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「動きにくい」から「動かない」と「動けなくなる」
- 廃用症候群は“生活不活発病” -

  1. 災害時には「動くに動けない」状態で「生活が不活発」になり、生活不活発病が生じる。
  2. 心身機能の低下よりも、生活行為(「活動」)の低下にまず表れる
    「心身機能」の症状が明らかになるのはかなり進行してから
  3. 全身のあらゆる心身機能が低下する(体も、心も頭の働きも)

○ 災害のために「動くに動けない」状況が生じる。
そのため「動かない」でいると、「生活が不活発」なことで起る「生活不活発病」が起って、 「動けなく」なりがち。

○ 特に高齢者では起りやすい。
高齢者ほど早く働きかけることが必要。

○ 生活不活発病は脳卒中などの病気の時だけでなく、原因やきっかけが何であろうと 「生活が不活発」になると起る。正に「生活不活発病」である。
まだ症状がはっきり見えなくても、「生活が不活発」になっていれば発生していると考える。

○ 避難所などで静かにしているから目立たないが、動き出すと生活不活発病を生じていたこと が明らかになることも多い。

○ 生活不活発病は個々の心身機能の低下よりも、まず「活動」(生活行為)や「参加」(家庭や 地域や社会での役割の発揮)の低下としてあらわれることが多い。

○ 生活不活発病の発見・対応のターゲットは、毎日の朝から晩までの生活行為の低下。 個々の心身機能の低下ではない。
発見には「生活不活発病チェック表」の活用を。(10 ページ)

○ 生活不活発病は全身のほとんどの「心身機能」が低下する。体だけでなく、心や頭の働きも 低下する。

<例>

  • フィットネス(心肺機能)の低下:
    “総合体力”が低下し、動いた時に疲れやすい。
  • うつ状態や知的活動の低下(一見ボケ様):
    「心のケア」だけでなく生活不活発病としての対策が必要。
  • 起立性低血圧:
    避難所などで昼間横になっている生活が続くと、立った時に血圧が下がって気分が悪 くなり、めまい・立ちくらみがする起立性低血圧(生活不活発病の症状のひとつ)が起 りやすくなる。災害による疲れだろうと考えて、更に臥床すると生活不活発病を一層 進行させることになる。気をつけよう。