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2003
私が選んだ今年の5大ニュース

北海道

伊藤たてお〈いとうたてお〉

全国筋無力症友の会運営委員。(財)北海道難病連専務理事・事務局長。日本患者・家族団体協議会(JPC)代表幹事。全国難病センター研究会事務局長。北海道地方障害者施策推進協議会委員。

1 難病対策大幅見直し。10月から新制度へ

 難病対策の医療費助成に所得割負担が導入された。受給者証の有効期間が10月1日から9月30日までに変更。有効期限は3年間から1年間に短縮。懸念されていた対象疾病の入れ替え等は見送られた。全国47都道府県に「難病相談・支援センター」が整備されることとなった。

2 全国難病センター研究会が発足

 難病相談・支援センターを有効に活用することなどを目的に発足。難病対策関連の三つの研究班の班長をはじめ難病看護学などの研究者と都道府県担当課、患者・家族団体(64団体)が加盟し、各政党と日本医師会が世話人として参加。第1回の研究大会を10月に札幌で開催し、今のところ全国唯一である北海道難病センターも見学。第2回は2004年3月に東京で開催予定。

3 国会解散、衆議院議員総選挙

 その結果、どの党がどう、というのではないが、営利主義・競争原理の傾向が一層強まり、社会保障の理念が消えてしまいそうなのが心配。憲法はどうなるのだろう。

4 医療事故、薬害の多発

 さまざまな医療事故のニュースであふれている。C型肝炎でも訴訟が始まった。B型肝炎も予防接種で注射針、筒を連続使用した結果であることは周知の事実。札幌訴訟結審。

5 北海道難病センター全面増改築完了

 しかし、新知事が道財政建て直しプランを発表。難病問題は4番目の課題としてやり玉に上げられた。なぜ? 信じられない!!


北海道

佐々木清春〈ささききよはる〉

1959年3月、北海道名寄市生まれ。10年前から5人の仲間とグループホームで生活をしている。旭川働く仲間の会会長。地域活動として児童施設のボランティアを27年間行っている。コンビニのお弁当や惣菜などを作る工場で働いて7年くらい。趣味は、カメラとJRオタク。

1 支援費制度ははじまった

 僕自身は今のところ自分のことはだいたい(半分くらい)できるので申請はしていない。制度がどういう内容なのかは勉強不足でよくわからない。ほかにも制度のことをわからない仲間がたくさんいる。テレビなどで、僕たちにわかりやすく説明してほしい。

2 仲間の会のメンバー、友だちが亡くなる

 今年の2月に「仲間の会」のメンバーが亡くなった。それから、10月にも友人が亡くなった。2人ともまだ若いのでショック。病気やストレスがあったのかもしれない。

3 主治医の先生のお宅に招かれた

 僕は持病があるので、13年くらい前から病院に通っている。3月に主治医の中谷先生に誘われて、先生の家に遊びに行った。僕は『もう施設には帰らない』という本のことや施設で生活をしていたことなどを話した。

4 子どもたちの笑顔がよくなってきた

 僕は中学1年から6年くらい施設で生活していた。そのころボランティアの大学生などが施設に来て一緒に遊んでもらってうれしかったことを覚えている。障害があってもやりたいことは何でもできるということを知ってほしくて、児童施設でボランティア活動をはじめた。いまは、いくつかの施設をまわっているが、子どもたちの笑顔がよくなってきたことがうれしい。

5 彼女ができたこと!

 彼女ができてとてもうれしい。きっかけは、以前生活していた施設のOB会の旅行会で。将来は結婚したいと思っている。結婚したら僕の親も彼女の親の面倒もみたいと思う。


群馬

長居由子〈ながいゆうこ〉

ハンディをもつ一男、二女の母。NPO法人夢すばる代表。「手をつなぐ」編集委員。日本音楽療法学会認定音楽療法士。

1 地域療育等支援事業一般財源化

 この出来事は、私にはまるで育児を放棄した親のように映りました。「施策」「制度」国の立派な理念、看板の元に私たち家族の言い分は通らないってことを痛切に感じた一幕でした。

2 脱施設、施設解体宣言!

 「地域福祉」という耳慣れた言葉。それでも『脱施設』という文字がとても新鮮で衝撃的でした。でも地域で「ふつー」に暮らすって? 仲間や地域、学校で、こんな話がたくさんされるといいですね。時代は地方分権、ますます自治体間格差が生じるのかなぁ。トホホです…。

3 支援費制度スタート!!

 「始まるょ、始まるょ」単語だけは嫌と言うほど擦(す)り込まれた支援費。自己決定、自己選択。「何にも変わらない」って周りの声。「居宅って何?」「えっ?」…やっぱり支援を組み立てる人が急務だと思う一方で、需要の多さにお手上げ! 始まる前から分かりきっていたことではないの? この二つ、何だか矛盾しているようですが…。

4 ちょっとローカル版・障害者生活支援センターin前橋?!

 国が放り投げた市町村障害者生活支援事業、ここ前橋でスタート。心から市に乾杯。委託先の法人スタッフにも。パチパチ!!!

5 思いっ切り私事版・通所施設作りを……☆

 仲間と活動始めて8年。立ち上げはやっぱり家族の役割? 目の前の課題は山積ですが、それでも夢と理想の旗なびかせて……。あのぉー、何処(どこ)かの30億のちょっとだけ、お裾分けしてくださぃな。


埼玉

高橋儀平〈たかはしぎへい〉

東洋大学工学部建築学科教授、工学博士。内閣府障害者施策推進本部参与、文科省、国交省、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県等のユニバーサルデザインや福祉のまちづくり関係の委員他。日本福祉のまちづくり学会副会長。

1 改正ハートビル法が施行される

 4月より改正ハートビル法が施行され、2000m以上の病院、集会施設、デパート、ホテル、老人ホームなどはバリアフリー化が義務づけられた。実際の適合命令は建築主事が置かれている市町村で行われ、市町村の権限が強化された。今後、福祉のまちづくり条例の改正やハートビル法付加条例の制定が進捗すると見られる。

2 交通バリアフリー法の基本構想策定が進む

 全国各地で交通バリアフリー法の基本構想策定が進展中。5月現在81市町村で策定され、今年度末までにはおよそ100市町村になる見込み。市民が計画に参画する手法の一つとして「ワークショップ」が定着した。同時に大都市圏の交通環境改善が急速に進展し、鉄道駅舎へのエレベーターの設置も進んでいる。

3 ユニバーサルデザイン(UD)の考え方が急ピッチで浸透中

 1月、埼玉県で第2回UD全国大会が開催され、4月には浜松市で全国初のUD条例が制定された。この数年間に、静岡、熊本、埼玉、福島、岩手などでUD基本方針が策定され、さらに多くの県でUDが推進されている。11月、日本のトップ企業が参加して国際UD協議会が設立された。

4 訓子府町が町ぐるみでバリアフリー化を推進中

 人口6000人余りの北海道訓子府町では、この数年間に利用者の意見を聞きながら駅舎、道路、商店街、公共施設のバリアフリー化を町ぐるみで推進。特徴は道路の改善と店舗、公共施設のバリアフリー化を一体的に進めていることだ。平成15年度の内閣府バリアフリー化推進功労者賞を受賞した。

5 旅行や観光のバリアフリー化が進む

 7月に第6回日本福祉のまちづくり学会全国大会が開催された岐阜県高山市では、観光資源開発の手法としてバリアフリー化を全国に発信している。古都や各地の観光地でのバリアフリー化が進展。また、だれもが参加できるスローツーリズムが流行した。


東京

中野敏子〈なかのとしこ〉

明治学院大学社会学部社会福祉学科教授。知的障害のある人の暮らし、障害のある人の自立のための乳幼児期・学齢期の家族支援について関心をもってきた。

1 支援費制度の実施と利用者の声

 支援費制度が障害のある人の地域生活支援に果たす役割という点で大いに注目したい。実施前の「上限の撤廃」を巡る動きは、財政難と地方自治体への委譲という流れが、予想を遥かに越えてサービス利用者にとって厳しい条件を投げかけること、そして、利用者としての声の重要さを深く受け止める機会となった。支援費制度が実施されて以降、地域ごとに利用者の声を大にしていく必要がますますでてきているのではないだろうか。

2 「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会」

 関連して設置された検討会に、委員として知的障害のある当事者が発言するのはいつ?。

3 国立コロニーのぞみの園の独立法人化と検討委員会報告

 知的障害者福祉の歴史にとって重要な意味を語ってきた「のぞみの園」も他の国立の機関と同様に独立行政法人になった。これからめざす「重度知的障害者のモデル的な処遇を行う施設」と「積極的に地域移行を進めるべき」とがどのように取り組まれていくのか、しっかりと見ていきたい。

4 年金制度の見直しと障害基礎年金の行方

5 療育手帳と携帯電話

 携帯電話会社が療育手帳だけでは携帯電話を購入できないことにしたとか、海外旅行も行かないのにパスポートを取らなくてはならないのだろうか。


東京

安田武晴〈やすだたけはる〉

1969年、東京都出身。読売新聞社会保障部記者。どうしたら、「障害のない人たち」に記事を読んでもらえるか、試行錯誤している。

1 支援費制度スタート(4月)

 日本の福祉行政の歴史上、ほぼ半世紀ぶりの大改革。「利用者が自主的にサービスを選べる」という理念には賛同するが、財源の裏付けが不十分。10月には、ホームヘルプサービスの国庫補助金不足が露呈し、1年目で制度の信頼性に疑問符が付いた。

2 ホームヘルプ補助金の配分上限設定を巡り大規模デモ(1月)

 冬の寒さを吹き飛ばすエキサイティングな事件。当事者のパワーに圧倒された。

3 地域生活の在り方検討会が発足(5月)

 ホームヘルプ上限問題の妥結をきっかけに作られた。各方面の多士済々が、毎回、興味深い議論を展開。秋には、精神障害者の検討会もスタートした。

4 障害者権利条約、実現に向け大きな進展(6月)

 ニューヨークの国連本部で、第2回の特別委員会が開催され、条約の実現に向け、作業部会の設置が決まった。差別禁止法の制定にも拍車がかかりそう。

5 新障害者基本計画スタート(4月)

 「施設から地域へ」の流れが位置づけられる。共生社会の実現に向け、メディアも力を尽くさなくては、と実感。福祉の専門紙ではない一般紙に何ができるのか、考えさせられた。


愛知

奥野真里〈おくのまり〉

名古屋盲人情報文化センターの図書製作部で、点訳指導に日々奮闘している。

1 日本初、視覚障害者医師誕生

 欠格条項が破棄されたことにより、視覚に障害があっても医師国家試験が受けられるようになり、みごと今年の春、その試験の合格者があった。パスされた森田さんは精神科医として進まれるとのこと、今後の視覚障害者の職域拡大への第一歩となったと同時に、森田さんのご活躍を応援したい。

2 身体障害者補助犬法完全施行

 昨年から公共施設への補助犬法が施行されていたが、今年の10月からそれに加え、民間施設(ホテル・レストランなど)においても補助犬法が義務付けられた。介助犬・盲導犬ユーザーの行動範囲が広がるとともに、今後のユーザー増加の可能性も。

3 支援費制度スタート

 障害者が介護支援サービスを利用する際のシステムが変わった。利用者が自由にサービスを選べるという点では意義深いが、まだまだサービス提供側の準備が追いついていないという現状もあり、課題も山積のようだ。

4 交通アクセスもバリアフリーへ

 少しずつ交通アクセスの世界も、だれにでも利用しやすい優しいものになってきた。この夏、名古屋市営地下鉄全線の車両扉に乗車位置が確認できるよう、点字サインが付けられた。これは、位置確認をするうえでも便利であり、安全性のうえでも大きな情報の一つとして利用されている(すでに東京の山手線には付いている)。

5 「井手孫六が選んだ15歳までに読んでおきたい少年少女文学100選」の図書製作および出版・貸し出し開始

 視覚障害者にとって困難とされる読書環境を整えるべく点字(普通・Lサイズ)版、録音(カセット・デイジー)版、大活字版の5媒体を製作中。2004年10月、すべて完成を予定しており、ターゲットとする子どもたちの手に1冊でも多く届けられるように、名古屋を中心に活動中。


愛知

戸枝陽基〈とえだひろもと〉

特定非営利活動法人ふわり理事長。「どんな障害の重い人でも、死ぬまで暮らせる地域福祉を作ろう。それは、すべての人に安心を配る仕組みだから」が社会的使命。

1 コーディネーター事業一般財源化に続き、ホームヘルプ事業上限設定の動き、厚生労働省、抗議の団体に取り囲まれる(1月)

 障害者の地域生活を促進し、権利としての福祉を認めると言っていた支援費制度。理念あって財源なしということを開始前から露呈。

2 支援費支給申請、決定開始(2月)

 コーディネーター不在でケアマネジメントの仕組みもなく、コミュニケーション力の弱い障害当事者、家族申請できず。支給決定における市町村格差著しく、生まれた街によって生きられる人生の質が違ってくることも実感。

3 支援費制度開始。社会基盤整備がされておらず、まったく選べず。国の事務対応が遅れ、市町村福祉課、事業所、徹夜の日々(4月)

 国や地方自治体、介護保険事業所で支援費制度への参入を決めた事業所の数を根拠に、順調に動き出したと強調。ああ、勘違い。

4 利用申し込み殺到。ヘルパーの養成・確保追いつかず。ニーズがあるのに、社会福祉法人ほとんど動かず(4月から今まで)

 自閉症など動きのある人の利用できる事業所は、利用申し込みが殺到。施設運営をする社会福祉法人、支援費制度下でも収入減らず、居宅サービスにほとんど参入せず。呆れる。だれのための組織か。

5 支援費制度の居宅関係予算、順調に破綻(11月)

 支援費、国の予想をはるかに超える利用があり、予算が足りなくなる。障害当事者、家族のサービスがないために我慢して抱えてきた介護負担がいかに大きかったのかを白日の下にさらすことができた。ここから、どんな運動を作るのかが、重要。「自ら考え、発言し、行動し、責任も取る福祉へ」関係者すべての意識改革が鍵を握る。


大阪

清田廣〈きよたひろし〉

(社団)大阪聴力障害者協会会長をはじめ多くの関係団体の理事、委員等を務める。夢は大聴協の会員増加、新ろうあ会館や老人ホームの建設、個人的にはのんびりと野菜を作ったり釣りをしたり読書をしたりする生活(夢のまた夢)…。

1 全国手話研修センターオープン

 全日本ろうあ連盟、全国手話通訳問題研究会、日本手話通訳士協会の3団体で、社会福祉法人全国手話研修センターを立ち上げ。京都府のご協力で4,400mの施設を改修して設立。ホテル、レストランも完備、近くの嵐山への散策にも便利な施設です。

2 大阪、兵庫、埼玉にろうあ高齢者施設建設運動が相次ぐ

 コミュニケーションが保障されたサービス提供資源の一つとして、ろうあ高齢者入所施設の建設への期待は非常に強いものがあります。大阪は今年11月から建設工事が開始。平成17年4月のオープン。兵庫も目標5億円の半分近くを集め、埼玉も組織を挙げて取り組んでいます。

3 CS障害者放送受信機器「アイ・ドラゴン2」身体障害者日常生活用具に指定

 将来の聴力障害者専用チャンネル設立に向けての取り組みとして、NPO法人CS障害者放送統一機構が制作して放送している「目で聴くテレビ」を受信するための「アイ・ドラゴン2」が日常生活用具の指定を受けたことで、飛躍的に普及する期待が持てます。これにより、番組も増え、内容も充実していくことでしょう。

4 ろうあ者、手話通訳者ホームヘルパー全国組織を立ち上げ

 ろうあ者ヘルパー、手話通訳のできるヘルパーのニーズが高まり、全国各地で資格取得に女性部などが立ち上がり、現在は300人を超えています。しかし、働く場がないという人が3分の2以上も。これをなんとかしなければと全国ろうあヘルパー連絡協議会を11月29日に立ち上げました。

5 支援費制度施行、聴力障害者の事業所・大阪、京都が実施

 介護保険と同様、聴力障害者を支援するためのサービス資源が皆無に近い状況が懸念されている中で、大阪、京都のろうあ者関係団体が事業者として指定を受けサービス提供しています。


兵庫

池山美代子〈いけやまみよこ〉

阪神淡路大震災後、全国支援で社会福祉法人かがやき神戸を設立し、精神障害者施設を立ち上げ施設長に就任。

1 精神障害者の施設整備費削減問題(7月)

 関係者一同耳を疑う程の出来事であった。国は、新障害者プランと障害者基本計画をスタートさせ、7万2000人の社会的入院問題を解消していくという「公約」はどうなっているのか。怒りの声が全国を駆けめぐった。

2 精神障害者社会復帰施設整備費を考える緊急集会IN兵庫(9月)

 兵庫県内で精神障害者施設関係者、医療関係者、家族会など13団体が国の補助金削減に怒りの緊急集会を開いた。約300人が出席し、施設開設まで地域住民の理解を取り付け、資金も必死で集めてきたことなどを訴え、不採択に対する困惑、怒りを出し合った。この集会がきっかけで知事が国へ直接要望を提出した。

3 施設外授産の活用による就職促進モデル事業の認可

 昨年から県を通じて、施設外授産の活用による就職促進モデル事業を国に申請してきたが、ようやく認可が下りた。1名の職員が雇用できた。これで、就労促進が進むことを期待したい。

4 施設利用者がパート雇用に

 精神障害者の就労が大きな課題になっている。私どもの施設でも授産施設から一般企業への就労の希望者が多いが、現状は厳しい。今年、2名の方がパート雇用された。3万円の給料が9万円になり、働く自信がついてきた。

5 しなやかにしたたかに働き続けていきたい

 小規模作業所から震災後、全国支援を受けて法人認可して5年。
 さまざまな過労が重なり3か月休職した。心も体もゆっくり休ませた。この仕事を続けることが自分らしい生き方だと納得して、再スタート。


兵庫

内田充彦〈うちだみつひこ〉

義肢装具士。専門学校で教鞭をとる一方、義足を必要とするスポーツ選手のサポートを行う。国際義肢装具協会日本支部、日本整形靴技術協会事務局長。

1 義足の高校球児、大活躍

 「義足の高校球児」として、この夏の甲子園で今冶西(愛媛)の曽我健太内野手が注目を集めた。「義足の…という形容詞はいらない」、「ハンディを感じたことはない」と語る彼のたくましさが印象的。龍谷大に進学予定、これからも活躍が楽しみ。

2 片足の鉄人、世界へ

 義足でトライアスロンへの挑戦を続けている古畑俊男さん(43歳、東京都)と前田良伸さん(66歳、四日市市)が国際的な活躍。
古畑さんはハワイでのアイアンマン世界選手権への出場権を年代別枠で勝ち取り、2年連続参加、完走した。一方、前田さんはアイアンマン韓国に招待選手として参加、アイアンマンは初挑戦だが見事完走。両国の国旗を持って完走する姿が大会のフィナーレにも使われ、韓国の方たちは涙を浮かべながら、健闘をたたえた。

3 国際整形靴技術者協会(IVO)国際会議が東京で開催

 4月26・27日と標記会議が清水昌一大会長により、開催された。アジアでは初めて。国内外より700名以上の方が参加、この分野の関心の高さを知らしめた。

4 義足のきりん「たいよう」

 秋田県の大森山動物園で生後8か月のきりん「たいよう」が右足を骨折、国内で初めて義足を装着したが、1か月後の義足再製作のための手術中に死亡。

5 アフガン舞台の映画完成―義足の少女と聴覚障害の女性との交流を描く

 映画「アイ・ラブ・ピース」大沢豊監督、義肢装具士をめざす聴覚障害の女性を忍足亜希子さんが熱演。


熊本

東俊裕〈ひがしとしひろ〉

弁護士・JIL人権委員会委員長・DPI権利条約担当常任委員。自立生活運動をベースにした人権擁護活動に取り組む。

1 第2回アドホック委員会の開催

 本年6月、国連にて各国政府のほか障害者のNGOも多数参加して障害者の権利条約に関する第2回アドホック委員会が開催された。そもそも、この委員会は条約策定の必要性を議論するために設置されたものであったが、この会議では、来年1月に作業部会を開催するという決定がでたため、事実上権利条約策定に向かって大きく動き出すことになった。最後の人権条約として、歴史的第一歩が踏み出された瞬間であった。

2 バンコク草案の採択

 ESCAPでは、右に触れたアドホック委員会の直前に、アジアパシフィック地域の障害問題の専門家会議が開催され、配慮義務やアクセス権を含むバンコク提案が発表された。このバンコク提案は、国連で高い評価を受けたこともあり10月には、権利条約の草案を策定するための会合が開かれ、バンコク草案が採択された。

3 北京会議でも草案提出

 11月には北京で政府間会合が開催され、中国草案も提出されるなど、アジア地域では、今年、障害者の権利条約を巡って、活発な動きがあった。

4 韓国で差別禁止法制定推進のための組織結成

 韓国では、ノムヒョン大統領が差別禁止法の制定を約束し、政府内に社会統合・差別是正のためタスクフォースを設置した。そこで、障害者NGO58団体は本年4月、差別禁止法制定推進連帯という組織を結成し、10月には、日本、香港のNGOを招き国際シンポジウムを開催するなど、条約の動きとも連動しながら、ダイナミックな動きが見られた。

以上、障害者権利条約関連のニュースでまとめてみました。