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厚生労働省 生活支援ニュース第3号

発行日:平成23年(2011年)4月19日(火)

厚生労働省
Ministry of Health, Labour and Welfare

出典:
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-img/2r98520000019m1n.pdf

「自宅にとどまっている方にも情報提供を」

避難生活も1か月以上過ぎ、心身の疲れもピークを迎えるころでしょう。一部では仮設住宅への入居も始まるなど、避難所から移られた方もいらっしゃることと思います。避難所はもちろん、ほかへ移られた方やご自宅にいる被災者の方にも必要な情報が届くよう、関係者のみなさんのご配慮をお願いいたします。

みなさんのまわりに、目や耳の不自由な方や、身のまわりの状況が即座には把握しにくい、といった方はいらっしゃいませんか?
そうした方は必要な情報を得ることが難しく、支援の手がさしのべられないおそれがあります。目の不自由な方には口頭で、耳の不自由な方には筆談で情報を伝えるなど、周囲の人の手助けが必要な方に、ちょっとした心配りをお願いします。

もくじ

持病のある方へ

感染症の防止

しごとの支援

難病、アレルギーの方へ

震災で両親を亡くしたお子さんへ

配慮が必要な方へ

顔面体操

口のまわりの筋肉を運動させたり刺激を加え、機能低下を抑え、食べこぼしなどを防止します。

顔面体操1
口を横に引く 

下矢印

顔面体操2
唇を突き出す

下矢印

顔面体操3
頬を膨らます 

下矢印

顔面体操4
息を吸い込む 

下矢印

顔面体操5
声を出す

◎個人個人にあったペースでリズミカルに行いましょう

参考資料:財団法人8020推進財団「はじめよう口腔ケア」

持病のある方へ

避難所生活が長びくにつれ、持病が悪化するおそれが高くなります。ここでは特に、患者さんの多い糖尿病と高血圧について、悪化に気づくためのチェック項目と予防のポイントをご紹介します。みなさんご自身だけでなく、まわりの方のチェックにもお役立てください。(参考資料:社団法人日本老年医学会「一般救護者用災害時高齢者医療マニュアル」)

糖尿病チェックリスト

次のようなことに気づいたら糖尿病の悪化を疑い、医師や避難所の救護班に相談してください。

  • トイレに行く回数や失禁が増えた
  • やたらとのどが渇く
  • 全身が疲れてだるい
  • なんとなく元気が出ない

避難所で糖尿病の悪化を防ぐために

  • 規則的に食事し、それにあわせて薬をのみましょう。
  • 脱水にならないよう、水分をしっかりとりましょう。
  • 熱があったり食事がとれないときは、早めに診察を受けましょう。

糖尿病の薬をのんでいる方は、低血糖に注意する必要があります。「冷や汗をかく」「力が入らない」などの症状がある場合は低血糖を疑い、医師や救護班に相談してください。

低血糖を防ぐために

  • 空腹時には、運動や作業を控えましょう。
  • ご飯やパン、麺類、芋類などの主食は必ずとりましょう。
  • 食事がとれないときは、血糖降下剤を減らすか、のむのを
  • やめましょう。

高血圧の薬をのんでいた方へ

  • 避難生活では、普段の生活よりストレスが大きくなるため、身近な場所に血圧計がある場合は、毎日(できれば朝と夜)、測定するようにしましょう。近くに血圧計
  • がない場合は、保健師や医療スタッフの巡回時などにご相談ください。
  • 以前のんでいた降圧薬の名前がわからない場合は、医師や救護班に相談しましょう。
  • 頭が痛い、胸がドキドキする、顔色の赤みが強い、といった症状があれば、すぐに医師や救護班に相談しましょう。
  • 禁煙、減塩に心がけ、毎日30分程度は体を動かしましょう。

ご存知ですか(受 診)

公費負担医療を受けていて受給者手帳や患者票などをなくしてしまった場合でも、「対象となっている公費負担医療制度」「名前」「生年月日」「住所」などをお伝えいただければ、診察や治療が受けられます。 なお、緊急の場合は指定医療機関以外でも受診できます。

感染症の防止

感染症の流行を防ぎましょう

避難所での集団生活では、感染性胃腸炎や風邪、インフルエンザなどの感染症が流行しやすくなります。避難所で生活するみなさんはもちろん、支援者の方も、こまめに手洗いを行うよう心がけてください。可能であれば、手指消毒薬(擦り込み式エタノール剤)やウェットティッシュを使用してください。

発熱・せきなどの症状がある方は、避難所内に風邪・インフルエンザを流行させないために、軽い症状であっても、マスクを着用しましょう。下痢や嘔吐(おうと)などの症状がある方は、脱水にならないよう水分補給を心がけましょう。

これらの症状の自覚がある方は、できるだけ速やかに医師の診察を受けてください。 避難所の責任者は、感染している方や感染が疑われる方が、他の人とは離れた場所で療養することができないか検討してもよいでしょう。また、まわりの方もお互いに注意して、こうした症状に気づいた際には避難所のスタッフや救護班、保健師などに知らせてください。

また、これからの季節は、日中の気温が上昇していきますので、食品の衛生や取り扱いにも十分配慮するようにしてください。

感染症が疑われる症状

症状 疑われる病名
突然の高熱(38℃以上)、さむけ(悪寒)、筋肉痛 インフルエンザ など
黄褐色の痰、発熱 肺炎 など
吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛 感染性胃腸炎、食中毒 など
頻尿、排尿時の痛み、腰の痛み、発熱 ぼうこう炎、腎盂(う)腎炎 など
2週間以上続くせき、血の混じった痰 肺結核など

インフルエンザの対処法

3 8 ℃以上の急な発熱があり、せきやのどの痛み、全身のだるさがある場合は、インフルエンザに感染した疑いがあります。早めに医師の診察を受けましょう。 とくに高齢者や子ども、妊娠中の方、慢性閉塞性肺疾患(C O P D )、ぜんそく、心臓病、糖尿病といった持病のある方は注意が必要です。

インフルエンザは、感染した人のせきの飛沫からや、ウイルスを含んだ飛沫が付いたドアノブ、スイッチなどに触れるといったことなどで感染します。手洗いやうがい、手の消毒などによる、感染の予防が大事です。栄養と睡眠をできるだけとっ て、抵抗力を高めておくことも効果があります。また、あらかじめ予防接種をうっていると重症化しにくいなどの効果があります。

感染性胃腸炎の対処法

感染性胃腸炎の原因の多くは、ノロウイルスによる感染症です。手指や食品などから口に入り、小腸でウイルスが増えて、吐き気や下痢、腹痛などを起こします。
ノロウイルスへのワクチンや治療薬はなく、感染した場合には症状に対して治療をします。健康な人は軽症で回復しますが、高齢者や子どもは重症化したり、吐いたものを気道に詰まらせて亡くなることもあります。
患者の便や吐いたものには大量のウイルスが排出されるので、二次感染に十分な注意が必要です。まわりの方々と一緒に予防策を徹底して、感染を防ぎましょう。
以下のような対策が有効です。

  1. 食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
  2. 下痢や嘔吐(おうと)などの症状がある方は、食品を直接取り扱う作業は避けましょう。
  3. 胃腸炎患者に接する方は、患者の便や吐いたものを適切に処理し、感染を広げないようにしましょう。汚れた床やおむつ、処理時の手袋やペーパータオルなどの取り扱いにも注意します。

屋外作業時のけがにも注意を

片付けや運搬など、屋外で作業をするときには、けがの防止のため、暑くても必ず長袖、長ズボンを着るようにしてください。可能ならば、軍手や手袋、底の厚い靴や長靴、ヘルメットなどを準備して、効率よりも事故・けがの防止を優先させて作業にあたりましょう。衛生状態が悪い場所でけがをした場合には、そこから破傷風に感染してしまうおそれがあります。土などで汚れた傷を放置せず、医療機関で手当てを受けるようにしてください。また、粉じんを吸い込まないようマスクをしましょう。

破傷風:土などにいる菌が傷口から感染し、3~21日の潜伏期の後に、口が開けにくくなったり、全身のこわばり、けいれんなどが起こる病気です。

しごとの支援について

震災により離職した方へ。
無料で職業訓練、生活費も支給します。

再就職のための技能や知識を身につける必要がある場合、無料で職業訓練が受けられます。さらに、訓練期間中の生活費が支給される制度もあります。 詳しくは、最寄りのハローワークまでお問い合わせください。

申請に必要な確認書類がそろわなくても給付や助成金が受けられます。

勤め先が被災し、休業や離職を余儀なくされた方は、申請に必要な確認書類がそろわなくても雇用保険の「失業給付」が受けられます。同じく事業主が「雇用調整 助成金」を申請する場合も、必要な書類がそろわなくても手続きができます。

ハローワークでは、被災された方のためにさまざまな求人を用意しています。

ハローワークでは、「社宅・寮付きの求人」や「被災された方を優先的に雇用したい事業主の求人」などを用意しています。転居を伴う遠隔地への就職や、避難先での一時的な仕事についてもご相談に応じます。
求人情報は、ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.go.jp/)でもご覧いただけます。 また、遠隔地の会社に就職する場合には、面接のための交通費(広域求職活動費)や引っ越し代(移転費)が出ます。

難病、アレルギーの方へ

難病に関するご相談に応じています。

難病相談・支援センターでは、難病の患者さんやご家族からの生活上のお悩みや、医療や就労についての相談などに応じています。どうぞご利用ください。

難病相談・支援センター連絡先

□青森県難病相談・支援センター
電話:0172-62-5514(受付時間:月~金 9:00-16:00 祝日を除く)
FAX :0172-62-5514

□岩手県難病相談支援センター
電話:019-614-0711(同:月、火、水、金、土 10:00-16:00、木 14:00~20:00 祝日を除く)
FAX :019-637-7626

□宮城県難病相談 支援センター
電話:022-212-3351(同:月~金 10:00-17:00、毎月第2日曜、第3土曜 11:00-16:00 祝日を除く)
FAX :022-211-1781

□秋田県難病相談・支援センター
電話:018-866-7754(同:月~金 9:30-16:30 祝日を除く)
FAX :018-866-7782

□山形県難病相談支援センター
電話:023-631-6061 (同:月~金 9:00-16:00 祝日を除く)
FAX :023-631-6061

□福島県難病相談支援センター
電話:024-521-7936 (同:月~金 9:00-16:00 祝日を除く)
FAX :024-521-2191

県難病担当課連絡先

「特定疾患医療受給者証」をなくしたり、破損した場合や記載された医療機関で受診できない場合は、直接、下記にお問い合わせください。

□青森県健康福祉部保健衛生課
電話:017-734-9215

□岩手県保健福祉部健康国保課
電話:019-629-5471

□宮城県保健福祉部疾病・感染症対策室
電話:022-211-2636

□秋田県健康福祉部健康推進課
電話:018-860-1111

□山形県健康福祉部保健薬務課
電話:023-630-2334

□福島県保健福祉部健康増進課
電話:024-521-7237

なお、日本難病・疾病団体協議会(JPA)でも、難病・慢性疾患に関する各種情報提供や、患者会の紹介を行っています。

電話: 03-6280-7734(受付時間:月~金 10:00-16:00)
FAX : 03-6280-7735

アレルギーに関するご相談に応じています。

財団法人日本予防医学協会では、アレルギー相談センターを設置し、アレルギー疾患全般に関する相談に応じています。

電話:03-3222-3508(受付時間:月~金 10:00-16:30)
FAX :03-5638-2124

震災で両親を亡くしたお子さんへ

両親が死亡・行方不明のお子さんについて

震災で両親を亡くしたお子さんが、家庭的な環境で育つことができるよう、さまざまな経済的支援制度を用意しています。以下は、ご親族の方が育てる場合の支援制度 です。その他のケースも含め、詳細は各申請窓口にお問い合わせください。

両親ともいなくなった子どもを、親族が育てる場合の経済的支援一覧

支給対象 申請窓口 支給額
年金 遺族基礎年金 国民年金や厚生年金の加入者などが死亡した場合、子どもに支給(18歳になる年の年度末まで) 年金事務所 月額65,741円
遺族厚生年金 厚生年金の加入者などが死亡した場合、子どもに支給(18歳になる年の年度末まで) 加入期間や給料に応じて
※亡くなった加入者が、一定期間保険料を納付している必要がある
労災(遺族補償年金など) 仕事中や通勤中に地震や津波が原因で従業員が死亡した場合、子どもに支給(18 歳になる年の年度末まで)※正社員だけでなく、契約社員やパートの人なども対象 都道府県労働局または労働基準監督署 在職時の給料に応じて
児童扶養手当 両親が死亡・行方不明の場合、その子どもを育てる人に支給(子どもが 18歳になる年の年度末まで)※ただし、子どもや養育者が労災や年金を受給 する場合、子どもが里親に委託される場合は不支給 市町村 月額41,550円(所得制限あり)
子ども手当 子どもを育てる人に支給(15歳になる年の年度末まで) 市町村 月額13,000円
里親 親族 里親 両親が死亡・行方不明などで、その子どもを3親等以内の親族が育てる場合、その親族に支給(原則18歳の誕生日まで、20歳まで延長可) 県などの児童相談所 食費や洋服代として月額47,680円(ほかに、学用品代などの教育費を支給)
養育 里親 同じく、4親等以上の親族が育てる場合 上記に加え、月額72,000円の里親手当を支給

養育や生活に関するご相談ダイヤルはこちらをご覧ください。

配慮が必要な方へ

障害のある方と保護者の方、支援する方のご相談に応じます。

知的障害や発達障害、障害のあるお子さんをお持ちの保護者の方からのご相談に応じます。これまで利用していた障害福祉サービスなどについてもお問い合わせください。

知的障害・発達障害のある方に関して(お子さん含む)

障害児・知的障害・発達障害者関係団体災害対策連絡協議会
現地対策本部へ

(受付時間8:00-20:00)

□岩手県 電話:090-5351-3780
□宮城県 電話:090-2909-4066 / 090-2909-3965
□福島県 電話:080-1859-3844

障害福祉サービスなどの利用に関して

県庁、市役所の福祉部局へ

□岩手県:保健福祉部障がい保健福祉課
電話:019-629-5447

□宮城県:保健福祉部障害福祉課
電話:022-211-2539

□福島県:保健福祉部障がい福祉課
電話:024-521-7170

□仙台市:健康福祉局障害企画課
電話:022-214-8163
健康福祉局障害者支援課(自立支援医療)
電話:022-214-6135

【厚生労働省】

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
電話:03-3595-2528

精神・障害保健課(自立支援医療)  電話:03-3595-2307

子どもの養育や生活に関するご相談はこちらへ

「児童相談所全国共通ダイヤル」0570-064-000(※)、または、最寄りの児童相談所へ、お気軽にご相談ください。
また、お近くの児童相談所へは、厚生労働省携帯版ホームページで確認し、 直接電話することができます。
http://mobile.mhlw.go.jp/jidousoudan/index.html

(※)宮城県東部児童相談所は、移転のため0225-95-1121にお電話ください

お知らせ(障害者福祉)

障害のある方で受給者証をなくしてしまった場合も、これまでどおり事業者からサービスを受けることや、医療機関での受診、薬局で薬の受け取りができます。「名前」「生年月日」「避難前の居住地」をお伝えください。別の事業者からも同じサービスなどが受けられます。他の市町村に避難された方も同様です。