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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●使い方工夫で万能棒●

提案:今福義明 イラスト:はんだみちこ

今福義明(いまふくよしあき)さん

私は、交通バリアフリー&バリア(障壁)大好き電動車いす使用障害者です。戌年生まれのン十ン歳の油ぎれですが、やたらバリア(障壁)に目覚めてきて、ドンキホーテのごとく突き進んでおります…。


(メガネ編)

私は、小さい時から関節リウマチで、手が上がりません。でも、メガネを掛けています。ですから、メガネを外したり、掛けたりする必要がどうしてもあります。そんな時、活躍するのが、この万能棒なのです。

まず、メガネを外す時です。目に刺さらないように注意して、万能棒のU形のほうで、メガネの真ん中の金具に引っ掛けて外します。これは、だれでもできそうです。

次に、メガネを掛ける時です。先に、広げたメガネの真ん中の金具に万能棒のU形のほうを引っ掛けて、頭の位置より高く掲げて、頭にかぶせるように、まず、目の上辺りに掛けて、ゆっくり下ろしていき、メガネを掛けます。

私は、メガネのレンズが汚れているのが嫌いで、一日一度は、メガネの汚れを拭き取ってもらいます。メガネのレンズがきれいだと視界が開けますよ…。


(マイク編)

交通バリアフリーに取り組んでいる関係で時折、講演や集会で、マイクを使用することがあります。はてまた、カラオケや交流会等でも、マイクは、必需品です。

そんな時、介護の人や回りのだれかに、マイクを持ってもらって話をすることもありますが、意外と話しにくいものです。そんな時、登場するのが、私の愛用の万能棒です。

万能棒のU形のほうで、マイクを挟んで持ちます。力の弱い私には、両手で万能棒を持てますし、車いすのフットレストに乗せれば軽くなります。

マイクは、上部が膨らんでいる場合は、万能棒のU形に挟まりやすいのでいいのですが、マイクがスリムだとマイクのスイッチの部分がかろうじて万能棒のU形に挟まります。ですから、マイクをあまり動かさないようにして話します。

「みなさん、これが私の万能棒です!」


(缶ジュース編)

万能棒の必殺技、それが、缶ジュース・お茶・コーヒー飲み。なんと言っても、体幹機能障害等で、座位が反ってしまう場合の人に超お勧めな缶ジュース飲み方法なんです。

市販の缶ジュースのふたの金具を半開きにして、その輪っか状の穴に、またまた、万能棒のU形を下から入れて、U形のそこの部分で、缶ジュースをぶら下げるというものです。

これは、本当に便利なんです。手が上がらなくても飲めるし、すごいのは、自動車や電車・バスなど揺れる状態の時でも、たえず、重心が下に来ますから、「ジュースがこぼれない!」のです。これは、実は、特許モノ!と密かに思っているのですが、だれか私と同じように、揺れている乗り物で、缶ジュース等を飲みたいと思っている手の上がらない障害をもっている人はいないのかなあ…。