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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年11月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●ドリンクホルダーは便利です、他●

提案:伊藤康文 イラスト:はんだみちこ

伊藤康文(いとうやすふみ)さん

1965年生まれ。進行性筋ジストロフィー。妻と子ども2人の4人暮らし。長年、ソフトウエア会社のプログラマー・システムエンジニアの職を経て、現在は自立生活センター(CIL)宇部にて活動中。


ドリンクホルダーは便利です

皆さんは車いすで移動する時に、飲み物(缶、ペットボトル)はどのようにして持ち運びしていますか? 制限の多い車いすではなかなか置き場所もなく、困っている方も多いかと思います。そこで便利なのがバイク用の「ドリンクホルダー」です。車いすと自転車とバイクってフレームがパイプという共通点がありますよね。

バイク用のドリンクホルダーはハンドル等のパイプ部に取り付けできるようになっているので、上手くいけば加工せずに取り付けられます。タイプによっては折りたたみのできるモノもあるので、不要な時は折りたたんでおけば場所をとりません。また、最近では自転車のハンドルに傘を固定する器具などもあるので、工夫次第でいろいろな使い方ができると思います。


マジックハンドは魔法の手?

マジックハンドをご存知ですか? そう、東急ハンズなどで売っているU型の「ロボットの手」みたいなヤツです。私はこれで床に落ちている物を拾ったり、ズボンをはいたり脱いだり(さすがに靴下は無理ですが)、出窓のカーテンの開け閉めに利用しています。あまり細かな動作には向きませんが、それでも私にとっては、今では無くてはならないアイテムになっています。

福祉用具として専用の道具も市販されていますが、マジックハンドはプラスチック製なので軽くて、値段も意外と安いので、私は2本購入して寝室と居間に置いています。また、狭いところに落ちたり挟まったものも楽に取ることができたりと、妻にも好評です。子どもたちにとってはもっぱら遊び道具ですが。


昇降タイプの電動車いすのメリット

私は日中のほとんどを電動車いすで活動しています。私の車いすは座面が昇降するタイプで、購入以来とても重宝しています。

私は身長が172cmもあるため、普通の電動車いすだと自宅やレストラン等で食事をする際に膝がテーブルに当たって近づけません。そこで座面を昇降させることによって、テーブルの下に足が隠れるのでテーブルに近づくことができ、無理のない姿勢で食事ができます。

また、昇降幅を上下させて、昇降範囲内であればお店のカウンターや自動販売機でも威力を発揮してくれます。ハイエースタイプのリフト付き車両に乗車した時も、座面を下げることで横揺れが少なくなります。もちろんデメリットもあります。車重がかなり重いこと、座面が床から10cm位まで下がる仕様なので車いす自体の横幅が広く、軽四輪のスロープ車に乗るのが難しいこと。しかしそれ以上に「行動範囲」「可能性」が広がります。