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総合福祉部会 第13回 H23.4.26 資料8

合同作業チーム【障害児支援】議事要旨

1.日時:平成23年2月15日(火)14:25~17:00

2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂

3.出席者

大谷 恭子 (弁護士) 座長
宮田 広善 (全国児童発達支援協議会副会長) 副座長
柏女 霊峰 (淑徳大学教授)
君塚 葵 (全国肢体不自由児施設運営協議会会長)
水津 正紀 ((社)全国重症心身障害児(者)を守る会理事 )
長瀬 修 (東京大学大学院特任准教授)

4.議事要旨

【障害者基本法案について】

  • 第二次意見に反映させるべく、チームの意見をまとめ推進会議に意見提出した。第30回推進会議に出された基本法改正イメージの内容は、これまでの議論と乖離している。再度、意見を取りまとめたい。
  • 第二次意見は障害のある女性の項目があったが、案には入っていない。障害児については、新設された。
  • 「障害者である子ども」という表現は、違和感がある。
  • 障害者自立支援法では障害児と障害者と分けている。「障害のある子ども」若しくは「障害児」どちらかではないか。
  • 教育では、障害のある児童、生徒としている。障害のある子どもに揃えたらどうか。
  • 「可能な限り地域社会におけるその身近な場所において」のうち「可能な限り」という表現はこの条項だけではなく他の条項にも出てくる。他の項目と並びで整理されると思うが、権利性が阻害されないか内容的に希薄になるという懸念がある。「可能な限り」は削除されるべきだろう。また、「療育の給付その他の支援」という表現にも違和感を感じる。
  • 育児支援も含めた支援であるべき。発達支援や保護者支援ではどうか。
  • 第二次意見は、障害児の保護者だけではなく兄弟等の家族への支援が必要としていた。相談・療育の観点からの支援が重要である。
  • 子どもの最善の利益が尊重されなければならない。その際、子どもの意見表明を踏まえて最善の利益が尊重されなければならないとすべき。

[確認された点]

  • 第二次意見を尊重すること。「障害者である子ども」の表現を変更する。保護者に限定しない家族に対する支援とすること。可能な限りという文言は、削除する。支援の例示に、子育て支援を加える。子どもの意見表明を踏まえた最善の利益が尊重されなければならないという一文を最後に加える。

【早期発見、早期支援について】

  • 障害児支援の見直しに関する検討会では結局結論が出ず棚上げになった5歳児健診について、どのように考えるか。
  • 小児神経学会では、5歳児健診はもう少し議論が必要ということになっている。就学前だからこそ実施しなければならないという意見がある一方、発見した後の支援体制が整っていないという問題がある。親は就学前年というデリケートな時期にショックを受けたうえに、身近なところで支援が受けられず、遠方まで出向かなければならない。
  • 親は子どもが小さなころから、育てづらさから気付いているが、障害児への支援ができる機関は敷居の高いものと捉えられている。また、自分の子どもに障害があることを認めたくないということもある。姫路市の公立保育園の保育士へのアンケートで、発達が気になる子どもは、全体の約10%程度だった。1割の子どもへの支援が必要であるのならば、一般施策で行われるべきだろう。保健所や保育園が充実する必要がある。
  • 障害が発見されても、分離されるだけで、地域の支援につながらないのであれば、新たな健診を設けるべきではない。6歳では、学校での検診があるので、チームとしては5歳児検診は不要という理解にならないか。
  • 重症心身障害児であれば検診を受ける前に産まれた時点で宣告をされ、親は大きなショックを受ける。家族への支援、子どもの障害を納得するための支援が必要だろう。
  • 母子入園は、NICUを出た後に在宅に移行するための支援をしている。通園により、母親に対してあらゆる面でサポートしており、有益な支援であるのに、手薄になってきている問題がある。

【相談支援について】

  • ワンストップの仕組みが必要だろう。ただし、児童福祉の枠組みの中で実施されるべき。? 現状では障害児支援を受けるためには、別の場所に行かなければならない。
  • 障害福祉圏域と児童相談所の圏域が異なることが問題である。児童相談所の権限を市町村におろすことが必要になる。
  • 相談支援・支給決定作業チームの意見は大人を対象としており、子どもが含まれていないと思われる。また、ワンストップ型の相談支援が必要であることが認識されていない。障害のある子どもの支援は、様々な法律にまたがっていることもあり、整理が必要だろう。
  • 相談支援・支給決定作業チーム側も他のチームへの申し送り事項として障害児部分について調整が必要であるという認識を示しており、意見を提出する必要がある。
  • 相談支援制度に関する知識が不足しているので、事務局に一般施策を含めた児童の現行制度及びつなぎ法の児童の相談支援体制について整理した資料の提出をお願いしたい。
  • 加えて、サポートファイルの普及状況も教えてもらいたい。

【子ども施策への障害のある子どもの受け入れについて】

  • 子ども・子育て新システムのこども園について、市町村によっては、障害児の受入れが狭くなる可能性がある。
  • 子ども・子育て新システムのワーキングチームに係る資料について、論点が挙げられているので、それを整理して、事務的な流れなどは確認しながら向こうの結論に間に合うように意見出しをしたい。
  • こども園で障害児の受入れが狭くなる可能性があっては困る。児童福祉法の応諾義務について、「やむを得ない理由」についての解釈基準はあるのか。
  • ないと考える。個別のケースで判断していると思われる。
  • 子ども・子育て新システムのヒアリングでは、一般施策における障害児支援の拡充、障害児に固有の施策と新システムとの乗り入れを進め、サービスの計画的整備や切れ目のない支援の確立、新システムにおいて創設されるサービスを障害児とその保護者にもという、以上3点の意見を資料にまとめて話をした。
  • 一般施策における障害児支援の拡充について、障害児保育の加配がある。現在、一般財源化されており地域格差がある。個人的には、個人に着目した支援のためにも1人あたりの基準額を設け、国庫補助をするのがより良いと考える。
  • こども園との併行通園について、議論すべきだろう。
  • 柏女委員に意見出しのたたき台を作っていただくことでよいか。意見をもとに次回以降、検討したい。

【障害のある子ども固有の施策について】

  • 末光委員から意見がでているので検討が必要と考える。
  • 末光委員が提出した資料の中に重症心身障害児施設における児者一貫の見解が書かれているが、チームで議論されていない。
  • 重症心身障害児施設は施設によって入所児の状況がさまざまで、人工呼吸器が並ぶようなところもあれば、いわゆる動き回る重症児が少なからずいるところもある。支援の必要性に応じて適切な環境が保障され、かつ報酬単価も設定されるべきではないか。
  • 入る施設によって障害が決められてしまう現状があるが、動き回れる重度知的障害の児童に対して重症心身障害児施設が適した環境であるのか。重いケースだけでなく、このようなケースもデータを示しながら意見を出すべきではないか。
  • 重症児施設に、本来の重症児以外が入所していることについては、歴史的な経緯がある。これは、家庭療育では困難であるとされた障害児で、どこの施設でも受け入れてもらえない谷間にある障害児を、重症児として受け止めるようにという、児童福祉法改正時の付帯決議によって入所が行われている。本来の対象以外ついては、ケースバイケースで適した施設や、地域に移行させるなどの対応が必要である。
  • 重症心身障害児施設と肢体不自由児施設の質と状況が違うという意見があるが、医療的ケアなどの質は変わらない。社会的養護の必要性など状況が異なるだけはないか。
  • 入所期限を設けるのも良いが、期限が来た時点で支援が必要と判断される状況であれば引き続き入所する必要があるだろう。
  • 命が保障されること、そのための医療の確保は必要だろう。ただし、子どもから大人になる時には、次のライフステージの支援が用意されていなければいけない。それはどんなに重度であっても同じだろう。一定期間経ったら、定期的な評価をするべきだろう。
  • 時間が足りないため、この点については次回も続けて行うことにする。

以上