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DAISYの活用事例を中心にして(第12回LD学会自主シンポジウム)

DAISY(Digital Accessible Information System)の活用事例を中心にして

堀田 広子
NPO法人 EDGE

こんにちは。NPO エッジ会員の堀田広子と申します。よろしくお願いいたします。

私はLD の中心であります、読み書きに困難を持ったディスレクシア児がDAISY に出会って本が読めるようになり、自分自身で前向きに進んでいけるようになったことについて発表することになって、DAISY 仕様で自分のことを一部作成しています。ちょっと勉強中なのでうまくいくかどうかわかりませんが、見ていただけたらなと思います。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」
を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」を再生している画像

(再生されている音)
ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISYによる
効果- 堀田広子NPO エッジ会員。
1.ディスレクシア児・者の辛さ
(1)本人が気づいていない。
(2)周りからはわからない。
(3)義務教育の平等???不平等!!!
(4)傷つく言葉。
(5)相談場所がない。)
(再生一時停止)

本を読むこと、字を書くことに困難のある辛さは、本人でさえわからない。他の人からは見えないという困難さがあります。見えないことに対して日本の学校の教育はとても厳しいことがあります。皆一緒であるべき。それは、授業の受け方とかテストのやり方です。困難を持つ子はその時間はどうしているのでしょうか。子どもはじっとガマン。忍の状態で時間がすぎるのを待ちます。とても辛いと思いませんか。

困難さが外から見えないために、理解どころか傷つく言葉を心ない人から浴びせられて、心を深くえぐられ、心身ともに傷ついてしまいます。とても辛いことだと思います。それについて、どうしていったらいいかと、いろいろ考えた中で、放っておくということもできませんので、いろいろ調べていくうちに出会ったのがこのDAISY です。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」
を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

DAISY
(再生されている音)
2.ディスレクシア児の読みの味方DAISY
(1)読みの困難を経験する道具。
(2)字が大きく見やすい。
(3)読んでいるところが黄色く反転(ハイライト表示)
(4)漢字の読みが正確に入る。
(5)子どもの好きなPC での学習方法。
(6)周りの目を気にせず自由に学習ができる。
(7)本が、だんだん読めるようになったこと。(読む楽しみを知る。) 気づいた喜び。)
(再生一時停止)

本を読む困難さがあるディスレクシア児にとって、文字からの情報が入らなければ、それに代わる方法で情報を入れることができれば何も問題がないと思います。その方法の一つがDAISY の活用です。DAISY は本を読む困難さを軽減してくれる道具です。そして何よりも、生き生きとした学校生活を送れるようになるのです。DAISY によって学校生活がどのように関係するかと不思議に思われると思いますが、いままで一日中理解できない授業だったのが、DAISY を使うことで少しずつ授業に参加していくことができます。わからない内容がいつも頭の上を通りすぎる状態から、DAISY によって耳からの情報を入れることによって、「あ、これはなにか聞いたことがあるな」、「あ、これはわかるわかる」という感覚を身につけさせることで、いろいろな場面で良い影響が現れると思います。

そして何よりもよかったことは、本を見ること、文字を見ることに対して拒否反応を起こしていた子どもが、DAISY を使ったことで本がだんだん読めるようになったことです。今、映っているハリーポッターの本なんですけれども、これは全部読めるようになりました。そしてこの本を教科書よりも大切にしていることです。このことに対して、本を読めることになって、自分自身、「あ、読めるようになったんだ」という気持ちに気づくようになりました。これが子どものセルフエスティームを高める第一歩ではないかなと思います。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」
を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

DAISY
(再生されている音)
3.ディスレクシアへのサポート
(1) 早く見つける事
(2)正確な情報の発信
(3)必要な時期に必要な支援
(4)DAISYの活用。)
(再生一時停止)

他の部分で発見できた子どもたちは一時的なサポートはされていますが、しかし担任の先生が替わるたびにお願いに行き、理解してしてくれる先生だったらいいのですが、それも限界があります。しかし、発見できなかった子ども、気づかない親の子供はどうしたらいいのでしょうか。ディスレクシアの子どもにとって一番辛い時期は小学校の高学年から中学校の3年間だと思います。それまでに子どもが傷つかないよう、国や都道府県、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学が連携をしてサポートしていただかなければ、何十年たっても傷つく子どもたちが減ることなく、反対に増えると思います。

年齢が上がるにつれて、周りとのギャップで自分自身に嫌気がさし、深刻な問題が、これからもなお引き起こされると思います。そうならないための支援がこのDAISY の活用だと思います。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

(再生されている音)
4.ディスレクシアの力
 (1)自分自身で将来を開拓。)
(再生一時停止)

自分自身に必要なサポート道具を持つことで、自分自身で将来を考え、そして開拓していき、力を発揮することができると思います。そして私は、その「できる力」を秘めていると思っています。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

DAISY
(再生されている音)
5.困っている人へ、支援されている方へ
( 1 ) 具体的なサポートD A I S Y 。
( 2 ) 迷わずにDAISY!!)
(再生一時停止)

すみません、なんかコマーシャルみたいになってしまうんですけど。いま、自分のお子さんとか学校の先生方、生徒さんが読み書きで困ってるなと思われる方は、ぜひDAISY をお勧めいたします。

ディスレクシアにとって、他の人から分らない、本人自身もよく理解できないこの困難さは、大人の力を必要としています。そのためにも、まずは、何も言わずにDAISY を使ってみるといいと思います。

- 堀田氏制作 DAISY 録音「ディスレクシアに本当に必要な支援-DAISY による効果」を再生-(音とテキストと絵がシンクロしている)

6.未来へ
(1) 国から具体案。(例 DAISY 活用、道具など)を!!" すばらしい人材を埋もれさせないで。)
(再生終了)

未来のあるディスレクシア児に対して、早急にサポート体制を、国を挙げて取り組んでいただきたいと思います。それで、二つの提案を言いたいと思います。

今の小学校、中学校は義務教育なので、そこでいただいている教科書のDAISY化。そしてもう一つは、学校のテストのDAISY 化です。教科書のDAISY 化は、全生徒が学校の図書室、各教室などで借りて授業で使えること。そして家庭の予習、復習にはDAISY の配布の義務づけを提案いたします。教科書のDAISY 化については、いますぐにでも実行していただけると思います。必要なサポートを、必要な時期に。特殊支援教育の一つだと思います。

ありがとうございました。