音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

盲ろう者のパソコンとネットワーク利用に関する研修会

技術研修 貸与機器の機能紹介と利用法の実際 <参考資料>
3-2) ALVAサテライト544について

1 はじめに

 ALVAサテライト544は、パソコンのスクリーンに表示されるテキストやグラフィックス、その他の情報を点字にして表示します。スクリーン・リーダーとの組み合わせで、ウィンドウズ98やウィンドウズNT等のOSでも視覚障害者用インターフェースとして利用可能です。また、GUI環境での利用を前提として設計されていますので、スクリーン・リーダーの機能によっては、大きく可能性が広がります。ALVAサテライト544も、他のALVA製品と同じく、オープン・スタンダードのコンセプトの元で開発されてきておりますので、ほとんどのOSやスクリーン・リーダーと組み合わせることが可能です。GUIの環境だけではなく、テキストベースのMS-DOSでも利用できます。
 日本語環境では、今までのABT3シリーズ・ABT4シリーズに対応していたソフトウェアがそのままご利用いただけます。また、outSPOKEN Ensembleのようなウィンドウズ用のスクリーン・リーダーを利用することで、本機の機能がフルに発揮され、GUI環境でスムーズに作業ができるようになります。

1-1 このマニュアルについて

 このマニュアルは、すぐにALVAサテライト544をご利用いただけるように、できるだけ短くコンパクトに説明をしています。また、しばらくお使いいただいた後に、リファレンスとしてもご利用いただけます。
 第1章には、本機の簡単な紹介とパッケージの説明が書かれています。
 第2章には、各部の名称等の説明が書かれています。
 第3章には、インストールの仕方が書かれています。
 第4章には、設定方法が説明されています。
 第5章には、電源や充電池について書かれています。
本機についてのご質問は、購入元までお願いいたします。

1-2 パッケージの内容

 ALVAサテライト544は、通常2つの箱を1つのパッケージにしてお手元に 届きます。それぞれの箱の内容物は以下の通りです。

  • 箱2:
    ALVAサテライト544本体
  • 箱3:
    電源コード
  • パソコンとの接続用長短2本のシリアル・ケーブル
  • パソコンとの接続用長短2本のUSB・ケーブル
  • ALVA Satellite Driverディスク
  • 墨字版英語マニュアル
  • 点字版英語マニュアル
  • 墨字版日本語マニュアル
  • ノート・パソコンをALVAサテライト544の上部にとりつけるためのマジック・テープ
  • デスクトップ・パソコンのキーボード用の2本の支え
  • 充電型乾電池(ニッケル-メタル) 10本

パッケージの内容物が足りない場合は、購入元にご連絡ください。

2 各部の説明

2-1 上部と全面パネル

ALVAサテライト544には、上部の手前側に44マスの点字表示部があります。点字表示部の奥にはノート・パソコンやデスクトップ・パソコンのキーボードを置くための平らなスペースがあります。また、点字表示部のすぐ奥には、タッチ・カーソルと呼ばれる2段になったボタンの列があります。点字表示部のそれぞれのマスは、この2段のタッチ・カーソルと連動しています。
 点字表示部のすぐ手前の左右には、6つずつのキーがあります。これらのキーはサテライト・キーパッドといいます。左右それぞれのサテライト・キーパッドは内側に円を描くように4つのキーがあり、その両脇に大きめのキーが1つずつあります。
 前面には6つのキーがあります。左右の2つは丸いキーで、その間に四角いキーが4つあります。

2-2 後部

 ALVAサテライト544の後部には電源スイッチ、パソコンや他の機器との接続コネクタ、電源コードの差し込み口等があります。本体の上部が、やや後ろにせり出ているため、上から見ると後部のスイッチやコネクタはケース全体に覆われています。ケースがせり出ている部分の裏面には接続方法がわかるように触知できるサインがあります。
 スイッチやコネクタは、本体の正面から見て、左から右にかけて次のように列んでいます。触知できるサインとともに確認してください。 左から

  • 電源コードの差し込み口:うねった横線C
  • パソコン接続用USBポート(四角いコネクタ):内向きの矢印
  • 他のUSB機器との接続用USBポート2個(長方形):外向きの矢印
  • 9ピンのRS232Cシリアル・ポート:縦棒に挟まれた2つの円
  • 電源スイッチ:円とその中心から突き出た縦棒

 電源スイッチは左に倒れているとオフになります。また、触知できるサインは、スイッチをオンにした側にあります。

2-3 前面キー、サテライト・キーパッド、タッチ・カーソル

 ここでは、前面キーとサテライト・キーパッドのそれぞれのキーの標準的な名前を紹介します。ただし、スクリーン・リーダーによって、キーの使い方が異なりますので、詳しくは各スクリーン・リーダーのマニュアルをご参照ください。

2-3-1 前面キー

 前面キーは、左から右の順で、次のように列んでいます。
左から

  • HOME(ホーム):左端の丸いキー
  • LEFT(レフト):左側が湾曲している長方形のキー
  • UP(アップ):上部に横線のサインのある長方形のキー
  • DOWN(ダウン):下部に横線のサインのある長方形のキー
  • RIGHT(ライト):右側が湾曲している長方形のキー
  • CURSOR(カーソル):右端の丸いキー

2-3-2 ウィンドウズ・サテライト・キーパッド

 点字表示部の手前の左右にあるサテライト・キーパッドのうち、どちらか一方はウィンドウズのコマンドのために使用することができます。初期設定では右側のキーパッドが使えるようになっています。キーの名前は次の通りです。

  • BACK TAB(バック・タブ):左側の外側にある半円のキー
  • FORWARD TAB(フォワード・タブ):右側の外側にある半円のキー
  • LEFT PAD(レフト・パッド):左側の内側のキー
  • UP PAD(アップ・パッド):内側の上側のキー
  • DOWN PAD(ダウン・パッド):内側の下側のキー
  • RIGHT PAD(ライト・パッド):内側の右側のキー

2-3-3 スクリーン・リーダー・サテライト・キーパッド

 もう一つのキーパッドは、スクリーン・リーダーの機能でその役割を定義することができます。例えば、音声関係の付加的な機能、点字表示のための拡張機能、ユーザーが定義できるマクロやスクリプトとの切り替え等が考えられます。スクリーン・リーダー・サテライト・キーパッドの使い方は、各ソフトウェアによって異なりますので、ご利用のスクリーン・リーダーのマニュアルをご参照ください。初期設定では左側のキーパッドが使えるようになっています。キーの名前は次の通りです。

  • BACK EAR(バック・イヤー):左側の外側にある半円のキー
  • FORWARD EAR(フォワード イヤー):右側の外側にある半円のキー
  • WEST PAD(ウェスト・パッド):左側の内側のキー
  • NORTH PAD(ノース パッド):内側の上側のキー
  • SOUTH PAD(サウス・パッド):内側の下側のキー
  • EAST PAD(イースト・パッド):内側の右側のキー

2-3-4 2段のタッチ・カーソル

 2段のタッチ・カーソルはその手前にある点字表示部と連動しています。これらのタッチ・カーソルは、点字ディスプレイが表示している部分にカーソルをワンタッチで移動させたり、マウスのクリックとして使用したり、より詳しい情報を得るために利用します。点字表示部に近い方をタッチ・カーソル、遠い方をダブルタッチ・カーソルと呼んでいます。

3 インストール

3-1 USB接続

 現状では、USBポートはウィンドウズ98のみで使用可能です。MS-DOSやウィンドウズ95、ウィンドウズNT等他のOSを使われる場合はシリアル接続でご利用ください。

3-1-1 ウィンドウズ用USBドライバーの組み込み

 ウィンドウズ98で、USBポートを利用してALVAサテライト544を接続するには、USBのドライバをインストールする必要があります。初めてパソコンとサテライトをUSBケーブルで接続すると、新しいハードウェア追加のウィザードが現れます。USBドライバをインストールするために、ウィザードはいくつかのダイアログを表示します。このウィザードはサテライトが初めてパソコンに接続された時しか表示されません。その後はウィンドウズ98がインストールされているドライバを自動的に使用します。
 USBドライバのインストールは、次の手順で行ってください。
 ウィンドウズ98が立ち上がるまでは、サテライトのUSBケーブルをパソコンに接続しないようにしてください。
 ウィンドウズ98用のスクリーン・リーダーがインストールされていれば、「新しいハードウェアの追加」のウィザードのダイアログを確認しながら、インストールしてください。もし、ウィンドウズ98用のスクリーン・リーダーがインストールされていなければ、次の説明をご利用ください。

 サテライトの内向きのUSBポート(コネクタに向かって矢印のあるサインがあります)にUSBケーブルを接続してください。また、パソコンにもその先を接続してください。ケーブルは同梱されている標準的なUSBケーブルをお使いください。
 ウィンドウズが、USBに接続されている新しいハードウェアを検出します。「新しいハードウェアの追加」のウィザードのダイアログが現れ、「GENERIC USB HUB用の新しいドライバを検索します。」というメッセージが表示されます。
 ドライバとは、ハードウェアがそれぞれのソフトウェアと作動するために必要なプログラムのことです。エンター・キーを押して続行します。(この時、あるいは、この後のどのダイアログにおいても、エスケープキーを押すとインストールを中止することができます。その場合、ドライバーはインストールされず、「新しいハードウェアの追加」のダイアログが、次回サテライトをパソコンに接続した時にも現れます。)
 次のダイアログでは、パソコンに適当なドライバを選んでもらうようにエンター・キーを押します。他の選択肢は手動でドライバを選ぶことになりますので、選択しないでください。
 新しいダイアログが現れ、ドライバのあるドライブを尋ねてきます。初期値のフロッピードライブを選び、"THE ALVA SATELLITE DRIVER DISK"をドライブに入れ、エンター・キーを押します。
 新しいハードウェアのためのドライバを探しているというようなメッセージが現れます。フロッピードライブの反応が止まるまでお待ちください。
 次のダイアログでは、ALVA SATELLITE USB DRIVERが見つかったということと、そのドライバをインストールするかどうかということが質問されます。インストールをするのであればエンター・キーを押してください。
 フロッピーディスクからハードディスクにUSBのドライバがコピーされます。フロッピードライブの反応が終わるまでお待ちください。しばらくするとインストールが完了します。このようなドライバのインストールは、原則として、1度行えば、後は必要がありません。しかし、ウィンドウズを再インストールした場合は、同じことを繰り返す必要があります。
 ウィンドウズを立ち上げなおすと、サテライトを検出できた場合は音が鳴り、USBの接続が有効であることが確認できます。

3-2 シリアル接続

3-2-1 シリアル・ポート

 MS-DOSやウィンドウズ95、ウィンドウズNT等、USBをサポートしていないOSを利用する場合には、シリアル接続をご利用ください。USBポートに接続がされていない場合は自動的にシリアル接続が有効になります。

3-2-2 シリアル・ケーブル

 ケーブルは、ALVAサテライト544に同梱されている2本のシリアル・ケーブルの内のどちらかをご利用ください。ケーブルを使って、サテライトの9ピンのシリアル・ポート(縦棒に挟まれた2つの円のサインで示されています。)とパソコンのシリアル・ポートを接続してください。

3-2-3 ALVAサテライト544のシリアル・ドライバ

 ALVAサテライト544のシリアル・ドライバは他のALVA点字ディスプレイと同じです。したがってABT3シリーズ、ABT4シリーズでお使いのスクリーン・リーダーと同様に設定することができます。お持ちのスクリーン・リーダーのマニュアルを参考にして、インストールして下さい。

3-3 USB接続とシリアル接続の切り替え

 ALVAサテライト544は、パソコンのUSBポートに接続されているか、シリアル・ポートに接続されているかを自動的に検出します。また、USBとシリアルの両方のポートを使って2つのパソコンに接続することもできます。この場合、USBポートがメインの接続となります。
 また、ALVAサテライト544のローカル・モードでどちらをメインにするかを決めることもできます。その場合は、次の3つのキーを押します。バック・イヤー、サウス・イヤー、フォワード・イヤーです。点字ディスプレイには「USB」、「SER」に続いていくつかの選択肢が表示されます。メインにしたい接続を選択するために、「USB」か「SER」のどちらかの上部にあるタッチ・カーソルを押してください。この設定を有効にするには、電源を入れ直す必要があります。ローカルモードを終了するには前面のカーソルキー(一番に右にあるキー)を押します。

4 ローカル・モード・メニュー

 ALVAサテライト544の電源を入れると、次のようなメッセージが点字表示部に表示されます。
 「ALVA Satellite OK, Waiting for connection,,,」
 このメッセージは、スクリーン・リーダーが組み込まれ、パソコンとサテライトが正しく接続されれば、表示されなくなります。

4-1 ローカル・モード・メニューに入るには

 ALVAサテライト544は、ローカル・モード・メニューを使って、本体に内蔵されている各種の設定を変更することができます。ローカル・モード・メニューに入るには、点字表示部の手前にある左右それぞれ6つのキーのうち 、どちらか一方の外側の2つと下の1つの3つのキーを同時に押します。  ローカル・モードに入るとビープ音がし、メイン・メニューが点字表示部に表示されます。
<USB・SER・STATUS・CONFIG・SAVE・LOAD・TEST>
 このメイン・メニューの選択肢の上部にあるタッチカーソルを押すことで、それぞれのサブ・メニューが現れます。前面の一番左にあるホーム・キーを押すと、1つ前の階層に戻ることができます。また、前面の一番右にあるカーソル・キーを押すとローカル・モード・メニューを終了することができます。

4-2 メイン・メニュー

 <USB・SER・STATUS・CONFIG・SAVE・LOAD・TEST>
 メイン・メニューには7つの選択肢があります。

  • USB:
    パソコンとの接続をUSBポートにしなければならない時に手動で設定をします。
  • SER:
    パソコンとの接続をシリアルポートにしなければならない時に手動で設定をします。
  • STATUS:
    現在の設定を表示します。接続状況(CONNECTION)、 電池の情報(BATTERY INFOMATION)、シリアル・ナンバー(SERIAL NUMBER)とファームウェア(FIRMWARE)の日付等のサブ・メニューがあります。
  • CONFIG:
    設定の変更のためのサブ・メニューがあります。
  • SAVE:
    設定を保存するためのサブ・メニューがあります。
  • LOAD:
    ある設定を呼び出したり、初期設定に戻すためのサブ・メニューがあります。
  • TEST:
    ALVAサテライト544の動作確認をするためのテストモードに入ります。

4-3 ステイタス・メニュー(STATUS MENU)

 ステイタス・メニューでは、現在の設定状況を知ることができます。このメニューには次のサブ・メニューがあります。
<COMM・ BATTERY・SERNUM・SETTINGS>

  • COMM:
    他の装置との接続状況を知らせます。"USB MODE=PC"とあれば、USBをメインとしてパソコンと接続できるという意味です。
    "SER MODE=PC"とあれば、シリアル・ポートをメインとしてパソコンと接続できるという意味です。
  • BATTERY:
    電池のボルト数が表示されます。ただし、電池は気温等、いくつかの要素の影響を受けますので、表示されている数字は、あくまでも推定値です。
  • SERNUM:
    本体のシリアル・ナンバーとファームウェアのバージョンが表示されます。ファームウェアは本体の内部にあるプログラムで、ALVAサテライト544の機能はこのプログラムによって制御されています。新しい機能が必要になる場合には、ファームウェアを入れ替えることになります。
  • SETTING:
    現在の設定を確認することができます。前面にあるアップキーとダウンキーを使うことで表示内容をスクロールして順に確認できます。設定内容を変更したい時には"CONFIG"のメニューを利用しなければなりません。このメニューのサブ・メニューには次のものがあります。
  • LOADED SET=XXXX:
    現在の設定がSET1~SET7のどの設定になっているかが表示されます。
  • VOLUME=XX:
    内蔵スピーカーの音量を1~31の間で変更することができます。0は無音の状態で、31は音量が最大になります。
  • SLEEP MODE=XXX:
    1秒~255秒の間でスリープ状態になるまでの時間を設定します。最後に動作した時から何秒後にスリープ・モードになるかを数字で表しています。0の場合はスリープ・モードには入りません。
  • DOT PRESURE=X:
    点字ディスプレイの点の圧力を設定します。1は最小で、5は最大です。
  • ・STATUS CELLS=XXXXX:
    スクリーン・リーダーで利用するためのステイタス表示用の3マスの位置を設定します。LEFT(左)、RIGHT(右)、NONE(なし)から選択することができます。LEFTかRIGHTを選択すると、3マスがステイタス表示用として使われ、1マスがデータ表示部との区切りとして使われます。したがってデータ表示部は40マスとなります。NONEに設定すると、データ表示部は44マスとなります。
  • SWITCH SATELLITE FUNCTIONS=XXX:
    点字表示部の手前の左右にあるウィンドウズ・キーパッドとスクリーン・リーダー・キーパッドの位置を切り替えます。出荷時には、右側がウィンドウズ・キーパッドで、左側がスクリーン・リーダー・キーパッドになっています。"YES"を選択すると左右のキーパッドの機能が入れ替わります。どちらか使い易い方をお選びください。
  • FRONT PANEL=XXXXXXXXX:

前面キーの組み合わせを変更することができます。選択肢は4つあります。

  1. LEFT UP DOWN RIGHT:出荷時の設定
  2. UP LEFT RIGHT DOWN
  3. LEFT UP DOWN RIGHT PROG
  4. UP LEFT RIGHT DOWN PROG
    (この時、バック・イヤー・キーが"PROG"キーになります。"PROG"キーはABT3シリーズとABT4シリーズのDOS環境で、ALVAの供給している英語専用のスクリーン・リーダーをエミュレートするために必要になります。)
  5. INTERNAL BRAILLE TABLE=XXXXX:
    ローカル・モード・メニューにおける点字のコードを選択できます。選択肢は4つあります。
    <GERMAN・USA・GERMAN LC・USA LC>
     "LC"は小文字(6点のみ)の表示です。ただし、実際にはメモリーの制限から、メッセージは英語でしか表示されません。また、点字コードの設定を変更しても、数字や句読点の表記が変わる程度です。

4-4 設定(CONFIG)のサブ・メニュー

 設定のサブ・メニューには、ユーザーが定義できる7つの設定項目があります。
<VOL・SLEEP・DOTS・STCELL・SATELLITE・FRONT・TABLE>
 変更したい項目が表示されている部分の上にあるタッチ・カーソルを押すことで、変更が可能になります。設定値は前面のアップ・キーとダウン・キーを利用して選ぶことができます。変更箇所は、現在呼び出されている設定の変更として保存されます。

  • ・VOLUME=XX:
    内蔵スピーカーの音量を1~31の間で変更することができます。0は無音の状態で、31は音量が最大になります。前面のアップ・キーで音量を上げ、ダウン・キーで下げることができます。初期値は15です。
  • SLEEP MODE=XXX:
    1秒~255秒の間でスリープ状態になるまでの時間を設定します。最後に動作した時から何秒後にスリープ・モードになるかを数字で表しています。0の場合はスリープ・モードには入りません。スリープ・モードでは、電力の消費はほとんどありません。初期値は255秒です。
  • DOT PRESURE=X:
    点字ディスプレイの点の圧力を設定します。1は最小で5は最大です。
  • STATUS CELLS=XXXXX:
    スクリーン・リーダーで利用するためのステイタス表示用の3マスの位置を設定します。LEFT(左)、RIGHT(右)、NONE(なし)から選択することができます。LEFTかRIGHTを選択すると、3マスがステイタス表示用として使われ、1マスがデータ表示部との区切りとして使われます。したがってデータ表示部は40マスとなります。NONEに設定すると、データ表示部は44マスとなります。
  • SWITCH SATELLITE FUNCTIONS=XXX:
    点字表示部の手前、左右にあるウィンドウズ・キーパッドとスクリーン・リーダー・キーパッドの位置を切り替えます。出荷時には、右側がウィンドウズ・キーパッドで、左側がスクリーン・リーダー・キーパッドになっています。"YES"を選択すると左右のキーパッドの機能が入れ替わります。どちらか使い易い方をお選びください。
  • FRONT PANEL=XXXXXXXXX:
    前面キーの組み合わせを変更することができます。選択肢は4つあります。
  1. LEFT UP DOWN RIGHT:出荷時の設定
  2. UP LEFT RIGHT DOWN
  3. LEFT UP DOWN RIGHT PROG
  4. UP LEFT RIGHT DOWN PROG
    (この時、バック・イヤー・キーが"PROG"キーになります。"PROG"キーはABT3シリーズとABT4シリーズのDOS環境で、ALVAの供給している英語専用のスクリーン・リーダーをエミュレートするために必要になります。)
  5. INTERNAL BRAILLE TABLE=XXXXX:
    ローカル・モード・メニューにおける点字のコードを選択できます。選択肢は4つあります。

<GERMAN・USA・GERMAN LC・USA LC>
"LC"は小文字(6点のみ)の表示です。ただし、実際にはメモリーの制限から、メッセージは英語でしか表示されません。また、点字コードの設定を変更しても、数字や句読点の表記が変わる程度です。

4-5 保存(SAVE)のサブ・メニュー

 4-4で設定した内容は7種類まで保存することができます。複数人でALVAサテライト544を利用する場合に有効です。"SAVE"には"SET1"~"SET7"までのサブ・メニューがあります。設定を保存したい番号の上のタッチ・カーソルを押すことで、その番号の設定として保存することができます。このメニューで設定の保存をしなくても、ローカル・モードを終了する時、変更内容が、その時利用している設定の変更として保存されます。

4-6 呼び出し(LOAD)のサブ・メニュー

 このメニューでは設定の呼び出しをすることができます。"SAVE"の時と同じように"SET1"~"SET7"の選択肢からタッチカーソルを押すことで1つを選ぶことができます。8つめの選択肢の"DEF"は出荷時の設定です。

4-7 テスト(TEST)のサブ・メニュー

 点字表示部やキーが正しく動作していないようであれば、テスト・モードで確認することができます。それぞれのキーを押すことで、独特のパターンが点字表示部に現れます。

  • タッチ・カーソル:押したタッチカーソルの真下にあるマスの3、6、7、8の点が表示されます。
  • ダブル・タッチ・カーソル:押したダブルタッチカーソルの真下にあるマスの1、2、4、5の点が表示されます。
  • バック・イヤー・キー:すべてのマスの1、4の点が表示されます。
  • ノース・パッド・キー:すべてのマスの1の点が表示されます。
  • イースト・パッド・キー:すべてのマスの2の点が表示されます。
  • サウス・パッド・キー:すべてのマスの3の点が表示されます。
  • ウェスト・パッド・キー:すべてのマスの7の点が表示されます。
  • フォワード・イヤー・キー:すべてのマスの2、5の点が表示されます。
  • バック・タブ・キー:すべてのマスの3、6の点が表示されます。
  • アップ・パッド・キー:すべてのマスの4の点が表示されます。
  • レフト・パッド・キー:すべてのマスの5の点が表示されます。
  • ダウン・パッド・キー:すべてのマスの7の点が表示されます。
  • ライト・パッド・キー:すべてのマスの8の点が表示されます。
  • フォワード・タブ・キー:すべてのマスの7、8の点が表示されます。
  • 前面キーのレフト・キー:すべてのマスの1、2、3、7の点が表示されます。
  • 前面キーのアップ・キー:すべてのマスの4、5、6、8の点が表示されます。
  • 前面キーのダウン・キー:すべてのマスのすべての点が表示されます。
  • 前面キーのライト・キー:テスト・モードの中で押されたタッチ・カーソルとダブル・タッチ・カーソルに連動するすべての点が表示されます。

5 電源アダプタと充電池

5-1 電源供給

 ALVAサテライト544は、110ボルトと240ボルトを自動的に認識します。また、付属の電源コードを使ってコンセントにつなぐと充電池への充電を開始します。完全に充電するための時間は3、4時間ですが、点字ディスプレイを使用していたり、他のUSB機器に電源を供給している場合には長くかかります。

5-2 充電池を使っての使用

 本機は、付属の単3充電池10本を利用して使うこともできます。その場合、15時間程度の使用が可能です。電池が少なくなると、完全に使えなくなる30分ほど前から5分間隔で注意信号が鳴ります。そのような時には、電源コードを使ってコンセントに接続することで、すぐに充電が始まります。

5-3 充電池交換

 付属の充電池が劣化し、電源コードを使用しない場合の稼働時間が短くなってきた時は、本機の購入元までご連絡ください。電池交換をいたします。
 電池交換は、本機底面の電池マークのあるふたを開けることで、簡単にできますが、代理店の指示に従って取り替えるようにしてください。10本の電池の一部を取り替えたり、異なった種類の電池を同時に使ったり、充電池でない普通の電池を使ったりすることは絶対に避けてください。
 また、電源を入れた時に次のメッセージが点字表示部に表示される場合があります。

 <Rechargeable or normal batteries>
この時、充電池を入れている場合には"RECHARGEABLE"と書かれている部分の上のタッチ・カーソルを押してください。ノーマル電池を使うことはお勧めできませんが、もしノーマル電池を使っている場合には、"NORMAL"と書かれている部分の上にあるタッチ・カーソルを押してください。コンセントに電源コードで接続した時に充電がされなくなります。