第80回 国際図書館連盟 IFLA年次大会
フランス・リヨン
2014年8月16日~22日
IFLA 特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)
「国連障害者の権利条約:障害者と世界中の図書館サービスの意義とは」
第一分科会:特別なニーズのある人々に対する図書館サービス
8月17日(日)13:45-15:45
この分科会は国連障害者権利条約に基づき、障害者のための情報や図書館サービスのアクセスを推進していく上での図書館の役割に焦点を当てます。
プログラム
- 歓迎の挨拶(5分)
バーバラ・リゾン (Barbara Lison)
(IFLA運営理事) - モデレーター(5分)
エリケ・グライフェンダー (Elke Greifeneder)
(LSN常任委員会委員) - 基調講演
「障害者権利条約と図書館サービスへの影響―障害者権利条約委員会からの視点」(30分)
テレジア・デゲナー(Theresia Degener)
(国連障害者権利条約委員会/ドイツ・ボーフム プロテスタント・応用科学大学)
障害者の権利の専門家として国際的に評価されている。国連障害者権利条約委員会の副議長であり、ドイツ・ボーフムのプロテスタント・応用科学大学で法律と障害者研究の教授、南アフリカ・ケープタウンにある西ケープ大学で障害者法と政策センターの共同理事長を務める。 - 「国連障害者の権利条約の実施:日本における図書館と図書館員の役割」 (20分)
河村 宏(日本・東京 日本ライトハウス)
DAISY コンソーシアムの前会長であり、役員である。図書館セクションの議長であったころからの任務を果たしていくためにこのコンソーシアムを設立した。東京大学の図書館で27年間勤務した後、1999年から2001年、厚生労働省の助成により日本にDAISYの導入を行った。2003年以降は、重度の精神障害者を含めたコミュニティ全体における当事者も参加する防災(Inclusive Disaster Risk Reduction)の国際共同研究の調整役を務めている。2008年にデイトン・M・フォーマン博士記念賞を受賞。 - 「図書館アクセスとインクルーシブ:フランスでの好事例」(20分)
マリエ-ノエル アンディサック(Marie- Noelle Andissac)
(フランス・トゥールーズ トゥールーズ図書館)
人口43万人のフランス・トゥールーズで、トゥールーズ公共図書館におけるアクセシブルな政策を担当する。地方の図書館サービスの管理をし、図書館のアクセシビリティ政策担当で、障害者の異なったプログラムで最も優れた業績を挙げている。また、フランス図書館協会・〝Accessibib″ の委員の責任者でもある。この委員会は、図書館のアクセスシビリティに取り組む司書で構成されており、専門会議とアクセスビリティに関連した出版の企画・立案を行っている。特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会のIFLA常任委員会の委員を務める。
発表内容は、http://library.ifla.org/965/1/070-andissac-fr.pdfで入手可能(仏語) - 「プリントディスアビリティのある人々のためのマラケシュ条約の実施における図書館の役割」 (20分)
フランシスコ・ジャヴィエール・マルチネス-カルヴォ(Francisco Javier Martinez Calvo)
(スペイン・マドリッド スペイン国立盲人協会(ONCE))
フランシスコはONCEで25年間勤務し、様々なポジションに就任。ONCE盲人図書館の館長を3年間、視覚障害者図書館サービス分科会(現:印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会)のIFLA常任委員会の委員を4年間、2001年以降はDAISYコンソーシアムの役員を務める。6年前に始まったマラケシュ条約採択に向けたキャンペーンの世界盲人連合に従事しており、現在ではこの条約の批准に対して新たなキャンペーンを行う世界盲人連合に関わっている。
「ディスレクシア?図書館にようこそ!」
第二分科会:特別なニーズのある人々に対する図書館サービス
8月19日(火)11:45-13:45
プログラム
- イントロダクション(5分)
野村 美佐子(LSN事務局長) - 基調講演
「ディスレクシアとヨーロッパディスレクシア協会に関する最新情報 」(30分)
モンタルナル・アンネ-マリー(Montarnal Anne-Marie)
(フランス・サン=ジルダ=ド=リュイス ヨーロッパディスレクシアの事務局長) - 「ディスレクシアの人のための図書館サービスガイドライン改訂増補版の紹介」(25分)
サスキア・ボーツ(Saskia・Boets)
(ベルギー・ブルッセルの点字図書館 (Luisterpuntbibliotheek、Flemish Public Library for Audio Books and Braille Books, Brussels, Belgium))
ヘレ・モーテンセン(Helle Mortensen)
(デンマーク・リュンビュー リュングビュー公共図書館)
2001年、IFLAはディスレクシアの人のための図書館サービスガイドラインを出版した(IFLA分科会:特別なニーズのある人々に対する図書館サービス)。相次ぐ研究により、医学的な意味が薄れ、より社会的な意味で、ディスレクシアの持つ言葉の意味が変化した。また、多くのケースが無駄に終わった読むこと・正しく書けることの訓練に代わり、別の方法で読み書きを支援することで、ディスレクシアの人々に対する私たちの言動が変わってきた。IFLAの「特別ニーズのある人々に対する図書館サービス(LSN)」と「印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会 (LPD)」が、以前のガイドラインの改訂・増補を共同で取り組んでいる。- 世界の図書館の専門家が助言をした文書
- 図書館のスタッフがディスレクシアを有する図書館使用者をどのように認識し、どのようにその人たちにアプローチし、彼らに対してのサービスを向上するのか意見、事例、提案が見つけることができる文書
- 「ディスレクシアの人々にサービを提供している公共図書館ースウェーデンの事例」 (15分)
ハイディ・カールソン・アスプランド(Heidi Carlsson-Asplund)
(スウェーデン・レラム レラム市立図書館)
人口の5~7%がディスクレシアであり、16歳以上の24%の人が新聞の内容を理解できません。読みが困難な利用者を支援するには図書館は何ができるのか?どのように図書館のスタッフを育てて、私たちは図書館にあるメディアをどうやってアレンジできるのか? - 「しかし、彼らは障害を持っているようには見えない。ディスレクシアの人々へのサービス-アメリカ合衆国のベストプラックティス」
(15分)
ナンシー・ボルト(Nancy・Bolt)
(アメリカ合衆国・コロナド州デンバー ナンシー・ボルト・アンド・アソシエイツ)
ディスレクシアは隠れた障害である。容易に確認できないというものはではなく、ディスレクシアの人々は時に、読字障害であることを公にすることもあれば、隠したりすることもある。これはディスレクシアの人々を支援したい図書館にとっての課題である。ナンシー・ボルトは米国の図書館ディスレクシアの人々に対するサービスと、この障害のある人々に向けたガイドラインを発展させるため、アメリカ図書館協会による試みについて説明をした。 - 「ディスクレシアとクロアチアにおける読むことに対するモチベーションの図書館プログラム」(15分)
ドウニャ・M・ガブリエル(Dunja M. Gabriel)(クロアチア サグレブ国立大学図書館)
ミリャナ・レネック(Mirjana Lencek)(クロアチア・ザグレブ 言語聴覚士と教育とリハビリテーション科学学部)
リリーシャ・サブラジャック(Ljiljana sabljak)(クロアチア サグレブ市図書館)
クロアチアでは、ディスレクシアは過去20年間体系的な研究の議題になっている。ディスレクシアの科学的な知識は、就業前の子どもから大人まで全ての年齢層の人々にとってのディスレクシアの影響を防止するのに大いに貢献している。過去10年間、クロアチアのディスレクシアの人々は、司書と言語聴覚士が協同して改善された公的図書館のサービスを受けている。読み書きが困難な人への読むことに対するモチベーションの刺激を目的としたプロジェクトは、クロアチア言語治療協会とクロアチアディスレクシア協会と連携しているクロアチア図書館協会によって発展しつづけている。このプレゼンテーション中で、新しいプロジェクト〝成功するための機会としての図書館(Library as an opportunity for success)″の一部として、クロアチア公共図書館で行われている読み書きが困難の人への読書に対するモチベーションに関するプロジェクトが紹介される。
発表内容は、http://library.ifla.org/948/1/131-gabriel-en.pdfで入手可能(英語) - 質疑応答(10分)
Original:
World Library and Information Congress:
80th IFLA General Conference and Assembly
Lyon, France from 16-22 August 2014
IFLA's Library Services to People with Special Needs Programs
https://liberty.wpunj.edu/library/IFLA/