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改正障害者基本法<わかりやすい版>

内閣府

障がい者制度改革推進会議

平成23年12月発行

表紙画像

1 障害者基本法の改正

障害者基本法は、障害のある人に関係する一番大切な法律です。障害者基本法は、障害のある人の法律や制度について基本的な考え方 を示しています。

その障害者基本法を新しくして、改正障害者基本法をつくることを決めたのは、障がい者制度改革推進本部(つぎからは「推進本部」といいます)です。推進本部は、内閣総理大臣をトップにすべての大臣をメンバーとして内閣(国の行政を行うところ)に平成21年(2009年)12月につくられました。推進本部の目的は、日本の法律や制度 を国連の「障害者の権利条約」の考え方に合わせて変えていき、日本の障害のある人が暮らしやすくすることです。

国連の障害者の権利条約とは、障害のある人の権利を守るという国の約束です。障害者の権利条約は、「私たちに関係することを決める時は、必ず私たちの意見を聞いて決めること」(英語でいうと:Nothing about us without us)という考え方に基づいて、日本人を含む、世界の多くの障害のある人が参加してつくられました。

国連障害者の権利条約特別委員会顧問

国連障害者の権利条約特別委員会の政府代表団に顧問として加わっていた東俊裕障がい者制度改革推進会議担当室室長(右端)

この推進本部が、障害のある人と、家族や支援者など障害のある人を支える人の思いをまとめて、改革を実現するために作ったのが、「障がい者制度改革推進会議」(つぎからは「推進会議」といいます)です。推進会議には全部で26人が参加しています。半分以上は、障害のある人の代表です。例えば、知的障害のある人、精神障害のある人、車椅子を使う人、目が見えない人、手話を使う人、耳が聞こえづらい人などさまざまです。また、推進会議の担当室長にも、障害のある人がなっているのは大切なことです。

推進会議がまとめた意見に基づいて、推進本部と内閣が改正障害者基本法の案をつくりました。その案を国会が話し合って直して、新しくつくったのが、改正障害者基本法です。今回の改正で大きく変わったのは、すべての人が人権を持っているという考え方に基づいて、障害があってもなくても分けられず、一人ひとりを大切にする社会(共生社会)をつくることをめざすようになったことです。改正障害者基本法は、平成23年(2011年)7月に国会が認め、平成23年8月に始まりました。

これから推進本部と内閣は平成24年(2012年)に障害者自立支援法をやめて、障害者福祉のしくみを新しくする障害者総合福祉法を、平成25年(2013年)に障害のある人への差別を禁止する法律をつくる予定です。

イラスト

2 情報バリアフリー・情報支援の大切さ

改正障害者基本法のもととなる考え方を準備した推進会議には、さまざまな障害のある人がいます。

会議をきちんと理解して、自分の考えていることをしっかりと発言するために、いろいろな支援があります。

たとえば、知的障害のある人には、支援者がついています。会議の資料には、ふり仮名がつけられています。また会議の中で、難しい言葉が使われたり、今、何が起きているのか分からないときには、「イエローカード」(下の写真を見てください)を使って、議長に伝えることができます。耳が聞こえなくて、話されていることが分からない人のためには、パソコンを使って、何が話されているかを字幕にする人(筆記者)がついています。

目が見えなくて、耳が聞こえない盲ろう者には、指に点字を打つ通訳者がついています。また、手話通訳者がいます。手話通訳者は、手話ができる人と、手話ができない人がお互いに 理解することを手助けしてくれる人です。

こうした、いろいろな障害に応じた対応(合理的配慮)は、全員が会議にきちんと参加するためには欠かせません。

推進会議の様子は内閣府のホームページ(注)の動画でも見られるようになっています。動画にも字幕と手話があります。ぜひ、ご覧ください。

※パソコンを持っていない、使うことが難しい人は、住んでいる街の役所や支援者などに相談してみてください。

イエローカードを出している土本構成員

推進会議で土本秋夫構成員がイエローカードを出している様子

(注) 内閣府障害者施策ホームページ

http://www8.cao.go.jp/shougai/index.html

3 改正障害者基本法について

第1章 総則(全体にかかわる決まりごと)

第1条 目的(目指すこと)

この法律は、すべての人が人権を持っているという考え方に基づいて、障害があってもなくても分けられず、一人ひとりを大切にする社会(つぎからは「共生社会」といいます)をつくるために、自立や社会参加を支援する法律や制度をよりよいものにしたり、つくったりすることを目指します。

第2条 定義(この法律で使われている言葉の意味)

障害のある人とは、身体障害や知的障害のある人や、発達障害を含めた精神障害のある人、その他の障害のある人で、障害や社会的障壁(社会のかべ)によって、暮らしにくく、生きにくい状態が続いている人をいいます。

社会的障壁(社会のかべ)とは、障害のある人を暮らしにくく、生きにくくする社会にあるもの全部で、つぎのようなものです。

  • ことがら(たとえば、早口で分かりにくく、あいまいな案内や説明)
  • 物(たとえば、段差、むずかしい言葉、手話通訳のない講演、字幕のないテレビ番組、音のならない信号)
  • 制度(たとえば、納得していないのに入院させられる・医療費が高くて必要な医療が受けられない・近所のともだちと一緒の学校に行くことが認められないことがあること)
  • 習慣(たとえば、障害のある人が結婚式や葬式に呼ばれないこと、障害のある人が子ども扱いされること)
  • 考え方(たとえば、障害のある人は施設や病院で暮らしたほうが幸せだ、障害のある人は施設や病院に閉じ込めるべきだ、障害のある人は結婚や子育てができない)

第3条 地域社会における共生等(みんなと一緒にまちで暮らすこと)<基本原則1>

共生社会をつくるために、つぎのことを目指します。大事なことは、障害のある人が障害のない人と同じ人権をもっていて、大切な人として認められ、人間らしく暮らし、生きる権利があることです。

  • 障害のある人みんなが、社会のすべての場面に参加できるようにすること
  • 障害のある人みんなが、どこで誰と暮らすのか自分で選ぶことができて、地域でみんなと一緒に暮らせるようにすること
  • 障害のある人みんなが、手話などのことばや必要なコミュニケーション(気持ちを伝えること)の方法(点字、指点字、触手話、要約筆記、筆談、わかりやすいことば)を選ぶことができるようにすること。また、情報を手に入れたり、使ったりする方法を選べるようにすること

第4条 差別の禁止(差別をなくすこと)<基本原則2>

障害があるからという理由で障害のある人を差別してはいけません。差別など、障害のある人の権利を認めないようなことをしてはいけません。

社会的障壁(社会のかべ)のために困っている障害のある人がいて、その障壁をなくすための負担が大きすぎないときは、差別をすることにならないように、その障壁をなくすために必要で理由のある対応(合理的な配慮 )をしなければなりません。

国は、差別とは何かをみんなに伝え、差別をなくすために必要な情報を集め、整理し、ほしい人の手に入るようにしなければなりません。

音声の時計で時間を確認する男性と手話の女性

第5条 国際的協調(世界の人と協力しあうこと)<基本原則3>

共生社会をつくるために、世界の人と協力しなければなりません。

第6条 国及び地方公共団体の責務(国と都道府県市町村の責任)

国と都道府県市町村は、共生社会をつくるために、地域社会における共生(みんなと一緒にまちで暮らすこと)、差別の禁止(差別をなくすこと)、国際的協調(世界の人と協力しあうこと)という基本原則(大事な決まりごと)にしたがって、障害のある人の自立や社会参加の支援のための法律や制度を行う責任があります。

第7条 国民の理解(みんなが理解すること)

国と都道府県市町村は、地域社会における共生(みんなと一緒にまちで暮らすこと)、差別の禁止(差別をなくすこと)、国際的協調(世界の人と協力しあうこと)という基本原則(大事な決まりごと)について、みんなの理解を深めるために必要な法律や制度を行わなければなりません。

第8条 国民の責務(みんなの責任)

みんなは、地域社会における共生(みんなと一緒にまちで暮らすこと)、差別の禁止(差別をなくすこと)、国際的協調(世界の人と協力しあうこと)という基本原則(大事な決まりごと)にしたがって、共生社会をつくるために、努力しなければなりません。

第9条 障害者週間

みんなに地域社会における共生(みんなと一緒にまちで暮らすこと)、差別の禁止(差別をなくすこと)、国際的協調(世界の人と協力しあうこと)という基本原則(大事な決まりごと)について伝え、障害のある人がすべての活動に参加できるようにするために、障害者週間を行います。障害者週間は、毎年12月3日から12月9日までの1週間です。

国と都道府県市町村は、障害のある人のために活動する団体などと協力しながら、障害者週間の行事をするよう、努力しなければなりません。

第10条 施策の基本方針(法律や制度の基本的な考え方)

障害のある人の自立と社会参加の支援のための法律や制度は、障害のある人の性別、年齢、どんな障害があるか、どんな暮らしをしているかによって、つくられ、行われなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある人の自立と社会参加を支援する法律や制度をつくり、行うときは、障害のある人や、家族、支援する人たちなどの意見を大切にするように努力しなければなりません。

第11条 障害者基本計画等(障害のある人のための法律や制度の基本的な計画)

国は、障害のある人の自立と社会参加を支援する法律や制度を行うために、障害のある人のための法律や制度の基本的な計画(つぎからは「障害者基本計画」といいます)をつくらなければなりません。

都道府県は、障害者基本計画に基づいて、それぞれの都道府県の障害のある人のことを考えて、基本的な計画(つぎからは「都道府県障害者計画」といいます)をつくらなければなりません。

市町村は、障害者基本計画と都道府県障害者計画に基づいて、それぞれの市町村の障害のある人のことを考えて、基本的な計画(つぎからは「市町村障害者計画」といいます)をつくらなければなりません。

内閣総理大臣は、関係する大臣と話し合いながら、障害者政策委員会(第32条)の意見を聞いて、障害者基本計画の案をつくり、すべての大臣に確かめて、決定(閣議決定)をしてもらわなければなりません。障害者基本計画を変える時も同じです。

国の決定手順

都道府県は、都道府県障害者計画をつくるときと変えるときに、これまであった地方障害者施策推進協議会に代わる新しい審議会(意見を出し合い、話し合う会議:第36条)の意見を聞かなければなりません。

市町村は、市町村障害者計画をつくるときと変えるときに、これまであった地方障害者施策推進協議会に代わる新しい審議会(意見を出し合い、話し合う会議:第36条)の意見を聞かなければなりません。その審議会がない場合は、障害のある人や家族、支援する人などの意見を聞かなければなりません。

都道府県の決定手順

市町村の決定手順

第12条法制上の措置等(法律について行うこと)

国は、この法律の目的を達成するために、必要な法律を新しくつくったり、今ある法律を変えたり、お金を用意しなければなりません。

第13条年次報告(毎年の報告)

国は、障害のある人のための法律や制度がどのように行われたかについての報告書を、毎年、国会に出さなければなりません。

第2章障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策(障害のある人の自立と社会参加をするための基本的な法律や制度)

第14条医療、介護等(病院と支援)

国と都道府県市町村は、障害のある人の性別、年齢、どんな障害があるか、どんな暮らしをしているかによって、障害のある人が病院に行ったり、医者にみてもらったり、日常生活での支援(ガイドヘルパーやホームヘルパーなど)、健康を保つための支援など、自立のために必要な支援が受けられるようにしなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある人が身近な場所で病院に行けたり、医者にみてもらえたり、支援が受けられるようにする法律や制度をつくらなければなりません。 国と都道府県市町村は、障害のある人が病院に行ったり、医者にみてもらったり、支援を受ける時、障害のある人の人権が守られるようにしなければなりません。

第15条年金等(障害者年金)

国と都道府県市町村は、障害のある人が自立して、安心して暮らせるようにするために、年金や手当について必要な法律や制度をつくらなければなりません。

第16条教育(学校と勉強)

国と都道府県市町村は、障害のある人一人ひとりが、年齢と能力に見合った形で勉強しやすいように、勉強の内容や進め方をより良いものにしなければなりません。そのとき、障害のある子どもや生徒と、障害のない子どもや生徒が一緒に勉強できるようにします。

国と都道府県市町村は、障害のある子どもや生徒、保護者(親など)に対して、情報をきちんと伝え、障害のある子どもや生徒、保護者の意見を大切にしなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある人の教育について調べたり、いい先生を雇ったり、先生がもっと勉強や研修をするようにしたり、使いやすい教科書や参考書を用意したり、学校の建物を使いやすくしなければなりません。

学校で学ぶイメージ

第17条療育(子どもへの支援)

国と都道府県市町村は、障害のある子どもが、身近な場所で支援を受けられるようにしなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある子どもへの支援について調べたり、方法を考えて、みんなに伝えたりしなければなりません。また、障害のある子どもを支援することに詳しい職員を育てなければなりません。

第18条職業相談等(仕事についての相談)

国と都道府県市町村は、障害のある人が、いろいろな仕事ができるように努力しなければなりません。国と都道府県市町村は、障害のある人一人ひとりに合うように、仕事についての相談や職業訓練をしなければなりません。

第19条雇用の促進等(就職しやすくすること)

国と都道府県市町村は、国や都道府県市町村、会社が障害のある人をもっと雇うようにするために、障害のある人を優先的に雇う法律や制度をつくらなければなりません。

会社は、障害のある人が働けるように、障害のある人一人ひとりにあった必要な支援を行い、障害のある人が仕事を続けられるようにしなければなりません。

第20条住宅の確保(住むところがあるようにすること)

国と都道府県市町村は、障害のある人が、みんなと一緒に地域で安心した暮らしができるようにするために、障害のある人のための住宅を用意し、障害のある人が暮らしやすい住むところを増やさなければなりません。

第21条公共的施設のバリアフリー化(みんなが使う建物や場所、乗り物などをバリアフリーにすること)

国と都道府県市町村は、みんなが使う建物や場所、乗り物(バス、電車、地下鉄、飛行機など)をバリアフリーにしなければなりません。

第22条情報の利用におけるバリアフリー化等(情報のバリアフリー)

国と都道府県市町村は、障害のある人が情報を楽に知ったり、使ったり、自分の気持ちを表し、他の人に気持ちを伝えるために、使いやすいコンピューターや携帯電話がつくられるようにしなければなりません。また、国と都道府県市町村は、障害のある人が他の人と気持ちを分かり合うための支援者を増やし、育て、派遣するために必要な法律や制度をつくらなければなりません。

国と都道府県市町村は、地震や津波、火事、台風、洪水などの災害が起きた時に、安全でいられるために必要な情報が障害のある人にすぐ伝わるように、必要な法律や制度をつくらなければなりません。

第23条相談等(困ったときに、相談できること)

国と都道府県市町村は、障害のある人が自分の気持ちに沿って決められるように支援すること(意思決定の支援)を大切にして、障害のある人や家族が相談できるようにしなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある人や家族、支援する人などが相談できるように、関係する役所がお互いに協力するようにしなければなりません。

国と都道府県市町村は、障害のある人の家族がお互いに支えあうための活動を支援しなければなりません。

第24条経済的負担の軽減(払わなければならないお金を少なくすること)

国と都道府県市町村は、障害のある人と、障害のある人の生活を支えている人が払わなければならないお金を少なくし、障害のある人が自立できるようにするために、税金を安くしたり、電車やバスの運賃や入場料金などを安くするなど、必要な法律や制度をつくらなければなりませ

第25条文化的諸条件の整備等(文化活動をしやすくすること)

国と都道府県市町村は、障害のある人が、文化芸術活動(テレビ、映画、本、美術、ダンスなど)やスポーツ、レクリエーションができるようにするために必要な法律や制度をつくらなければなりません。

第26条防災及び防犯(災害や犯罪から守ること)

国と都道府県市町村は、障害のある人がみんなと一緒にまちで暮らせるように、障害のある人の性別、年齢、どんな障害があるか、どんな障害があるか、どんな暮らしをしているかによって、障害のある人を災害(地震や津波、火事、台風、洪水など)や犯罪から守るために、必要な法律や制度をつくらなければなりません。

災害のイメージ

第27条消費者としての障害者の保護(買い物や契約をする時に、障害のある人を守ること)

国と都道府県市町村は、障害のある人が消費者(買い物や契約をする人)として、お金を使うときに、損をしたり、だまされないようにしなければなりません。そのために、わかりやすい方法で情報を伝え、障害のある人がよいものを選べるように、必要な法律や制度をつくらなければなりません。

事業主(会社など)は、障害のある人が消費者としてお金を使うときに、損をしたり、だまされないように、わかりやすい方法で情報を伝えるように努力しなければなりません。

第28条 選挙等における配慮(選挙で投票しやすくすること)

国と都道府県市町村は、障害のある人が選挙で楽に投票できるようにするために、投票所をつかいやすくするなど、必要な法律や制度をつくらなければなりません。

第29条 司法手続きにおける配慮等(裁判や捜査に必要な支援)

国と都道府県警察は、裁判や捜査のとき、障害のある人が自分の権利をしっかりと使える(弁護士を呼んだり、家族や友人、支援者に連絡するなど)ようにするために、障害のある人一人ひとりが自分のことを伝えたり、必要なことを伝えてもらったりする方法(手話やわかりやすいことば、支援者の付添など)を選べるようにしなければなりません。そして、国と都道府県警察は、裁判官や警察官、検察官、刑務官などが研修を受けるなど、必要な法律や制度をつくらなければなりません。

第30条 国際協力(世界の人と協力しあうこと)

国は、障害のある人の自立と社会参加のために、外国の政府や国際連合(国連)、障害のある人の団体などと情報を交換し、必要な法律や制度をつくるように努力しなければなりません。

国際協力のイメージ

第3章 障害の原因となる傷病の予防に関する基本的施策(障害のもとになることをなくすための法律や制度)

第31条 障害の原因となる傷病の予防に関する基本的施策(障害のもとになることをなくすための法律や制度)

国と都道府県市町村は、障害のもとになるけがや病気を調べたり、研究をしなければなりません。また、けがや病気をふせぐために調べたり、研究をしなければなりません。難病(治すのが難しい特定の病気)に関係する、障害のある人についての法律や制度をしっかりと進めるように努力をしなければなりません。

第4章 障害者政策委員会等

第32条 障害者政策委員会の設置(障害者政策委員会をつくること)

内閣府(いろいろな役所に関係することを調整する役所)は、第11条で決まっていることをするために、障害者政策委員会(つぎからは「政策委員会」といいます)を内閣府につくらなければなりません。

政策委員会の仕事はつぎのとおりです。

  • 障害者基本計画をつくったり、変えたりすることについて意見を言います
  • 障害者基本計画について、調べて話し合って、必要な場合は、内閣総理大臣や関係する大臣に意見をいったり、政策委員会がよいと思うことを強く勧めます(勧告)
  • 内閣総理大臣や関係する大臣は、勧告をうけたら、そのために行ったことについて政策委員会に報告しなければなりません

第33条 政策委員会の組織及び運営(政策委員会はどのようにつくられ、何をするか)

政策委員会は、委員30人以内でつくります。政策委員会は障害のある人や障害のある人の自立と社会参加のために働いている人、知識や経験がある人の中から内閣総理大臣が決めます。政策委員会は、さまざまな障害のある人の意見を聞いて、障害のある人のことをよく理解したうえで調べたり、話し合いができるように、委員を選ばなければなりません。

第34条 政策委員会の組織及び運営(政策委員会はどのようにつくられ、何をするか)

政策委員会は、決められた仕事をするために、必要なときは関係する役所の長(責任者)に対して、必要な書類を出させたり、意見を言ってもらったり、説明してもらうことなど、協力を頼むことができます。

政策委員会は、決められた仕事をするために、特に必要なときは、役所の長(責任者)以外の人にも協力を頼むことができます。

第35条 政策委員会の組織及び運営(政策委員会はどのようにつくられ、何をするか)

第33条と第34条に書いてあること以外の政策委員会について必要なことは政令(内閣の命令)で決めます。

第36条 都道府県等における合議制の機関(都道府県や市町村の審議会)

都道府県は、地方審議会をつくらなければなりません。地方審議会は、都道府県障害者計画について意見を出します。地方審議会は、都道府県障害者計画が計画通りに行われているかどうかを調べ、行なわれていないときは注意します。

政令指定都市は、地方審議会をつくらなければなりません。地方審議会は、政令指定都市の障害者計画について意見を出します。地方審議会は、政令指定都市の障害者計画が計画通りに行なわれているかどうかを調べ、行なわれていないときは注意します。

市町村は、地方審議会をつくることができます。地方審議会は、市町村障害者計画について意見を出します。地方審議会は、市町村障害者計画を進めるために必要なことを調べます。また、 地方審議会は、市町村障害者計画が計画通りに行なわれているかどうかを調べ、行なわれていないときは注意します。また、地方審議会は、いろいろな役所に関係することを調べて話し合います。

附則(そのほか)の主なもの

第1条 

政策委員会はこの法律が始まってから1年以内につくらなければなりません。

第2条 

国は、3年後に、改正された障害者基本法がしっかりと行われているかどうかを調べて、その結果に基づいて必要なことをしなければなりません。

国は、障害のある人が必要な支援を受けて自立した生活ができるようにするために、保健(健康でいられること)や医療(病院に行ったり医者にみてもらうこと)、福祉(必要なときに助けてもらうこと)がお互いに協力することなど、障害のある人への支援について考え、その結果に基づいて必要なことをします。

このパンフレットは「改正障害者基本法」を一人でも多くの皆様にわかりやすく伝えたいという私たち推進会議の思いをこめてつくりました。しかし、十分でないところもあるかと思います。

たとえば、このわかりやすい版のもとになった改正障害者基本法には「可能な限り」(できるだけ)ということばが6回(第3条で2回、第14条で1回、第16条で2回、第17条で1回)でてきますが、その説明は省略しています(ただ、「可能な限り」(できるだけ)は、弱くする言い方ではなく、できるようにするために最大の努力をするという意味だという説明が国会でありました。)。

ぜひ皆様で工夫していただければ幸いです。

障がい者制度改革推進会議構成員名簿

☆議長 ★議長代理

大久保 常明 (福)全日本手をつなぐ育成会顧問

大谷 恭子( 弁護士

大濱 眞 (社)全国脊髄損傷者連合会副理事長

☆小川 榮一 日本障害フォーラム代表

尾上 浩二 (NPO)障害者インターナショナル日本会議事務局長

勝又 幸子 国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部長

門川 紳一郎 (福)全国盲ろう者協会評議員

川﨑 洋子 (NPO)全国精神保健福祉会連合会理事長

北野 誠一 (NPO)おおさか地域生活支援ネットワーク理事長

清原 慶子 三鷹市長

佐藤 久夫 日本社会事業大学教授

新谷 友良 (社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会常務理事

関口 明彦 全国「精神病」者集団運営委員

竹下 義樹 (福)日本盲人会連合副会長

土本 秋夫 ピープルファースト北海道会長

堂本 暁子 前千葉県知事

中西 由起子 アジア・ディスアビリティ・インスティテート代表

長瀬 修 東京大学大学院特任准教授

花井 圭子 日本労働組合総連合会総合政策局長

久松 三二 (財)全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長

★藤井 克徳 日本障害フォーラム幹事会議長 日本障害者協議会常務理事

松井 亮輔 法政大学名誉教授

森 祐司 (福)日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長

山崎 公士 神奈川大学教授

オブザーバー

遠藤 和夫 日本経済団体連合会労働政策本部主幹

福島 智 東京大学先端科学技術研究センター教授

(敬称略五十音順)

 

ストップしてほしいときに使う赤いカード

※裏表紙は、会議で話されていることがわからなくてストップしてほしいときに使う赤いカードです。