国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向」
ソーシャル・エンタープライズとソーシャル・ファームの定義
ソーシャル・エンタープライズとは、基本的に社会的な目的を持ったビジネスで、事業で得られた利益は、株主や事業主の利益を最大限に増やすためではなく、主にその社会的な目的のために、ビジネス或いはコミュニティーに再投資される。
ソーシャル・エンタープライズは、幅広い社会問題及び環境問題に取り組むことで、あらゆる経済分野に影響を及ぼす。ソーシャル・エンタープライズは、強力かつ持続可能な、そしてソーシャルインクルージョンを実現する経済の創造において明確かつ重要な役割を果たす。
出典:英国貿易産業省「社会企業-成功への戦略」( 2002 年)
ソーシャル・ファームとは、障害者或いは労働市場で不利な立場にある人々のために、仕事を生み出し、また支援付き雇用の機会を提供することに焦点をおいたソーシャル・エンタープライズの一種である。
- ソーシャル・ファームとは、障害者或いは労働市場で不利な立場にある人々の雇用のために作られたビジネスである。
- ソーシャル・ファームは、その社会的任務を遂行するために市場志向の商品の製造及びサービスを提供するビジネスである。
- ソーシャル・ファームに雇用されているかなりの数の人々は、障害者或いはその他の労働市場において不利な立場にある人々である。
- 各労働者は、各自の生産能力に関わらず、仕事に応じた賃金や給料を、市場の相場によって支払われる。
- 労働の機会は、不利な立場にある従業員と、不利な立場にはない従業員とに、平等に与えられる。すべての従業員は同じ権利と義務を持つ。
出典:CEFEC* 定義 (1997 年)
*CEFEC:Confederation of European Firms, Employ
ment Initiatives and Co-operatives
ソーシャル・ファームの収入の少なくとも50% は売上から得られている。( つまり、公的資金、民間資金による援助、或いは寄付金にはよらない。) また、従業員の少なくとも25% は障害者或いは不利な立場にある人々で、他の障害のないスタッフと同じ権利と義務を持ち、同等の条件でスタッフとして参加し、雇用される。
出典:ソーシャル・ファーム・スコットランドホームページ:(http://www.socialfirms.org.uk)