「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年5月号
見えてきた課題
支援費を利用してわかったこと
岡部茂夫・由香
僕たちは、本人活動で知り合って昨年の6月に結婚した。二人で暮らすようになって1年くらいになる。なんでも二人で助け合っているけれど、たいへんなこともある。
結婚した当初は、由香さんはスーパーで働いていた。残業があって、いつも帰りは夜8時くらい。そのとき僕は仕事をしていなかった。
でも、昨年の10月に由香さんが体調を崩して仕事をやめた。仕事がないと生活が困るので、僕は仕事を紹介してもらって働きはじめた。
それまでもヘルパーさんが来てくれていたけれど、管轄がちがうので中原に行ってくれるヘルパーさんがいないといわれた。だから、改めて中原区役所に申請をして事業所と契約をした。そのときは僕の名前で契約した。
ヘルパーさんが来る時間には、契約した本人がいないといけない。終わったら、ちゃんとやってくれたという、はんこをおすからだ。
僕は、夜7時まで仕事がある。家に帰るのは、9時ころになる。由香さんは週3回、南部就労センターに通っているけれど、夜は家にいる。だから、契約する人をかえたほうがいいよ、ということで由香さんの名前に切り替えた。この手続きは福祉事務所の人にお願いした。
今、ヘルパーさんは、週4回来てくれる。家事援助で夕食づくりが中心。メニューは由香さんがあらかじめ糖尿病である僕のことを考えて、1週間の献立を考える。ヘルパーさんはそれをもとに料理をつくってくれる。
今僕が心配なことは、病院のこと。僕は糖尿病なので、毎月通院している。由香さんも一緒だけど、説明を聞いたりするのは自分ひとり。先生の説明や僕に聞いていることの意味がわからないときがある。そのフォローをしてほしいなと思って、ガイドヘルプを頼んだら、役所の窓口の人は、ガイドヘルパーは歩きにくいとか、体が思うように動かない人のために使うものだと言われた。それから、結婚しているので、何でもできるでしょうと言われた。
このことをヘルパーさんに聞いたら、使えるって言われた。ただ、予算を出すか、出さないかの問題があるみたいということ。病院のほかに仕事のことでも、最初は行きづらかったりするので、そんなとき一緒に行ってもらえると本当はうれしい。
由香さんもガイドヘルプがほしいと思っている。由香さんは、平日、一人で育成会に行こうと思っても、電車では駅から育成会までの道順がわからない。勉強会に行きたいときも困る。付き添い的にいてほしいと思っている。
今ガイドヘルパーを使っていないけれど、今度相談してケアプランに入れてもらおうと思っている。
(おかべしげお・ゆか さくら会メンバー)