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第22回総合リハビリテーション研究大会
「地域におけるリハビリテーションの実践」-総合リハビリテーションを問い直す-報告書

【 分科会 1 】地域生活の実現と支援ネットワーク:滋賀甲賀郡サービス調整会議の取り組みから

甲賀郡障害者就業・生活支援センター
中島 秀夫 

はじめに

「地域福祉の時代」といわれて久しい。お題目のごとく、「生まれ育った地域で、みんなとともに暮らす」と言い続けられてきた。しかし地域生活の実態は、本人や家族の頑張りでしか維持できないという厳しい現実があった。ここ数年、日本のあちらこちらで地域生活をサポートするサービスや、支援システムが生まれ始めた。地域で暮らす障害者や家族にとって心強い応援団になりうるだろうか。

心身障害者・サービス調整会議の現状

  • 滋賀県甲賀福祉圏域における地域生活支援の取り組み
    心身障害児・者ホームヘルプサービスとサービス調整会議(1995年)
    生活支援センター構想(1996年)
  • 地域生活者の実情(合同家庭訪問から)
    生活実態とニーズの把握、掘り起こし
  • サービスの調整(ケアプランにもとづく役割分担)
    課題(ニーズ)に即応した解決の提示(プランニング)
  • サービスの掘り起こしと開発
    眠っているサービスの活用と新しいサービスの創出

地域ケアシステムの確立に向けて

  • 相談相手によって左右されない(だれに相談しても同じ結果) 調整会議に集約され同質、同量のサービスが提供される
  • ニーズの共有と共感(みんなで支える) 一つの機関の頑張りでは、多様な地域の課題に応えられない
  • 役割分担ということはもてる機能を出し合うということ(地域資源評価) ニーズに対して何ができるかを地域に公開する

おわりに

安心して地域で暮らすには、気軽に相談ができる体制と、生活を支援する具体的サービスが必要とされている。しかも、即応性と利便性が必要不可欠な条件である。これまでのようにサービスにニーズを合わせるのではなく、ニーズに即したサービスの提供が求められる。そのためには関係機関がニーズを中心として、それぞれが有する機能やサービスを弾力的に運用し、役割分担していくことが求められているのでは ないか。


日本障害者リハビリテーション協会
第22回総合リハビリテーション研究大会事務局
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