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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年2月号

こんなものがあるといいナ ~ユーザーの声

テレビ電話は大変便利!

松本隆一

仙台で聴覚障害者向けにITならびにテレビ電話の普及促進をしている有限会社プラスヴォイス社のすすめにより、昨年12月中旬よりテレビ電話を導入してみました。テレビ電話はパソコンにカメラをつけて映像で相手と通信できるようにしたものなので、遠隔地の人と手話で会話することもできます。

私と家内は聴覚障害者であり、二人の子どもは健聴者です。家内は仙台市の太白障害者生活支援センターの相談員をしているので、手話を用いる聴覚障害者との付き合いが非常に多くあります。これまでは離れた場所での相談員の業務やコミュニケーションなどはできませんでしたが、テレビ電話を使えばできるというのは非常に便利です。

私は難聴という立場でテレビ電話を使っており、手話でやりとりしているわけではないのですが、テレビ電話では相手の顔が見えるので口話を読み取ることができ、普通の電話以上にコミュニケーションが図りやすいことが分かりました。また、カメラを通して筆談ができるのも便利です。さらに、パソコンを使っているのでスピーカの音を大きくすることも簡単にできます。

このように、テレビ電話は普通の電話以上に便利なものだということを使用してみて実感し、驚いているところです。テレビ電話のニーズは、手話ができる聴覚障害者だけではなく、難聴者にとってもきっとあると感じました。これが標準的に広がっていって、健聴者が使っている電話が携帯電話や家庭用の電話・公衆電話とつながるのと同じように、互換性の取れたテレビ電話の普及というものが望まれます。

私も家内も今後聴力の低下する可能性はあります。子どもたちが成長して、離れて暮らすようになった場合のコミュニケーション手段としても、ぜひこのテレビ電話を活用していきたいと思います。今まだ始まったばかりのテレビ電話ですが、できるだけたくさんの方がこのテレビ電話を利用し、広く普及することを期待しています。

テレビ電話はユニバーサルデザインのひとつと考えています。我々自身でもこの文化を創っていかなければならないと思っています。最後に、この新しい通信手段を提供してきてくれたプラスヴォイスに感謝します。

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(まつもとりゅういち 宮城県・仙台市難聴者中途失聴者協会会長)