平成19年度 DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業
シンポジウム DAISYを中心としたディスレクシアへの教育的支援 報告書
講師プロフィール
(講演1)
神山忠(こうやま ただし)
岐阜県立関特別支援学校 教諭
高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。
勤務しながら夜間の短大に通い、教員免許(中学技術)を取得する。
中学校の教員となり、通常学級を6年、特殊学級(情緒障害3年 知的障害2年)計5年受け持つ。
その後、岐阜養護学校に異動し7年勤務する。
今年の4月から岐阜県立関特別支援学校(小学部)に勤務している。
平成15年に読字障害があることをカミングアウトしたことを機に、 特別支援教育の実現に向けて、特殊教育学会、LD学会などで講演を行っている。
(講演2)
品川裕香(しながわ ゆか)
ノンフィクションライター・編集者
出版社に12年間勤務したのちに独立。
子どもと若者を巡る諸問題をテーマに取材執筆を行っている。
国際ディスレクシア協会会員、発達性ディスレクシア研究会理事、教育再生会議委員など。
初めて読む人にもわかりやすくディスレクシアを知ってもらうために、 小冊子『キミはキミのままでいい』を書き下ろし、NPO法人EDGEより発行。
同冊子はNPO法人奈良デイジーの会がマルチメディアDAISY化している。
著書に『怠けてなんかない!ディスレクシア ~読む書く記憶するのが困難なLD の子どもたち』(岩崎書店 2003年)、 『心からのごめんなさいへ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』 (中央法規出版 2005年)、 『輝きMAX! すべての子どもが伸びる特別支援教育 LD・ADHD・アスペルガー症候群からいじめ・不登校・非行まで』(金子書房 2007年) 訳書に『ディスレクシアなんか怖くない! 家庭でできる読み書きLD解決法』 (エクスナレッジ 2004年)ほか多数。
(講演3)
藤堂栄子(とうどう えいこ)
NPO法人EDGE 会長
1999年からディスレクシアに興味をもち、2000年ディスレクシアの啓発とサポートを目的にNPO法人EDGEを設立する。
EDGE設立のきっかけは、日本で居心地の悪い思いをしているディスレクシアの人のためにできることをしてほしいと いう息子の言葉。
2005年9月に東京都港区と協働で個別支援室を立ち上げ、相談、学習支援員の育成派遣などを行っている。
国際ディスレクシア協会(IDA)会員、DITT(Dyslexia International Tools and Texhnologies)海外顧問、 BDA(British Dyslexia Association)会員、LD学会会員、JDDnet理事、港区個別支援室室長など。
訳書に『ディスレクシアってなあに?』(明石書店 2006年)がある。
濱田滋子(はまだ しげこ)
NPO法人奈良デイジーの会 代表
2003年、マルチメディアデイジー体験会に参加し、その有用性に確信を持つ。
2003年5月マルチメディアデイジー製作研修会を受講。
受講者で奈良デイジーの会を結成。ディスレクシアなどの読みに困難をもつ人にマルチメディアデイジー図書を製作・提供する 活動を始める。
2006年5月より会代表。教科書のマルチメディアデイジー化を活動の中心に、読みに困難のある子どもの読書環境作りに努めている。
(パネルディスカッション)
寺島彰(てらしま あきら)
浦和大学総合福祉学部 学部長・教授
大学で障害児教育を学び、視覚障害者更生施設のソーシャルワーカーとして16年間勤務。その後、厚生省(現厚生労働省)障害福祉専門 官、国立身体障害者リハビリテーションセンター国際協力専門官、同センター研究所障害福祉研究部社会適応システム開発室長、同研究部長 を経て現職。
研究テーマは、障害者福祉政策と福祉機器を活用したソーシャルワーク。
ソーシャルワーカー時代から福祉機器を活用してソーシャルワークを実践してきており、必要に応じて、自ら福祉機器の開発も行った。
継続して障害のある人々の福祉機器活用を支援するボランティアを行ってきており、(財)日本障害者リハビリテーション協会が実施 するパソコンボランティア指導者養成事業の講師を務めている。
河村宏(かわむら ひろし)
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 特別研究員
1970年から1997年まで東京大学総合図書館に勤務。
(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長を経て、2003年7月から2007年3月まで国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 障害福祉研究部長。現在は特別研究員。
DAISY コンソーシアム会長、DAISY for All Projectマネージャー、WAI/W3C常任委員、世界盲人連合国連委員会委員、 JICAアジア太平洋障害者センター支援委員、障害者放送協議会委員。
すべての人が共有する知識と情報のデザインを追及し、情報アクセス権と著作権の調和を目指した活動に取り組む。
また、ソーシャルインクルージョンの立場に立ち、障害者・高齢者の災害への事前の備えへの情報支援と国際協力に力を注いでいる。
中村芬(なかむら かおり)
NPOデジタル編集協議会ひなぎく 事務局長
NPOデジタル編集協議会ひなぎくで、音声指導・DAISY編集を行い、視覚障害者・発達障害児など個人の図書・教科書や行政・公共図書館の広報や 図書の変換事業と普及活動を行っている。
井上芳郎(いのうえ よしろう)
全国LD親の会 事務局員
1989年東京のLD(学習障害)親の会「けやき」に入会以来、同親の会の広報担当。
全国各地の約50の会が参加する「全国LD親の会」事務局員として、文部科学省、厚生労働省、東京都などの国や地方の行政に対しての要請活動や 日本LD学会をはじめとする学術団体等の協力を得て、広く社会一般へのLDに関する理解・啓発活動等に従事。
最近はLD等の人たちの情報保障問題や著作権法との関係、情報技術(IT)を活用した教育支援に関しても取り組んでいる。
日本LD学会広報委員会委員、障害者放送協議会著作権委員会委員長、文部科学省特別支援教育推進体制モデル事業推進委員会委員など。
山内薫(やまうち かおる)
墨田区立あずま図書館
1969年より東京都墨田区立あずま図書館に勤務。
寺島図書館、緑図書館を経て、再びあずま図書館。
この間、子どもへのサービス、図書館利用に障害のある人へのサービスを担当。
拡大写本サービスを早くから手がけ、最近は高齢者や知的障害者へのサービスに取り組んでいる。
著書に『あなたにもできる拡大写本入門-広げよう大きな字』(大活字 1998)、『本と人をつなぐ図書館員 ─障害のある人、赤ちゃんから高齢者まで』 (読書工房 2008)、共著に『障害者サービス 補訂版』(日本図書館協会 2003)などがある。
1985年から日本図書館協会障害者サービス委員会委員を務める。
南雲明彦(なぐも あきひこ)
アットマーク国際高等学校
約1年半前にNPO法人EDGEと出逢い、LD(学習障害)だとわかる。
それまでは発達障害のことを知らなかったため、高校を4つ変え、家に引きこもった時期も2年間あった。
必死で自分と対峙し、読み書きができなくても学ぶ道を模索し続けた日々の経験を基に、講演やコラムの執筆を行っている。
「発達障害児、特別支援教育への支援―NPOなど民間だからできること―」(日本発達障害ネットワーク第2回年次大会)、 「気づきから支援へ」(埼玉新聞 第1回から第4回までコラム掲載)、『ハートをつなごう 発達障害第6弾「大人の発達障害」』(NHK)など。