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ICT製品およびサービスの公共調達に適したアクセシビリティ要件に関する新欧州規格

プレスリリース
2014年2月19日

欧州標準化団体である、欧州標準化委員会(CEN)、欧州電気標準化委員会(CENELEC)および欧州通信規格協会(ETSI)は、情報通信技術(ICT)製品とサービスのアクセシビリティ要件に関する新たな欧州規格を発表した。この新規格(EN 301 549)は、アクセシブルなICTのための初の欧州規格である。特に調達の際に、国の諸機関およびその他の公共部門の各機関がこれを採用し、ウェブサイト、ソフトウェアおよびデジタル機器をさらにアクセシブルにし、広くさまざまな能力を持つ人々が、それらを確実に利用できるようにすることを目的としている。

「欧州におけるICT製品およびサービスの公共調達に適したアクセシビリティ要件」に関する新欧州規格(EN 301 549)は、欧州委員会の要請(要請376)に応え、CEN、CENELECおよびETSIによって策定された。新規格は、専門家から成る国際的なチームに、ICT業界と、消費者、障害者および高齢者を代表する団体が参加して開発された。

新欧州規格は、一連の技術報告書3件(TR 101 550、TR101 551およびTR101 552)によって補完されている。これらの文書が一体となって、コンピューター、スマートフォンおよびその他のデジタル機器、発券機、ウェブサイトおよび電子メールを含む、広くさまざまなICT関連製品とサービスに適用できるアクセシビリティ要件を設定している。その目的は、ICT製品およびサービスを、直接的に、あるいはTTSなどの支援技術との互換性を通じて、確実にアクセシブルにすることで、これにより、電子配信される情報に誰もがアクセスし、サービスを利用できるようになる。

新欧州規格とこれに付随する技術報告書は、多様な障害を持ちながら生活している8千万人のヨーロッパ人のためにICT製品とサービスをさらにアクセシブルにする、さまざまなアプリケーションの開発に必要な枠組みを提供する。考えられるアプリケーションとしては、視覚障害のある人々が利用できる音声インターフェースおよび/または触覚インターフェース、あるいは片手で操作できるスマートフォンやラップトップなどのハードウェアが挙げられる。

EN 301 549は、ICTアクセシビリティの最新規格で、関係者が積極的に関与するインクルーシブなプロセスを通じて開発された。この規格では、公共調達における利用に適した形でアクセシビリティ要件が定義されているが、その一方で、民間部門における調達など、別の状況でもこれを利用することが可能である。

ETSI事務局長のルイス・ホルヘ・ロメロ(Luis Jorge Romero)は次のように語った。「アクセシビリティへの取り組みは、現在、市場が主導する重要不可欠な課題となりつつあり、ETSIは、情報社会から利用者を排除する技術の創造を避けるために、業界と経営者を支援することを目指している。また、新規に開発されるあらゆる規格において、『すべての人のためのデザイン』という問題を、可能であれば常に考慮する標準化のプロセスを通じて、すべての人のための製品とサービスの質と利用性の向上を援助することも目指している。」

CENおよびCENELEC事務局長のエレナ・サンチャゴ・シド(Elena Santiago Cid)は、こう語った。「CENおよびCENELECでは、アクセシビリティ要件を欧州規格に含め、アクセシブルな製品とサービスの市場拡大を支援することにより、社会的にも経済的にも利益がもたらされると信じている。国の諸機関は、すべての人がサービスを利用できるようにするために多大な努力を重ねており、欧州標準化団体に対し、これらの取り組みに対する支援を委ねてきた。この新たな欧州規格が、公共部門とICTサプライヤーのみならず、他の企業および機関にも、広く利用されることを願っている。」

CEN、CENELECおよびETSIは、自らの文書に記載されているアクセシビリティ要件が、世界の他のアクセシビリティ要件と一致していることを確認した。これにより、アクセシブルなICTとサービスの国際市場の拡大と開放が進むであろう。

欧州規格EN 301 549は、ETSIのウェブサイトから(英語で)入手可能。www.etsi.org/technologies-clusters/technologies/human-factors?tab=2 同規格は、今後6カ月以内に、(EUおよびEFTAのすべての加盟国を含む)欧州33カ国のCENおよびCENELECの加盟機関(国内標準化団体および国内電気技術委員会)により、(さまざまな言語で)発表される予定である。

ICTアクセシビリティの今後の課題は、 2014年6月2日および3日にソフィア・アンティポリス(フランス)のETSIで開催されるETSI「技術の人間的側面」に関するワークショップで論じられる。登録は無料で、誰でも参加できる。

CEN、CENELECおよびETSIは、EU規則1025/2012に従い、欧州連合により欧州標準化団体として公式に認められている。

欧州規格は、国境を越えた取引を促進し、欧州単一市場を強化する。同規格は、企業およびその他の機関が、品質と性能を確保し、健康と安全を保護し、(特定の事例において)関連規則に従うことができるようにする。

CEN(欧州標準化委員会)およびCENELEC(欧州電気標準化委員会)は、広くさまざまな原材料、製品、サービスおよびプロセスにかかわる欧州規格を開発し、採用する機関である。

CENおよびCENELECの会員は、EU加盟国全28カ国とEFTA3カ国(アイスランド、ノルウェーおよびスイス)およびEU加盟候補国2カ国(トルコおよびマケドニア旧ユーゴスラビア共和国)を含む、欧州33カ国の国内標準化団体と国内電気技術委員会である。CENおよびCENELECによって採用されてきた欧州規格(EN)は、これらのすべての国で受け入れられ、承認されている。

CENおよびCENELECは、国際標準化団体である国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)と連携している。

CENおよびCENELECに関するさらに詳しい情報は、www.cencenelec.eu を参照。

ETSIは、世界で適用可能な、固定通信、移動体通信、無線通信、収束型通信、航空通信、放送およびインターネット技術を含む、情報通信技術(ICT)の規格を策定している。ETSIは独立非営利機関で、世界各地の5大陸62カ国から700を超える企業と機関が加盟しており、事業計画を決定し、活動に直接参加している。

ETSIに関するさらに詳しい情報は、www.etsi.org を参照。

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原文:
New European Standard will help to make ICT products and services accessible for all
http://www.cencenelec.eu/News/Press_Releases/Pages/PR-2014-03.aspx

欧州規格EN 301 549 序論