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ニュースでつなぐネットワーク
『のるぞの会ニュース』

李幸宏

 全国に多くの障害者団体があるなかで、特色あるニュースを出しているということで推薦していただいたようです。光栄なことですが、会の実力やニュース作成についても課題が多いと思っている当事者としては、ちょっと面映いような気がしています。ただ、なけなしの力を使いながらなんとかニュースを発行していることが、かえって他団体の参考になるのではと考えています。

会の状況

 簡単に「電車にのるぞ障害者の会」の紹介をしておきます。
 西鉄福岡駅の改築計画を機に、1987年10月に結成。西鉄福岡駅にだれでも使えるエレベーターを求めることを皮切りに、他の駅のエレベーター設置、使いやすいバス導入の要望などを中心に活動してきました。月1回の例会を中心に、例会だけでは話が詰め切れない部分を、最近はニュースと並行して、電子メールやFAXを活用しながら連絡をとっています。
 以前からの中心メンバーが前のようには動けなかったり、一方で課題は増えてきていたりと、いろいろ活動の整理や新しい分担が必要な時期だと感じながらやっているところです。特定の事務所はなく、実務的なことをしている人の中に私を含めて別に本業をもっている人が少なくありません。

ニュースの発行状況

 会をつくって10年近くは不定期な季刊程度の発行で、100~200人ぐらいに8~12ページのニュースを送るという状況でしたが、97年に福岡で障害者定期刊行物協会を作ってそこに参加してからは、協会の事務費を入れても5分の1程度の経費で送れるようになりました。平均12ページのニュースを隔月発行で300人(現在は400人以上)に送付しています。送っている人・団体は、会員、関係者、障害者関係団体で、現在では行政・議員や交通企業、知り合えたマスコミの人にも送っています。障害者定期刊行物協会を作る時にも、これからどうしても必要な枠組みだと考え、団体としては私たちの会が当初中心的な役割を果たしたと思います。
 ニュースをまめに出すようになってからは行動参加者も増え、それまでずっと30人くらいだった会員が倍増し、会費・カンパも飛躍的に増えました。バリアフリーの課題が社会的に大きく取り上げられるようになった時期と重なっていたことも大きかったと思いますが、特にネットワーク的な組織である私たちの会には、ニュースの位置は大きいものがあります。会の活動自体が社会的活動に重点を置いていますので、ニュースもそれを反映したものになっているのではないかと思います。

記事づくりとニュースの作成

 どういう記事を優先しているかというと、
1.会の取り組みに関すること。
2.交通機関を使っての体験、感じたこと。それ以外の障害者の課題、まちづくりに関する体験・考え。
3.交通機関を利用する際に便利で、 あまり知られていない情報。あるいはばらばらの情報を使いやすく整理したもの。
4.地域で要望したり、声を上げたりするときに、役に立ちそうな考え方や情報。
5.その他、タイムリーな話題など。
 という基準をみんなで確認しています。原稿を分担し(これがなかなか難しい)、最後は私のほうで調整して作成しています。私はパソコンでDTP作業をするのが本業で、職場の機械を使っているわけではないのですが、仕事が活動の役に立っている面があるかもしれません。もっとも手間のかかりそうなレイアウトはほとんどしないのですが…。
 ノウハウ的なことでいうと、日頃、記事の候補を封筒に投げ入れて置いて、実際に作成をする時には、1枚の紙にページを割り振って、そこに記事の内容を書いた付箋を貼っていき、貼ったり取ったりしながら全体のイメージを作り、調整していきます(この方法は割と効率的です)。
 なかなか定期的に出すのは難しいことなのですが、継続は確かに力になります。出すと決めたら不十分でも継続して出す、ということにこだわったほうがよいと思います。

(イ・ヘングェン 電車にのるぞ障害者の会代表)