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知り隊おしえ隊

てんこ盛りの大阪、きばっておいでやす!
―大阪フォーラムでまってまっせ―

辻一

大阪へ、おいでやす!

 大阪フォーラムでは、四つの会議と大会が、3日間、四つの会場(大阪国際会議場、ビッグ・アイ、アミティ舞洲、大阪国際交流センター)において平行して開催されます。その他に、一つの夕食会特別会場(USJ/ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)と、五つの見学先をプログラムしています。
 大会指定ホテルは15か所用意しています。車いす利用者については、ビッグ・アイおよびアミティ舞洲での宿泊を基本に考えています。この二つの施設は、天井走行リフト付きの重度障害者用客室など、障害のある人が使う施設としては世界最高の水準にあります。見学会が大会プログラムとして企画されているので、宿泊されない方もぜひご覧ください。また、今後さらによい施設にするためにも、ぜひご意見、ご感想をいただきたいと存じます。なお、各ホテルのグレードと料金、また会場との位置関係とアクセス度はさまざまですが、設備についてはほぼすべてバリアフリー化しています。
 大会参加者の移動については、執筆時現在も調整作業中ですが、基本的に大会指定ホテルと各会場間に送迎バスを準備します。また、移動障害のある方については、特に配慮して可能な限りのリフト付きバスを手配しています。情報アクセスについても、前提なしのアクセスフリーをめざして準備を進めています。交通アクセスについては、文末のホームページをご参照ください。なお、大会参加者にはペーパー資料を作成して配布する予定です。
 各地から大阪へのアクセスは、関空(関西空港)、伊丹(大阪空港)の両空港と、新幹線が主になると思います。鉄道は、JR大阪駅、新大阪駅を除き、すべてのターミナルがアクセス化しています。ボランティアの方々の配置計画も進んでいます。一般の駅も一部人的介助を要するところがありますが、ほぼアクセス化しています。中でも大阪市交通局の地下鉄、バスのアクセス化は急ピッチで進んでいます。詳細は文末のホームページリストを参照してください。

大阪は歴史と文化のまち

 ここで突然話が変わりますが、大阪はずいぶん誤解されています。
 大阪弁は、船場、島之内といわれる丼池(どぶいけ)や道修町(どしょうまち)のお客様に対する商い言葉や、京言葉の元になった島之内の奥向きの言葉など、本来は心遣いを持った洗練された品のある美しい言葉で、テレビや吉本の合成語ではありません。
 歴史的には、太古の弥生時代の遺跡や上古の数多くの古墳があり、世界文明につながる表玄関の難波津(大阪市中央区高麗橋周辺)が設けられていました。また、民のかまどを気遣った仁徳天皇の高津の宮、難波の宮などの首都(5~8世紀)がおかれ、593年には聖徳太子が日本最古の官寺・四天王寺と同時に敬田院(宗教施設:現在の四天王寺寺域)・施薬院(製薬施設:現在の勝鬘院)・悲田院(孤児、老人ホーム)・療病院(病院)を設けられたので、社会福祉事業発祥の地とされています。中世以降は、自治都市、豊臣期以降は諸国の物産が集まる交易流通の商いと金融の町として栄え、徳川期には天領となって商品作物や近郊型作物栽培の農業が加わり、今に続くさまざまな互助制度が始まりました。そして近代の工業都市化、また、江戸時代に花開いた上方町人文化(上町文化)から現在のアミューズメントのまちへと、それぞれの時代背景を受けてまちのありようがめまぐるしく変化してきました。
 一方、商都としての経済的余裕の中で在野の研究家や学者が多くの功績を残し、また、大塩平八郎の乱のように社会矛盾の改革をめざす意識が強く、幕末に近代的人材を多数輩出した適塾に代表されるように自主自由の気風が強まりました。その背景には、人々が自由に交錯する中で生まれてきた、だれがどんな格好で何をしようが許す「やってみなはれ」のパイオニア(開拓者)精神、「いっちょかみ(一丁噛み)」のチャレンジャー(挑戦)精神、「とりあえず見とこ」の好奇心あふれる珍しがり、そして「何でや」と突っ込んでいく畏(おそ)れをもたない気概と、「どしたん」の気遣うホスピタリティー(思いやり)精神があります。
 したがって、福祉についても伝統的に問題解決への取り組みが早く、戦後のヘレンケラーを招いて障害者福祉の礎となる身体障害者福祉法制定に尽力した岩橋武夫先生をはじめとする有意の人が、当事者、行政官、専門家、篤志家に次々にあらわれて、全国の身体障害者A型福祉センターや身体障害者リハビリテーション施設の元になった、大阪市立長居障害者センター、大阪府身体障害者福祉センター付属病院、また、平成4年の福祉のまちづくり条例制定など、数々の先駆的事業を進めてきました。
 その大阪で、この大阪フォーラムが開催されます。この機会に、ぜひ会議の前後にぶらぶら歩きを楽しんだり、観光や学習の機会としてください。
 歴史と文化に興味のある方は、特にお勧めの真新しい大阪歴史博物館のほか、上町台地上の大阪城(車いすで天守閣まで登れます)から四天王寺まで続く(この方向が楽)歴史の散歩道、自然史博物館、大阪城天守閣展示室、古墳時代をテーマにする近つ飛鳥博物館や弥生文化博物館があります。福祉関係の博物館、資料展示には、リバティおおさか(大阪人権博物館)、ピースおおさか(大阪国際平和センター)、ヒューライツ大阪(アジア・太平洋人権情報センター)などがそろっています。お笑いに興味のある方は、ミナミのワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)へ。近つ飛鳥博物館と弥生文化博物館は各会場から離れて交通も少々不便ですが、その他の施設はすべて簡単に出かけられる位置にあります。

大阪と言えば食いだおれ

 また、なんと言っても大阪と言えば食いだおれ、ミナミの難波(なんば)、道頓堀(どうとんぼり=とんぼり)、宗右衛門町(そえもんちょう)、千日前(せんにちまえ)界隈は、「食いだおれ」文化を代表する飲食店が並び、おとずれる観光客も多いところ。キタでは梅田(うめだ)・大阪駅周辺から東へ気軽な阪急東通り(はんきゅうひがしどおり)商店街からお初天神(おはつてんじん)へ、南と西へはビジネスマン向けの曽根崎新地(そねざきしんち)・堂島(どうじま)方面に店舗が広がっています。通天閣(つうてんかく/もちろん車いすでOK)のある新世界は、特に安くて気軽な庶民的な店が多く、新世界づぼらや別館は「人にやさしいまちづくり賞」を受賞した「ふぐ料理」が安く食べられる店です。また、ベイエリヤの大型水族館として知られた海遊館(かいゆうかん)に隣接のTMP(天保山=てんぽうざん=マーケットプレイス)には、今年の春オープンした「なにわ食いしんぼ横丁」が人気です。たこ焼きやお好み焼きのジャンクフードから、京料理とは一味違う「味」にこだわる大阪料理まで、気軽にお店をのぞいて「いける?」と声をかけてください。車いす利用者が多いと対応できない小さなお店が多いものの、小さな店でも快く応じてくれて、使えるところが多数あります。
 大阪フォーラムは、数多くのプログラムが同時に平行して開催されます。しかも、どれもがこれからの障害者運動にかかわる有意義で興味深いものばかりで、どのプログラムに参加するのか、すべきなのか、大いに迷ってしまいます。
 そのうえに、バリアフリーが進み、アクセスのよい、しかも何もかも「てんこ盛り(山盛り)」の大阪で、あなたは何をしますか?
 まってまっせ~。きばっておいでやす!

(つじまこと 社団法人大阪脊髄損傷者協会会長)

●関連URLリスト

大阪フォーラム

 http://www.normanet.ne.jp/~osakaf/

会場

・大阪国際会議場
 http://www.gco.co.jp/japanese.html
・ビッグ・アイ〈国立国際障害者交流センター〉
 http://www.big-i.jp/
・アミティ舞洲〈大阪市舞洲障害者スポーツセンター〉
 http://www2.osk.3web.ne.jp/~maisima/
・大阪国際交流センター
 http://www.ih-osaka.or.jp/i.house/

交通アクセス情報

・大阪市交通局(ひとにやさしい駅施設。駅構内図)
 http://www.kotsu.city.osaka.jp/index.html
・車いすおでかけネット(NTTドコモ関西)
 http://kurumaisu.ct.docomo-kansai.co.jp/top.html
・らくらくおでかけネット(財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)
 http://ecomo.mri.co.jp/rakuraku/index
・大阪府おでかけネットワーク(大阪府障害保健福祉室ホームページ)
 http://www.pref.osaka.jp./osaka-pref/shogaifukushi/odekake/index.html
・リフト付き福祉タクシー導入事業者一覧(大阪府ホームページ、福祉の手引き、資料編)
 http://www.pref.osaka.jp./osaka-pref/shogaifukushi/tebiki/tebiki-s/s-s-21.htm

観光

・社団法人大阪観光協会
 http://www.tourism.city.osaka.jp/
・大阪市ホームページ(美術館、博物館)
 http://www.city.osaka.jp/bunka/bijyutukan.html
・大阪歴史博物館
 http://www.mus-his.city.osaka.jp/
・大阪周遊ガイド2002
 http://www.pia-kansai.ne.jp/osaka/index.html
・くいだおれ大阪どっとこむ
 http://www.kuidaore-osaka.com/index0730.html