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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2016年7月号

当事者からの声

歳を重ねるにつれて私が思うこと…

小島初子

私は今75歳で知的障害があります。幼い頃に両親を亡くし、農家に子守の奉公をしながら暮らしました。成人してからも住み込みで働きながら、平成4年から東松山市のグループホームに入居し、今は介護保険と障害福祉のサービスを併用して生活しています。

一昨年までは、就労継続支援B型に週5日通所しながら、仲間と一緒にチラシの折り込みなど頑張っていましたが、暮れに右視床出血し緊急入院しました。退院後は、それまでできていたさまざまな生活動作が難しくなりました。ホームの職員さんが手伝ってくれますが、常時私の傍らにいてくださるわけではないので…。週5日では体力的にも厳しくなり、週3日の通所になり仲間と会える日も少なく寂しさを感じます。通院や買い物も以前は一人で行けましたが、今はシルバーカーを使っても大通りなどは怖くて渡れません。

それでも、半年ほど前から、障害福祉サービスのヘルパーさんが週3日、入浴介助に来てくれるようになりました。今は、ヘルパーさんとの会話がとても楽しみです!ただ、少し心配なことは、介護保険サービスでは、現在と同じようにヘルパーをつけてもらえるかわからない…このまま続けられたらいいなと思っています。

介護保険の支給を受けられるようになり、介護用ベッド、入浴補助器具のレンタルを開始しました。それから、今まで使っていなかった介護保険のデイサービスの利用が6月から始まり、新しい出会いや同年代の知り合いなどとも再会でき、とても楽しいです。大きな浴場での入浴もジャグジーがあり気持ち良く入れています。今後は、様子を見ながらデイサービスに通う日数を増やしていけたらいいなと思っています。

でも、障害者年金だけでは、ホームで暮らす分の生活費と家賃でほぼ無くなってしまいます。デイサービスの日数を増やそうにも金銭的に厳しい状況です。今後は、貯金を切り崩しながら生活していきますが、相談員さんの話では、生活保護も受けながら生活することも考えられます。今のホームには段差があり、廊下やお風呂も狭いため、体力が衰えていけば、ずっと生活し続けることができるのかと考えてしまいます。新しく老人ホームが見つかったとしても、今まで住み慣れた近所の皆さんやかかり付け医が変わってしまうのはとても不安です。友人もホームに入居できなくなり、施設へ入所した人も多くなってきています。私は、できる限り自分の住み慣れた街や環境で、今までと変わらない生活を送りたいです。

(こじまはつこ 社会福祉法人昴共同生活ホームすまいる)