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編集後記

 「働くことが保障されないと、人間としての個人的社会的両面での生活に重大な支障が生じる」という蔵王すずしろの武田元所長。これには「障害の重さを理由に」という一文が前に入るのだが、障害をもたない人にとっては当たり前のことかもしれないが、障害のある人にとっては、これまでこういう視点で捉えられてこなかったのではないか…。障害があるから、障害が重いからという理由で閉ざされてきた現実があり、しかし、基本には、みんな同じ人間であるという考えに立って、すずしろの日々の挑戦は続けられている。利用者工賃月額7万円、誌上から応援したい。

(S)

 個性と能力が生かした働き方…。取材先で会った自閉症の青年のことを思い出した。彼はうどん作りの名人。毎日、天候に合わせて麺の生地作りで加える水の量などの微調整する。生地を触っただけでわかるという、まさに職人技。機械操作も慣れた手つきで、おいしいうどんが彼の手によって生まれる。また、SOHOとして仕事をはじめた友人は、電動車いすを利用している。以前、通勤にかかっていた時間は、出かける準備も含めると相当な時間がかかっていた。ストレスも減ったようで、いまがとても快適だと言いながら忙しく仕事をしている。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2003年9月号(第23巻 通巻266号)