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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年2月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●クレジットカードで支払いもラクラク、他●

提案:大久保健一 イラスト:はんだみちこ

大久保健一(おおくぼけんいち)さん

1976年、群馬県生まれ。養護学校を経て、放送大学卒業。現在、宮城県名取市において、障害者生活支援TIJ代表としてCILを運営する。県夢プラン策定委員会検討部会委員。趣味は海外旅行、詩のボクシングや障害者レスラー、モー娘。など、多岐にわたる。


クレジットカードで支払いもラクラク、

僕はアメリカ旅行をきっかけにクレジットカードを作った。僕は、現金だと財布からおつりがとりにくく、落としてしまうことも多い。慣れている店なら財布ごと渡して代金分を取ってもらうが、その他多くの店では、安全面でもそうはいかない。それがクレジットカードにすれば、つり銭は必要なく、自分なりのサインで済むので大変楽だ。ちなみに僕は、難しい文字は手の障害により書けないので、イニシャルである「O.K」とサインしている。この間まで日本では、カードを使える店も限定されていたが、最近はほとんどのコンビニやスーパーで使えるようになって、僕にとっては買物がしやすくなった。コンビニによっては少額の買物は、サインレスなので余計に便利だ。ただ言うまでもないが、調子にのって使いすぎると、悪夢を見るのでご用心。それとキャッシングができてしまうので、ついつい気楽に借金をしてしまう。だから障害者にとってクレジットカードは大変使いやすいものであり、自立の観念が問われるものだ。デビットカードもしかりである。


海外版指さし会話帳

僕の海外旅行は、個人の貧乏旅行が多いわけだが、ホテルや買物の値切り交渉からナンパにいたるまで、通訳なしで自分で意志を伝えなければならない。外国語もほとんどできないうえに言語障害があるので、ほぼ音声では伝わらない。筆談もできないので困っていたら本屋にいい本があった。それは、「指さし会話帳」という本で、各国語版として50種類位がシリーズで発行されている。僕は英語、中国語、韓国語、タイ語の会話帳を使って旅行している。これは絵も描いてありけっこう地元の人たちに通じるので、言葉ができない僕でも、コミニュケーション手段の一つになる。中国などでは物珍しさから何十人もの人たちに取り囲まれることが多い。いきなり人気者だ。最近は電子辞書もあるが、値段的にも安全面でも、2000円弱の会話帳のほうが気軽に使える。この会話帳のおかげで、仲良くなれた海外の友人も多い。ベストセラーにもなっているようなので、外国語ができない旅行者にとっては便利なのではないだろうか。ちなみに日本語版もあるので、福祉機器のトーキングエイド代わりに気軽に使えると思う。


首都圏の新型車両にあるコンセント

僕は移動には電動車いすを使用し、JRなどの交通機関をよく使うほうである。首都圏で走っている電車の新型車両の車いすスペースには、ふた付きコンセントが付くようになった。それを使って電動車いすの充電ができる。たぶん清掃用のコンセントかもしれないが、このコンセント、電動車いす使用者にとっては大変助かっている。なぜかというと、外出中に充電が切れてしまうとどこかでコンセントを借りて充電しなければならず、その間数時間は動けないのだ。それが移動中の電車内で充電ができれば、時間的にも合理的であり、このような車両が新幹線をはじめ、多くの車両に増えていってほしい。フェリーにもほとんどコンセントがついているので、充電ができる。今後、電車など車いすスペースには必ず設置してほしいし、新幹線の自由席を利用する場合は、デッキにいることが多いので、デッキごとにもコンセントがあればいいなと思う。