者同士、情報がうまく流れているというような事例をいただいて、この事例が地域に進んでいけばもっと良いのではないかと思い、推進団体のネットワークづくりというテーマを1つ提案です。2つめとして、協議会の立ち上げです。1つ目とかぶりますが、学校や図書館、保護者、当事者、支援者との協議会をつくり、そこでいろいろな立場の人が話し合う場が、必要になってくるのではないかと思います。

最後に、それらすべて含めて、同じことが関係官庁にいえるのであろうと思います。官庁間の壁を取り払って動いてもらうことが何よりではないかという話になりました。以上です。