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スリランカ
スリランカと日本の虹のかけ橋

アッタナヤケ・ムディアンセラゲ・ヘマンタ・クマーラ
(ダスキン3期生)

 この1年間、私たちがずっと追いかけてきた夢が叶いました。今、スリランカと日本の間に強い虹のかけ橋ができました。
 きっかけは日本でのすばらしい出会いでした。
 私はダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業の3期生として来日している時、浜松にあるウイズというワークショップで研修をしました。ここで私はいろいろな所を見学して、皆さんとたくさん話をしました。「みんな同じだから、みんなはみんなが権利を受けるために頑張らなければいけない」「障害者もみんなと一緒に働ける小さなワークショップをたくさん作ろう」と施設長の斯波さんはいつも言っていました。スリランカでも障害をもっている人たちの一番の問題は仕事です。勉強しても勉強しなくても大人になった障害者を支える方法を政府はなかなか考えてくれません。ですから盲学校や職業訓練センターを卒業してもほとんどの人は家に閉じ込もっています。私は斯波さんのすばらしい考え方を愛するようになりました。そして、ウイズのように面白くて大切なワークショップをスリランカにも作りたいと強く思うようになりました。
 スリランカに帰国して、ボランティアをしている盲学校でこの考えを話しました。校長先生は実際にウイズを見学してもっと深く理解したいと考えました。そして多くの人たちのサポートで、去年の10月に校長先生と一緒に来日することができました。二人でいろいろな場所に行って、スリランカや学校のことを話しました。私たちの話を聞いて、スリランカを応援しようと言ってくれる日本人がたくさん出てきました。みんなの優しい心に触れて私はもっと日本を愛するようになりましたし、とても元気付けられました。そして、第2のウイズを始めるという夢を実現させたいとさらに強く考えるようになりました。帰国後、応援してくれる人をたくさん集め、さまざまな活動を行いました。そして第2のウイズのために政府から土地がもらえることになったのです。

 日本でも私たちの気持ちを理解してくれている人たちが頑張っていました。斯波さんはウイズのサポーターと一緒にスリランカへ支援物資を送ろうと計画しました。そして、たくさんの物資が集まりましたが、それを送るのも受け取るのもとても大変でした。私たちにとって一番大変だったのは税金です。このような活動をサポートする税金のルールがあっても税関の人たちがそのことを知らないのです。そして、私たちの政府にもこのような事業に対する優しいサポートがありません。学校に日本からの物資が届いたのは斯波さんたちがスリランカに来る直前でした。

 7月14日の第2のウイズの開所式に合わせて、斯波さんたちがスリランカに来ました。こんなに大きなセレモニーを行うのは初めてです。スリランカの社会福祉大臣や政治家も参加しました。政治家は「できることは何でも手伝う」と約束してくれました。視覚障害者団体やタミール人の学校にも支援物資がプレゼントされました。学校の子どもたちは一生懸命練習した日本語の歌を披露しました。楽しくて、感動的で、本当に涙が出るような開所式でした。
 今、ワークショップでやっているのは洋服作りです。これから少しずつ仕事を増やしていきたいです。そしてワークショップで作った物を売る場所を作りたいです。できれば同じようなワークショップを小さくてもいいからたくさん作りたいです。また、学校に点字とテープの図書館も作りたいし、ボランティアグループ作りは大きな事業ですが、すぐにでもやりたい仕事の一つです。このように夢はまだまだたくさんあります。

 7月16日には私のふるさとのバドゥーラで平和と環境、そして福祉について斯波さんたちがセミナーをしました。市長や政治家も来ましたし、学生もたくさん参加しました。この街で福祉の講義をするのは初めてです。講義を聞いて点字のことを初めて知った人もいました。私たちが、障害をもっていてもたくさんの力を持っていることや、みんなと同じように権利を持っていることをバドゥーラの人たちはよく分かったと思います。これからもこのような活動をたくさん行って、障害をもっている人のことをみんなに知らせたいです。そして私の街にもボランティアグループを作りたいです。
 斯波さんたちがスリランカに来てくれて、私たちはとても元気付けられました。スリランカと日本の虹の架け橋がこんなに早く、そして強くできるようになってスリランカの私たちの心は幸せいっぱいです。これからも活動を続けていきます。斯波さんたちも同じように考えています。私たちはもう一人ではありません。みんながみんなを愛し、みんなの権利が認められ、平和で福祉が整った社会を作るために夢を諦めません。みんなと一緒に楽しんでがんばりましょう!