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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2007年2月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●ワンセグ携帯、他●

提案:伊藤静 イラスト:はんだみちこ

伊藤静(いとうしずか)さん

NPO静岡県中途失聴・難聴者協会会員。静岡県富士市在住。子どもの頃から難聴で、補聴器使用。現在、協会理事として、補聴器対策委員会を担当。また、地元の要約筆記サークルや難聴者の会でも活躍中。


ワンセグ携帯

携帯電話は今や聴覚障害者の必需品として肌身離さず携帯している方も多いと思いますが、昨年より地上デジタル放送が開始されたことにより、ワンセグという、テレビが視聴できる携帯電話が出回り始めました。これがかなりの優れもの!普通のテレビと同様に、ニュースや天気予報、災害情報などを入手できるのはもちろんのこと、字幕放送も見られるので、お気に入りのドラマも外出先で楽しめます。しかも機種によっては字幕付きで録画までできるんです。携帯の小さな画面でも、映像も字幕も想像以上に鮮明です。テレビを見る分には通信料がかからないのもうれしい。1台持っていれば災害時にも力を発揮しそうです。音質もかなりよいので、磁気誘導ループの使える難聴者ならイヤホンを利用して音を楽しめる方も多いでしょう。

ワンセグサービスは全国で順次開始されていますので、皆さんも一度お店で試しに見てくださいね。


補聴器用汗カバー

補聴器や人工内耳に汗は大敵!スポーツで汗を流すのは気持ちのよいものですが、汗で補聴器が濡れると故障の原因になります。耳かけ補聴器の汗対策、皆さんはどうしてますか?

包帯やティッシュ、あるいはラップを巻いたりしているのを見かけますが、見た目もパッとしないし、スイッチやボリュームの操作も不便ですよね。指用のネット包帯も試しましたが、長すぎて、切ると糸がほつれてきて具合が悪い、何かいいものないかなぁ、と探していたら、コレを見つけました。厚手で汗をたっぷりかいても、しっかり補聴器を守ってくれます。しかもカバーをつけたままスイッチの操作もでき、ぴったりフィットして抜け落ちたりずれたりしません。M・Lサイズがあり、補聴器の大きさに合わせて選べます。

欲を言えば、もっとカラフルな色があればよいと思います。今では補聴器も、赤、黄、青、ときれいな色が多く、隠す補聴器から見せる補聴器へと変わってきています。アクセサリーのように、補聴器にも毎日違う色の着せ替えカバーをはかせたら、気分はルンルン!?


耳マークカード

図 耳マークカード

このマークをご存じですか?これは耳の不自由であることを示すマークです。難聴者の全国組織である「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」(TEL:03―3225―5600、FAX:03―3354―0046)では、耳マークを印刷したメモ用紙、受付などに置く表示板等、各種グッズを販売しています。その中の一つ、耳マークカードをご紹介しましょう(頒価200円)。

聴覚障害者は目に見えない障害のために、人に理解してもらうことが難しく、適切な配慮をしてもらえないことが多々あります。また、耳が不自由なことを伝えてその時は配慮してもらえても、次に会った時にはすっかり忘れられていて、何度も説明するのも面倒ですね。このカードは、首から下げるぶら下げ名札に似ていますが、名札ではありません。「耳が不自由です。はっきり口元を見せて話してください」とか、「筆記してください」などと書いてあり、自分の聞こえに合わせて使い分けられます。これをつけるのは最初ちょっと勇気がいるかもしれませんが、つけてみると周りの人からさまざまな配慮を受けられ、つけていてよかったと感じられるはず。職場で、病院で、また災害時には避難所でも、必要なサポートを受けられ安心だと思います。ぜひお試しあれ。