「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年3月号
工夫いろいろエンジョイライフ
実用編●手袋型タオルでさっぱりいい気分、他●
提案者:河野正樹 イラスト:はんだみちこ
河野正樹(こうのまさき)さん
私は脳性マヒで会話は文字盤を使っていて、車いすに乗っています。約4年前から大阪市住之江区にある自立発信拠点すぺ~すしゃとるという作業所に通っています。同じ大阪市住之江区内でヘルパーを使って一人暮らしをしています。
手袋型タオルでさっぱりいい気分
私はお風呂で体を洗う時に、百円均一のお店で購入した介護用の手袋型ごしごしタオルを使っています。なぜ普通のごしごしタオルを使わないかというと、デリケートゾーンを洗う時に後でヒリヒリしないためです。
いろいろなタオルを試してみました。ヒリヒリしないために百均でカエルの形をした柔らかいタオルを買ってみましたが、柔らかすぎて背中が洗えていない感じがしました。
ある日友人の家に遊びに行った時に、このことを話してみると、手袋型のタオルのことを教えてくれました。それから、百均に探しに行きましたが、なかなか車いすで入れるお店がなく、入れたとしても手袋型のタオルがなかったりして、見つけ出すのに苦労しました。
今ではこれで快適に体を洗っています。ヒリヒリすることもなく、きっちり洗えて毎日さっぱり良い気分です。今の生活になくてはならない必需品です。
しびんの重りは特製の砂袋
一人でしびんを使う時、私は海岸の砂を詰めた砂袋でしびんを固定しています。ヘルパーの時間数の関係で24時間は入れられないため、私一人でいる時にトイレがしたくなったら自分でしなければいけません。
しかし、私は緊張があるためにしびんをうまく支えることができません。以前は枕などで押さえていたのですが、大きすぎて使いにくく、ずれることもしばしばありました。
そこで友人や家族、OTに意見を求め試行錯誤していました。ある日PTを受けに行った時に、足が動かないように砂袋を使っているのを見てひらめきました。
早速、母親に頼んで作ってもらいました。試作1号は、石を袋の中に入れたので持った時に手が痛くなりました。試作2号は、公園の砂で作ってもらいましたが、今度は重たすぎて持てませんでした。
夏休みに海へ行った時に海岸の砂がとてもサラサラしていて、程よい重さだと思い、これで母親に試作3号を作ってもらいました。今度は、ちょうどよい重さでしびんを押さえてくれています。今ではこの砂袋を2つ持っています。
飲み物はボトルキャップにストローで
私は緊張があるため、飲み物を飲む時は、ペットボトルのキャップに穴を開けて、そこにストローを差し込んで飲んでいます。この方法は、ヘルパーの案で思いつきました。
最初、錐で穴を開けてだんだん穴を大きくして、そのあと百円均一のお店からドライバーセットを買ってきて、プラスからマイナスを使います。ただ、穴が小さすぎると吸いにくいし、大きすぎると傾けたらこぼれてしまうので、穴の大きさをちょうどいい具合に開けることが重要です。
はじめの頃はキャップが1個だけで替えがなかったので、2、3個試作品を作ってもらいました。
作業所に行く時、私はこのキャップのフタにストローを差したペットボトルをよく利用しています。これなら手を使わずに飲むことができるからです。
外出の時は、私のポーチの腰のベルトにペットボトルフォルダーをはさみ、その中にペットボトルを入れます。私は自分でフタを替えることができないので、道行く人に頼んで付け替えてもらったこともあります。