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北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例

目次

第1章 総則

(目的)

第1条

この条例は、障がい者及び障がい児の権利を擁護するとともに、障がいがあることによって障がい者及び障がい児がいかなる差別、虐待も受けることのない暮らしやすい地域づくりを推進するため、障がい者及び障がい児の視点に立って、道の施策の基本となる事項、道が実施すべき事項及び道と市町村との連携により実現すべき事項などを定めること等により、地域における障がい者及び障がい児の権利を擁護し、及び生活の支援に向けた環境を整備し、もって北海道の障がい者及び障がい児の福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)

第2条

この条例において「障がい」とは、心身の状態が疾病、傷害その他の事情に伴い、その時々の社会的環境において求められる能力又は機能に達しないことにより、日常生活又は社会生活において継続的に相当な制限を受ける状態をいう。

2 この条例において「障がい者」とは、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条に規定する身体障害、知的障害又は精神障害がある者(高次脳機能障害者及び発達障害者支援法(平成16年法律第167号)第2条第2項に規定する発達障害者を含む。)をいう。

3 この条例において「障がい児」とは、障がい者のうち、18歳未満のものをいう。

4 この条例において「暮らしやすい地域づくり」とは、障がい者が必要とする配慮と支援の提供及び共に生活する地域住民の理解や協力の下で、障がい者の希望や意欲に基づいた、地域における社会生活が保障される地域づくりをいう。

(基本理念)

第3条

障がい者の権利を実現し、及び社会参加を確保するための社会生活に関する施策の推進に当たっては、次に掲げる事項を基本とする。

(1) 行政機関、学校、地域社会、道民、事業者その他関係団体が、相互に連携して社会全体で取り組むこと。
(2) 障がい者への差別を防止し、障がい者の暮らしづらさを解消し、及び障がい者の権利を最大限に尊重すること。
(3) 保健、医療、福祉、労働、経済、教育その他障がい者に関するあらゆる分野において、総合的に取り組むこと。
(4) 道内における地域間の格差の是正を図ること。

(道の責務)

第4条

道は、この条例の目的を達成するため、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、暮らしやすい地域づくりを推進する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施しなければならない。

(道と市町村の連携)

第5条

道は、障がい者施策における市町村が果たす役割の重要性にかんがみ、市町村がその地域の特性に応じ、この条例の趣旨に合致した施策を実施することができるよう、市町村との緊密な連携を図るとともに、市町村に対して情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(道民等の役割)

第6条

道民、事業者及び関係団体(以下「道民等」という。)は、基本理念に基づき、障がい及び障がい者に対する理解を深めるとともに、暮らしやすい地域づくりを推進するための施策に協力するよう努めるものとする。

(情報の提供)

第7条

道及び障がい者に係る情報を有するものは、情報の保護に留意するとともに、相互に連携し、その責任と能力に応じて暮らしやすい地域づくりを推進するために、障がい者が必要とする情報の提供に努めるものとする。

(財政上の措置)

第8条

道は、障がい者の社会生活に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第2章 障がい者を支える基本的施策等

(関係法令等との調和)

第9条

道は、障がい者の社会生活に関する施策の推進に当たっては、障害者基本法、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)その他の関係法令との調和を図りながら、効果的な施策の展開を図らなければならない。

(道民等の理解の促進)

第10条

道は、道民等が障がい及び障がい者に対する理解を深めるよう、普及啓発その他必要な措置を講ずるものとする。

(企業等の取組の支援)

第11条

道は、地域における障がい者の自立した生活の確保に向けた企業その他の事業者による自主的な取組を支援するよう努めなければならない。

(医療とリハビリテーションの確保)

第12条

道は、地域で生活する障がい者に必要な医療とリハビリテーションを確保するよう努めなければならない。

(移動手段の確保)

第13条

道は、地域で生活する障がい者の障がいの別及び程度にかかわらず、いかなる差別も受けることなく必要な移動の手段が確保されるよう、公共交通事業者その他の関係者の理解を得ることができるよう努めなければならない。

(切れ目のない支援)

第14条

道は、障がい者の乳幼児期、学齢期等生涯を通じて一貫した切れ目のない支援を確保できるよう努めなければならない。

(保健・福祉及び教育との連携)

第15条

道は、保健・福祉と教育の連携を推進するに当たっては、次の点に配慮しなければならない。

(1) 障がい児の希望などに応じた教育及び保育が受けられるようにすること。
(2) 障がい児を受け入れる教育機関において、関係機関との連携等を通じて、必要な介助、医療的ケア及び自立活動の指導の充 実が図られるようにすること。
(3) 前号の教育機関の取組の推進を図るため、道及び関係機関は専門知識を有する人材の育成及び確保に努めること。
(4) 障がい児に対する支援が、学校及び放課後を問わず、地域全体の連携及び協力の下で行われること。
(5) 学校教育及び社会教育など生涯学習の場において、障がい者に関する理解の促進が図られるようにすること。

(高齢者施策等との連携)

第16条

道は、この条例に基づく施策の実施に当たっては、地域の特性に応じ、共生型事業(障がい者、高齢者、子どもなど地域福祉に係る施策について、これらを一体的に実施する事業をいう。以下この条において同じ。)の普及に努めるとともに、市町村が共生型事業を実施するに当たっては、必要な支援に努めなければならない。

(障がい者の家族に対する配慮)

第17条

道は、この条例に基づく施策の実施に当たっては、障がい者の家族に対して必要な配慮をしなければならない。

(地域間格差の是正等)

第18条

道は、この条例に基づく障がい者の社会生活に関する施策の実施に当たっては、障がい者が希望する地域において暮らすことができるよう、サービス基盤の地域間格差の是正と地域間の均衡に配慮しなければならない。

第3章 障がい者の権利擁護

(障がい者の権利擁護)

第19条

道及び道民等は、地域で暮らす障がい者の権利擁護に配慮しなければならない。

(障がい者への配慮)

第20条

道及び道民等は、学校、公共交通機関、職場その他障がい者が生活をするために必要な場において合理的配慮(障がい者が、障がいのない者と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むことができるようにするために必要な配慮をいう。)に努めるとともに、差別や不利益な扱いをしてはならない。

(虐待の禁止)

第21条

何人も、障がい者に対し、次に掲げる行為(以下「虐待」という。)を行ってはならない。

(1) 障がい者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
(2) 障がい者にわいせつな行為をすること又は障がい者をしてわいせつな行為をさせること。
(3) 障がい者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置及び遺棄等監護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
(4) 障がい者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の障がい者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
(5) 障がい者の財産を不当に処分することその他当該障がい者から不当に財産上の利益を得ること。

第4章 障がい者が暮らしやすい地域づくり

第1節 地域づくりに関する基本指針の策定

(基本指針)

第22条

知事は、地域間の福祉サービス等の格差及び障がいの有無や程度による社会参加の機会の不均衡の是正を図りながら、障がい者が暮らしやすい地域づくりを推進するため、市町村が実施することが望ましい事項等の基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

第23条

基本指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 地域で暮らす障がい者に対する相談支援体制の確保に関すること。
(2) 地域自立支援協議会(地域で暮らす障がい者の支援に関与する関係者が連携するための協議会をいう。)の設置及び運営に関すること。
(3) 地域で暮らす障がい者や当該障がい者の支援に関する地域資源の実態の把握に関すること。
(4) 地域住民と地域における関係者との連携や協力等による障がい者の支援体制(災害時の支援を含む。)の確保に関すること。
(5) 地域で暮らす障がい者の就労支援に関すること。
(6) 調整委員会(地域で暮らす障がい者に対する暮らしづらさの解消を図るために、市町村が設置する協議組織をいう。)に関すること。
(7) 前各号に掲げるもののほか、障がい者が暮らしやすい地域づくりについて必要な事項に関すること。

(意見聴取等)

第24条

知事は、基本指針を策定するに当たっては、あらかじめ、障がい者と障がい者の家族及び関係団体の意見を聴くとともに、道民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。

(公表)

第25条

知事は、基本指針を策定したときは、遅滞なく、その要旨を公表しなければならない。

(準用)

第26条

前2条の規定は、基本指針の変更について準用する。

第2節 道の支援

第27条

道は、基本指針に基づく施策の促進を図るとともに、基本指針に基づく市町村の取組に対して、次に掲げる支援のための措置を講じなければならない。

(1) 障がい者に対する支援の状況を勘案して規則で定める圏域ごとに市町村の取組に対する助言等を行う支援員を配置すること。
(2) 基本指針に基づく施策に必要な人材を養成すること。
(3) その他市町村における必要な体制の整備に対する支援策を講ずること。

第5章 障がい者に対する就労の支援

(就労支援に関する施策)

第28条

道は、障がい者の希望と適性に応じ、障がい者が雇用契約に基づき就労することが可能となり、及び福祉的就労関係事業所(障害者自立支援法に基づく就労継続支援その他就労関係の事業を実施する事業所をいう。第31条第3項及び第32条において同じ。)における工賃の水準の向上その他必要な環境が整 備されるよう、企業、関係行政機関その他関係者との連携及び協力により、必要な施策を講じなければならない。

2 道及び障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第43条第1項に規定する事業主又は使用者は、同条第2項で定める障害者雇用率の達成はもとより、一層の障がい者雇用の促進に努めなければならない。

3 前項以外の事業主又は使用者は、事業内容などを勘案して、障がい者の雇用促進に努めるものとする。

4 道及び事業主又は使用者は、障がいを理由に、採用の拒否、解雇及び賃金、昇進等の労働条件や労働環境において、不利益又は不当な扱いを行わないよう努めなければならない。

(就労支援推進計画の策定)

第29条

道は、前条の施策を実施するための計画(以下「就労支援推進計画」という。)を策定しなければならない。

2 就労支援推進計画を策定するに当たっては、あらかじめ、第33条の北海道障がい者就労支援推進委員会の意見を聴かなければならない。

(認証制度)

第30条

知事は、障がい者の就労を支援する施策を推進するため、障がい者の就労支援を行う事業者に対する認証を行うものとする。

2 前項の認証のための基準は、規則で定める。

3 知事は、事業者による第1項の認証の取得を促進するため、低利の融資、入札上の優遇その他の措置を講ずるものとする。

4 知事は、第1項の認証を取得した事業者が、次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、当該認証を取り消すことができる。

(1) 認証の内容又は条件に違反したとき。
(2) 偽りその他不正の手段により認証を受けたとき。

(指定法人)

第31条

知事は、第3項に規定する障がい者の就労を支援する施策を推進する業務を実施させるため、道内の法人(非営利の法人に限る。)であって、次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により指定することができる。

(1) 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、その計画を確実に遂行するに足りる知識及び能力並びに経理的基礎を有すると認められること。
(2) 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、障がい者の就労の支援を推進するに資すると認められること。

2 知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称及び主たる事務所の所在地並びに代表者の氏名を公示しなければならない。

3 指定法人は、道の監督の下、次に掲げる業務を行う。

(1) 障がい者の就労支援を推進する観点から、福祉的就労関係事業所の販路の確保に関すること。
(2) 障がい者の就労支援を推進する観点からの市場調査、商品開発及びサービスの質の向上に関すること。
(3) 前条に規定する認証制度に関する業務のうち規則で定める事項
(4) その他障がい者の就労支援に関し必要な事項であって規則で定める事項

4 指定法人は、毎事業年度、規則で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

5 道は、障がい者の就労の支援に関する業務の一部について、指定法人に行わせることができる。

6 指定法人は、規則で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書を作成し、及び知事に提出し、その承認を受けなければならない。

7 知事は、この条の規定を施行するため必要な限度において、指定法人に対して、第3項の業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

8 知事は、有識者で構成する評価委員会を設置し、指定法人の事業評価を行わせなければならない。

9 知事は、指定法人が第1項に定める要件を欠き、又は第7項に定める命令に違反した場合は、指定を取り消すことができる。

10 前各項に定めるもののほか、指定法人に関し必要な事項は、規則で定める。

(調達等への配慮)

第32条

道は、障がい者の就労を支援する施策を推進するため、道の物品又は役務の調達等に当たっては、福祉的就労関係事業所及び第30条の認証を取得した事業者に対し配慮するよう努めるものとする。

第6章 北海道障がい者就労支援推進委員会

(設置)

第33条

北海道における障がい者の就労の支援を推進するため、知事の附属機関として、北海道障がい者就労支援推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置く。

(所掌事項)

第34条

推進委員会の所掌事項は、次のとおりとする。

(1) 知事の諮問に応じ、障がい者の就労を支援する施策の推進に関する重要事項を調査審議すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務に関すること。

2 推進委員会は、障がい者の就労の支援の推進に関し必要と認める事項を知事に建議することができる。

(組織)

第35条

推進委員会は、委員20人以内で組織する。

(委員)

第36条

委員は、次に掲げる者のうちから、知事が任命する。

(1) 障がい者
(2) 学識経験を有する者
(3) 障がい者の保健福祉に関係する団体の役職員
(4) 事業者(法人にあっては、その役職員)
(5) 関係行政機関の職員
(6) 前各号に掲げる者のほか、知事が適当と認める者

2 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第37条

推進委員会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員が互選する。

3 会長は、推進委員会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、あらかじめ会長の定める順序により、その職務を代理する。

(会議)

第38条

推進委員会の会議は、会長が招集する。

2 推進委員会は、委員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(部会)

第39条

推進委員会は、必要に応じ、部会を置くことができる。

2 部会は、推進委員会から付託された事項について調査審議するものとする。

3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。

4 部会に属すべき委員は、会長が指名する。

(会長への委任)

第40条

この章に定めるもののほか、推進委員会の運営に関し必要な事項は、会長が推進委員会に諮って定める。

第7章 障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会

(設置)

第41条

道は、規則で定める圏域ごとに、障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会(以下「地域づくり委員会」という。)を設置する。

(所掌事項)

第42条

地域づくり委員会の所掌事項は、次のとおりとする。

(1) 障がい者の地域での暮らしを支えるサービスに関すること。
(2) 差別や虐待及び権利擁護に関すること。
(3) その他地域で暮らす障がい者の暮らしづらさに関すること。

(組織)

第43条

地域づくり委員会は、委員10人以内で組織する。

(委員)

第44条

委員は、次に掲げる者のうちから、知事が委嘱する。

(1) 当該圏域で生活する障がい者
(2) 地域住民
(3) 学識経験者
(4) 関係行政機関の職員

2 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

(規則への委任)

第45条

第41条から前条までに定めるもののほか、地域づくり委員会に関し必要な事項は、規則で定める。

(地域づくり推進員)

第46条

道は、地域づくり委員会を運営するため、第41条で規定する圏域ごとに、知事の委嘱により、地域づくり推進員を置く。

2 地域づくり推進員は、地域づくり委員会を招集するとともに、その運営に係る地域づくり委員会を総理する。

3 地域づくり推進員は、地域づくり委員会において協議する事項に応じ、委員のうちから適当なものに対し、協議に参加させるものとする。

4 前項の規定にかかわらず、地域づくり推進員は、協議する事項に応じ、必要と認める参考人に対し、協議への参画を求めることができる。

5 地域づくり推進員は、第42条各号に掲げる事項について、第49条第1項に規定する北海道障がい者が暮らしやすい地域づくり推進本部に審議を求めることができる。

(調査)

第47条

知事又は地域づくり推進員は、虐待に関する事案及び障がい者の権利に重大な支障を及ぼす事案に係る協議に際して必要な事実を確認する場合にあっては、当該協議に必要な事実に関し、調査を行うことができる。この場合において、調査の対象者は、正当な理由がある場合を除き、これに協力しなければならない。

(勧告等)

第48条

地域づくり推進員は、地域づくり委員会における協議の結果、すべての委員の賛成により、著しい暮らしづらさがあると判断した場合にあっては、当該暮らしづらさの原因となる者に対して、改善のための指導をすることができる。

2 前項の指導(虐待及び障がい者の権利に重大な支障を及ぼす事案に限る。)の結果、改善が図られない場合にあっては、地域づくり推進員は、知事に対して、当該暮らしづらさの原因となる者に対して改善を勧告することを求めることができる。

3 前項に規定する求めがあった場合、知事は、改善の勧告を行うことができる。この場合においては、知事は、あらかじめ期日、場所及び事案の内容を示して、当該事案の原因となる者又はその代理人の出頭を求めて、意見の聴取を行わなければならない。

4 前項の勧告を行ったにもかかわらず、改善が図られない場合にあっては、知事は、当該勧告内容を公表することができる。

第8章 北海道障がい者が暮らしやすい地域づくり推進本部

(北海道障がい者が暮らしやすい地域づくり推進本部)

第49条

障がい者に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、道に北海道障がい者が暮らしやすい地域づくり推進本部(以下「推進本部」という。)を置く。

2 推進本部の所掌事項は、次のとおりとする。

(1) 暮らしやすい地域づくりの推進に関する重要事項の企画、調整及び推進に関すること。
(2) 各圏域に設置された地域づくり委員会から審議を求められた事項に関すること。
(3) その他障がい者施策の推進に関し必要な事項に関すること。

3 推進本部は、本部長、副本部長及び本部員をもって組織する。

4 本部長は知事をもって、副本部長は副知事をもって充てる。

5 本部員は、学識経験者、規則で定める関係行政機関の職員等をもって充てる。

6 本部長は、推進本部を代表し、推進本部の事務を総理する。

7 本部長に事故があるときは、副本部長のうちから、本部長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。

8 推進本部の会議は、本部長が招集する。

(調査部会)

第50条

推進本部に、前条第2項第2号に規定する事項について審議を行うために、調査部会を置く。

2 調査部会の委員については、学識経験を有する者のうちから、知事が任命する。

3 調査部会に部会長及び副部会長を置く。

4 部会長は、委員が互選する。

5 部会長は、調査部会を代表し、会務を総理する。

6 副部会長は、部会長を補佐し、部会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(規則への委任)

第51条

前2条に定めるもののほか、推進本部及び調査部会の組織並びに運営に関し必要な事項は規則で定める。

第9章 雑則

(年次報告)

第52条

知事は、毎年度、議会に、この条例に基づき講じた障がい者の地域にお ける社会生活に関する施策の推進状況に関する報告を提出しなければならない。

(規則への委任)

第53条

この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、施行の準備等を勘案して、規則で定める日から施行する。ただし、第1章、第2章及び第9章の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 道は、就労支援推進計画を策定するに当たって、この条例の施行前に策定した同趣旨の計画については、その一部とみなすことができる。

(検討)

3 知事は、この条例の施行の日から3年を目途として国内の法制度の動向等を踏まえて必要な措置を講じ、その後は、5年を経過するごとに、この条例の施行 状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。