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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年9月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●ポストには鏡、他●

提案:古谷博之 イラスト:はんだみちこ

古谷博之(ふるやひろゆき)さん

平成6年交通事故にて頸髄損傷(C6不全麻痺)、以来車いすの生活。

現在、介助犬“ケン号”と共同生活中。補助犬普及のための活動をしています。


ポストには鏡

現在使用しているポストは、玄関ロビーにあり、集合住宅のようにロビーに並んでいます。私の部屋のポストは、ちょうど車いすの目線より上に位置しているので、ポストの中身を確認することはできません。そこで、ポスト天井部に鏡を取り付けてみたところあんばいよく見えるようになりました。しかし、手の届く高さではないので郵便物を取り出すことができませんでしたが、滑り台をポストの中に設置し、くっつき棒で少し手前に引き出します。すると郵便物が滑り出てくるので、鏡を見ながら郵便物を取り出して膝の上に落とします。滑り台の材料はメラミン加工がされているベニヤ板、ダンボール、接着剤です(メラミン加工でないと滑りが悪いです)。


簡単くっつき棒

落ちたものを拾うことは車いす生活者には大変なことです。

マジックハンドなどでは、床に落ちた書類や紙などをつかむのは結構大変な作業です。また上肢に障害があると、ハンドルを握り続ける必要があるマジックハンドでは使い勝手があまりよくありません。そこで、長さ40から50センチ位の棒に粘土を適当な大きさに丸めて棒の先に付けます。この粘土はホームセンターに行けば手に入るもので、ブチルゴム系の防水用粘土(商品は防水テープ)です。粘着力は結構なものなので、携帯電話くらいの重さであればラクラク拾うことができます。また紙などを付けても破れることなく剥がすことができて、落としてしまった書類や切符を拾うのに大変便利です。しかも軽くて持ち運びにも便利で安価です。また汚れたらその部分を取り除けばOKで、粘土の付け足しも簡単です。


いつも持っていれば重宝します

私は外出時に必ずこれを持って行きます。車いすで生活している者にとって一番不安なことはトイレです。外出先にトイレがあるかどうか調べてから外出するなんてこともしばしばあります。そんな不安を少しでも解消できればと、ぬれた傘を入れるビニール袋とトイレットペーパーの芯、輪ゴムを利用した男性用の簡易尿器です。これは最も簡単な方法で、難しい作業は一切ありません。また、トイレットペーパーの芯は柔らかく多少潰れても大丈夫で、収納や持ち運びに便利です。このとき併せてひざ掛けやバスタオルを持っていけば目隠しになります。使用後はビニール袋を芯から抜き取り、袋を縛り処理します。ビニール袋はホームセンターなどで購入可能です。