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新たなる挑戦

小島康彦

■卓球との出会い

 卓球を始めるきっかけは、頚椎損傷のため両手、両足にマヒがあって、長年家に閉じこもっていた自分に対して、何か自分を変えたいと思っていた時、さいたま市に「埼玉県障害者交流センター」があるのを知り見学に行きました。そこには自分と同じ車いすの人たちが楽しそうにスポーツをする姿がありました。その姿を見て自分も中学時代に卓球部に所属していたことを思い出して、「卓球が自分にもできるのではないか」「やってみたい」と思ったことがきっかけでした。
 リハビリの一環として卓球を始めた頃は、両手に障害があるためにラケットをうまく握ることや、ラケットに球を当てることもなかなか思い通りにいきませんでした。しかし、卓球を通じて出会ったいろいろな方々からのアドバイス、指導、励ましを受けて練習を続けていくうちにラリーもできるようになりました。練習だけでなく、地元をはじめ東京、千葉、名古屋、大阪などの大会にも出場するようになりました。
 大会に参加すると初心者から全国大会、世界大会で活躍している人など幅広い選手に出会うこともできますし、車いすから肢体不自由の人まで障害はさまざまですが、卓球を通じて技を競い、また応援したりと交流の機会を広げることができました。たくさんの出会いと親しくなった仲間との再会ができるので、大会に参加するのが今は楽しみのひとつになっています。

■卓球の魅力

 卓球は将棋と似て一球、一打も気が抜けません。相手との駆け引きや白球を追いかけていくうちに、日頃の嫌なことを考えることなく練習や試合の終わる頃には気分爽快になっています。練習していても、試合をしていても自分に新しい課題や目標が次々と出てくるので、なかなか完結とならないのも卓球の魅力です。
 卓球を始めたことで、今まで消極的だった自分が何事に対しても前向きになり、積極的に取り組むことができるようになり、自分に自信を持つことができたように思います。
 これからの目標は、リハビリの一環ではなくスポーツの「卓球」として、1回でも多く勝ち、高い目標を持って課題を克服していきたいと思っています。

(こじまやすひこ 埼玉県在住)