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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年7月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●“小さな不調”を見逃さずに暮らしてみよう●

提案者:hana イラスト:はんだみちこ

hana(はな)さん

私はもともと身体が弱く体質も過敏でした。疲れると食欲がなくなり熱が出たり、睡眠が悪くなりやすい傾向がありましたが、成人してから統合失調症、線維筋痛症など日々の体調管理が難しい病気をいくつか発症しました。自閉症スペクトラムの特性もあり、暮らしにくさを改善するため目下勉強中です。迷いながらも自分なりに少しでも生活しやすくなるように工夫して過ごしています。


自宅でストレッチ

ストレッチや軽い体操をしたり、思いきり家事をして汗をかくと、精神的にも身体的にもすっきりします。線維筋痛症になってから、理学療法士に肩甲骨の間の筋肉が固くなりすぎていることと、肋骨がうまく動いていないことを指摘されたので、背中を柔らかくほぐし呼吸を深くするようなヨガのポーズやストレッチを試しています。

今は自宅でのリハビリとして、理学療法士の指導を受けた腹式呼吸と、仰向けに寝て膝を立てて両膝の間に小さなエクササイズボールを挟む運動を続けています。

他に、バスタオルを筒状に巻いたものをストレッチポールの代用品として使い、背中の緊張をほぐしています。


良い睡眠のために、身体を温める

普段は睡眠薬を使って寝ていますが、ある年の秋、寝つきが悪くなり、足が冷たくなっていることに気づきました。当時は、低体温気味で平熱が35℃台でした。そのため、足の冷えを解消する工夫を始めました。

入浴後、さらに部屋で足湯をしたり、布団を湯たんぽや電気毛布で温めたり、靴下を履いて寝たりしました。日中も天然素材で履き口のゴムがきつくない重ね履き用のソックスを使い、レギンスやレッグウォーマーで足腰を重ね着し、温かく保ちます。ぬるめのお風呂も大好きです。

今は平熱が36℃台になり、睡眠の質もあがりました。よく眠ると痛みが軽くなるので、睡眠は薬以上に大切と感じています。


乾燥症状と付き合う工夫

線維筋痛症の診断後、口や喉、目や鼻の粘膜が乾燥する、という症状が強くなって辛いので、乾燥症状が軽減するように工夫しています。

口の中の乾燥対策…寝る時にガーゼのマスクをしています。タオルを濡らしてハンガーに掛けて部屋に干すと加湿器代わりになります。口の乾燥には、保湿ジェルやサリベートを使います。

市販のデンタルリンスはメントールが口にしみるため、2倍から3倍に水で薄めて使います。歯磨き剤もベビー用のフッ素の入った研磨剤のないものを使うと刺激が少ないようです。

皮膚の乾燥対策…顔には肌に優しい化粧品を使い、身体は固形石鹸で洗っています。髪も無香料で石鹸ベースの気に入ったシャンプーを見つけて愛用しています。

化粧品類は、香料やエタノールが刺激になりやすいため、無香料、アルコールフリーか、配合の少ない物を選んでいます。ベビー用や敏感肌用が安心です。

夏は、こまめに汗を拭いたり、天然素材の服を着て過ごします。