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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●便利な洗面台のシャワーホース、他●

提案:神山陽子 イラスト:はんだみちこ

神山陽子(かみやまようこ)さん

兵庫県西宮市でアテンダントを使いながら一人暮らしをしています。障害は骨形成不全症。メインストリーム協会(自立生活センター)のスタッフとして活動しながら、自由な自立生活を満喫しています。趣味は映画やコンサートに行くこと。お酒を飲むのも好きです。


便利な洗面台のシャワーホース

私は右手と左手の腕の長さが違います。うちの洗面台はけっこう奥行きがあって、長いほうの左手は蛇口まで手が届くのですが、短い右手は蛇口まで届かないので普通に洗うことができません。しかし、幸いなことにうちのアパートの洗面台には朝シャンブームの頃の名残なのかシャワーが付いているのです(今、洗面台で朝シャンしてる人ってあまりいませんよね)。なので、右手を洗うときは水栓をシャワーに切り替えてシャワーホースを右手の所まで伸ばしてきて洗っています。朝シャンブームが去った今では時代の遺物のような物ですが、私にとっては欠かせない物です。私は風邪を引くと咳が長引き、咳のし過ぎで肋骨が疲労骨折してしまうこともあるので、帰宅したら手洗いとうがいは必ずします。そんなわけでシャワーホースはうちでは大活躍しています。


おもちゃを日常生活に活かす

子ども向けのおもちゃであるマジックハンドをプレゼントしてくれたのは友人でした。私は大・中・小と3種類のマジックハンドを持っています。それぞれ別の友人がプレゼントしてくれたのですが、これが使ってみると意外に便利!! マジックハンドはご存知のように手元のレバーを握るとバネで先が動いて、物を挟める棒です。私のように車いすに乗っていると、下に落ちた物や、逆にちょっと高いところの物を取るのはとても困難です。そんな時、このマジックハンドが大活躍。先っぽの物を挟む部分にゴムが付いているので滑りませんし、取る物の大きさによって大中小のマジックハンドを使い分けています。紙や薄い物を落としたときは、マジックハンドの先にセロテープなどを丸めてつけて、それに落ちた紙をペタッとくっつけて取ります。

マジックハンドは寝室・台所・洗面所にそれぞれ置いておきます。子どものおもちゃだからといってあなどることなかれ。生活必需品です。


車いすから下りる時の台

私は基本的に家の中でも車いすで生活しています。車いすから直接ベッドに移ったりするので、日頃はあまり車いすから下りることはないのですが、友人が来て一緒にくつろいでテレビを見ながら喋ったりする時は、床でゴロゴロしたいので下ります。しかし、車いすの高さから床まで直接下りるのはけっこう大変です。

こういう時に私はホームセンターで買ってきた木のすのこ状の台を使っています。台を車いすの前に置いてその台に一回下りて、そこから床に下りるというわけです。逆に車いすに乗るときは、まずこの台に上がって、そこから車いすに乗り移ります。階段のようにステップアップという感じですね。本来はお風呂で座るのに使う台なのだと思いますが、高さがちょうどよく、しかもすのこになっているので板の隙間に指を入れて持ち運びがしやすく、重宝しています。