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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2007年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●洋服の色の区別、他●

提案:手賀由美子 イラスト:はんだみちこ

手賀由美子(てがゆみこ)さん

私は、20年ほど前から本格的に白杖を使い始めて、現在は全盲の視覚障害者です。仕事は、電話交換手をしています。体を動かすことが好きで、テニスをはじめ、スキー、バレーボールをやっています。好きな言葉は「努力」、そして「和」です。


洋服の色の区別

今日はどんな服をコーディネートして着ていくか、色合わせは大切ですね。洋服の色は買ったばかりのときは覚えていても、時間が経つと忘れてしまいます。Tシャツなど枚数のあるものには、色を表示しておくと便利です。私は、洋服の裏側の取り扱い表示が書かれている布に、色を糸で点字表示しています。そうすれば洋服のコーディネートに困りません。糸で表示するので、洗濯やクリーニングに出してもOKです。

また、パジャマなど同じ形の色違いのものは、上下に点を1つ、2つとそれぞれに表示すれば、間違って上下を着るということもありません。

夫は、冠婚葬祭のネクタイの裏側の洗濯表示などが書かれているところに、やはり点字で「くろ」と「しろ」と表示しています。


洗濯の工夫(靴下)

洗濯をするときの工夫です。私の場合、洗濯は1週間分をまとめて洗っています。洗濯物の中で、特に靴下のように対になっているものをまとめて洗うとなると、どれとどれが対になっているかが分からなくなってしまいます。

私の場合は、基本的に同じ色のソックスを1週間はきます。同じ色なので、色を間違えることもなく安心です。翌週は、違う色のソックスですが、サイドにワンポイントが付いているものにして、誤って紛れてしまっても分かるような工夫をしています。その他、時に応じて編み方のちがうソックスやハイソックスなどもはきますが、こちらは触ると分かるので、間違えることはありません。ちなみに、夫は、一足ずつ小さめの洗濯ネットに入れて洗っています。


金種ごとに分けて支払いをスムーズに

お財布のお金の出し入れの工夫です。お札や硬貨はそれぞれ大きさが違うので、分かります。私は時間のあるときにあらかじめ金種ごとに分けて入れています。

5千円札は、2つ折りにしてカード入れのところに入れる。1千円と1万円は、お札を入れるところに仕切りごとに入れる。1円玉と5円玉は一緒に入れます。100円玉と500円玉も一緒に入れます。10円玉だけは一種類だけにしてします。カード入れのところには、50円玉を入れています。そうすると支払いのときにあわてずにお金を出すことができます。そのため、私が使うお財布は、小銭を入れるところが3つに分かれていること、お札を入れるところに仕切りがあって2つに分かれていること、カードを入れるところがあることが条件です(笑)。

おつりはそのままお財布に入れて家に帰り、時間のあるときにまた、金種ごとに分けておきます。