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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2007年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●お風呂上がりも安心、他●

提案:中原えみ子 イラスト:はんだみちこ

中原えみ子(なかはらえみこ)さん

3歳から進行性筋萎縮症となり、15歳から車いす生活。現在は自立生活センターに勤めながら、毎日介助者を入れての一人暮らしをしている。


お風呂上がりも安心

お風呂や着替え、トイレは自力ではできないので、介助者の手を借りています。中でもお風呂はホイストを使って入っています。入浴が終わり、ホイストから車いすに移って、バスタオルを体に掛けるのですが、なかなかうまく巻けず、途中でずれてしまったり、ベッドに行く途中にはだけてしまったりということがありました。そこでバスタオル1枚を半分に折り、その折った部分の3分の2をはさみで切り、真ん中を首を通す部分とし、残りの切った部分にスナップをつけました。ポンチョのような感じです。これをお風呂上がりに着ることで、それまでのようにタオルが落ちたりすることはなくなりました。夏などはしばらくそのままでいても、洋服のようなので、気になりません。使用するバスタオルは、なるべく薄くて軽いものがお勧めです。


サテンの生地は、車いすからベッドに移る時と体位交換に便利

私は車いすからベッドに移る時は、介助者に足を引っ張ってもらって、移っています。全体重を抱えるのは女性介助者では難しいのと、ホイストを使わなくても、この方法ならあまり力のない介助者もできるので、今はこの方法を使っています。でも普通のシーツでは滑りが良くないので、思うように私の体がベッドのほうに動きません。そこでベッドの中央にサテンの生地(滑りやすい生地)を敷くようにしました。そのままでは動いてしまうので、サテンの両端には綿の生地をつけ、綿の部分をベッドの両端に挟み込むようにします。そうすることでベッド上にサテンの生地が固定されます。その上で私の足を引っ張るように動かすとベッドに移動できる訳です。サテンは滑る生地なので、何カ所かに滑り防止用のアップリケもつけてみました。

またこのサテンは滑りが良いので、体位交換をしてもらう時にも大変便利です。今では外に泊まりに行く時にも、このサテンの生地を持って行きます。外出用に綿の部分の生地とお揃いの袋を作りました。


エプロン式スカート

夏などは可愛いプリントのスカートをはきたいなと思っていました。ただ私の場合はベッドから車いすに移る時にスカートだと引っ張る箇所がなくて、きれいにはくことができませんでした。そこで考えたのは車いすに移ってからスカートをはく方法です。でもこれもなかなかうまくいかず、悪戦苦闘をするばかりでした。そこで考えたのがエプロン式スカートです。私は車いすから立つことはできないので、車いすに座っている時にスカートに見えればいいのではないかと思いました。短めのパンツをはいて車いすに座り、その後に膝の上からエプロンのように加工した生地を巻くだけです。これが見た目はすっかりスカートなのです。気分はルンルンです。この夏もまた新しい生地を買ってこのエプロン式スカートをはきたいと思います。おしゃれは日々の活力です。