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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年6月号

知り隊おしえ隊

浜松市のバリアフリーなおすすめスポット

萩田小百合

私は浜松市で生活をしている電動車いす利用者です。

浜松市は南北に広い地域で山もあり、海や浜名湖がある自然が身近に感じられる場所になっています。浜名湖は淡水と海水が混ざり合って、ハゼ・カレイなどの魚が生息している珍しい場所になっています。そんな浜松市で、バリアフリーなスポットを3か所ご紹介します。

1か所目は浜松市楽器博物館です。浜松は、楽器で有名なYAMAHAやKAWAIの本社があり、昔から楽器の生産が盛んです。浜松市楽器博物館は、世界のさまざまな楽器が展示してあり文化に触れることができます。もちろん、日本の楽器もあります。

1階にはアジアの国々の楽器330点、日本の楽器200点、電子楽器が50点展示してあります。アジアの場所はインドネシア・中部ジャワとバリ島の青銅ガムラン、バリ島の世界最大の竹ガムラン、ジェゴグの3つがそろっています。これは世界でもここ浜松だけだそうです。韓国の楽器も民俗楽器と宮廷楽器のすべてそろっています。他にもモンゴル、インド、チベット、イラン、トルコなどの楽器があります。

楽器のとても鮮やかな色、模様(柄)、形など目でも楽しめて、すべての楽器ではないですが、へッドホンで音を聴くこともできます。日本のほぼすべての楽器も展示してあります。太鼓や琴、三味線などの楽器が展示してあり、琴は触れて体験することができます。体験ルームもあるので、実際に楽器に触れて楽しむことができると思います。

地下1階にはオセアニアの楽器60点、アフリカの楽器60点、アメリカの楽器200点、ヨーロッパの楽器300点、そして鍵盤楽器が展示してあります。日によって、楽器の講習会が開かれているので勉強にもなると思います。子どもから大人まで楽しむことができて、世界各国の文化も知ることができると思います。

エレベータが設置されていて、多目的トイレも設置されているので車いすの方でも楽しめます。カフェレストランで食事もできますし、ミュージアムショップではお土産も買って帰れます。

入館料は大人800円、高校生400円、中学生以下・70歳以上・障害者の方(付き添い1人まで)は無料で入れます。開館時間は9時30分~17時までになっています。アクセスは、JR浜松駅北口より東へ徒歩10分で、駅からも近いのでおすすめです。

2か所目は、浜北区染地台にあるnicoe(ニコエ)です。ここは、浜松のお菓子「うなぎパイ」で有名な春華堂が運営しているスイーツ・コミュニティです。全館バリアフリーになっていて、館内も広く多目的トイレもあるので、車いすの方でもスムーズに移動ができます。

館内をご紹介しますね。

プレイグラウンド082(おやつ)は、遊び場となっています。写真のように、壁に木で作った物が設置してあり、手で触って遊べるようになっています。その他にも画面を触って音が出たり、大きな鍵盤があり、足で踏んで音と光で楽しむことができたりします。親子から大人の方にも楽しめる場所になっています。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真はウェブには掲載しておりません。

次に、nicoe(ニコエ)に入っているお店を紹介します。

1つ目は、nicoeを運営している春華堂です。春華堂で売られているケーキやお菓子などを買うことができます。店頭で作っているところを見ることもできます。

2つ目はパイ専門店「coneri」(こねり)です。季節によって限定のパイなどもあります。私が行った時は、桜をモチーフにしたパイの試食があり美味しかったです。

3つ目は五穀屋です。和菓子や煎餅などが売られていて、実際に店頭で和菓子を作っている場所を見ることもできます。試食もありました。

4つ目は、ミシュラン星付きシェフがメニュー監修をするイタリアンブッフェが味わえるお店です。お店の中央のライブキッチンからできたてが出てきたり、料理を作る工程も見ることができたりします。食事時間は90分になっています。中庭には「くるりの森」というランドスケープ遊具があり、子どもの遊び場になっています。時期によって、体験工房が開かれているのでぜひ行ってみてください。店員さん・スタッフの方々もフレンドリーで、気さくに話しかけてくれて、また来たいなと思いました。なんと館内は無料で入ることができて、ゆっくりくつろぐこともできるのでおすすめです。

アクセスですが、鉄道とバスを利用して行く方法があります。

1つは遠州鉄道「新浜松駅」から電車で「浜北駅」まで行き、遠鉄バス聖隷三方原病院方面行で「染地台3丁目」で下車して徒歩で行くことができます。

2つは「浜北駅」まで電車で行き、浜松バスで「ニコエ」下車で徒歩1分です。問題点はバスの本数が少ないこと。浜松バスは午前中は車いすで乗車できるバスですが、午後は車いすでは乗車できないバスになっていたので困りました。他に、JR浜松駅遠鉄バスバスターミナルから萩丘・都田・きらりタウン(染地台)方面「染地台3丁目」下車で、徒歩20分でも行けます。浜松の遠鉄バスはすべてが低床バスではないので、時刻表で確認して行くといいです。

3か所目は浜名湖パルパルです。浜名湖の近くの遊園地です。

アトラクションはたくさんあります。しかし、車いすで乗れるアトラクションは残念ながら3つしかありません。私は観覧車に乗ろうと思い、パルパルに向かいました。向かう途中に、すごく傾斜が急な坂が3か所あるのですが、電動車いすの私でさえも大変だったので手動車いすの方はすごく大変です。でも、観覧車はすべて車いす対応になっていて、係の人がスロープを設置してくれます。

遊園地からロープウェイが出ていて、大草山という場所まで行くことができます。ここにはオルゴールミュージアムや展望台があります。オルゴールミュージアムではオルゴールの世界を体感することができて、体験工房では手作りのオルゴールが作れます。

展望台からは浜名湖や浜松を一望出来て、天気の良い日は富士山が見えます。ロープウェイに乗る時もスロープを出してくれて、車いすで乗ることができます。

遊園地の隣に、船に乗れる浜名湖マリーナがあります。車いすで乗れるアクアパティオ号という船があり、乗船人数が18人定員になっています。私もアクアパティオ号に乗れるかと思っていたら、乗船人数が増えて、その船ではなく一般のクルーズ船になってしまいました。係の人も車いすのまま乗れるか検討してくれて、車いすごと乗せてもらうことができました。船長のアナウンスで浜名湖を周りました。風が強かったですが、とても気持ち良かったです。浜名湖パルパル内に多目的トイレも設置されています。

アクセスですが、JR浜松駅バスターミナル1番乗り場から舘山寺温泉行のバスに乗車して「浜名湖パルパル」下車で行けます。観覧車やロープウェイに乗って、浜松(浜名湖)を上から、船に乗って下から景色を眺めることができて、遊べる場所もあるので、小さい子ども連れの家族や大人にも楽しめる場所でおすすめです。少し離れた場所に、動物園やフラワーパークもあるので行ってみるのもよいと思います。

今年のNHK大河ドラマ「女城主 井伊直虎」は、浜松が舞台になっているので、記念館や大河ドラマ館などが開館されているため浜松は盛り上がっています。ぜひ行ってみてはどうでしょう。

(はぎたさゆり 自立生活センターこねくと)