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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

市区町村首長

笛吹市長(山梨県)
荻野正直(おぎのまさなお)

笛吹市は、山梨県・甲府盆地の中央東よりに位置し、笛吹川に沿って広がる平野部を中心に、四季折々の美しい風景を見せる丘陵・山岳地帯に囲まれた自然あふれるまちです。果樹畑が広がり、春には桃の花が当たり一面に咲き誇り、ピンクの絨毯を敷き詰めた光景は、壮観です。

平成16年10月、旧石和町、旧御坂町、旧一宮町、旧八代町、旧境川村、旧春日居町の6町村が合併、さらに平成18年には、旧芦川村と合併し、新「笛吹市」としてスタートしました。現在の人口は、約7万2500人。

古く縄文時代から繁栄し、古代甲斐国成立期から「甲斐国千年の都」として栄えてきました。長い歴史の中で育まれた文化遺産をはじめ、緑豊かな自然、桃・ぶどうを中心とした果実と湯量豊富な温泉などの観光資源を有しています。

本市では、一昨年から、各地域で市民ミーティングを開催するなど、広く市民の皆さまのご意見をいただきながら、第1次総合計画の策定を進めてまいりました。そして、「みんなで奏でる“にぎわい・やすらぎ・きらめき”のハーモニー」を将来像に、市民や事業者、団体などの参画と協働によるまちづくりの指針として総合計画「ふえふき協奏曲第1番」を定めました。

「やすらぎ」のある市民生活の実現のためには、保健・福祉の連携と機能分担により、効果的なサービスの提供を行うとともに、市民と行政が情報を共有し、共に考え、取り組んでいく体制づくりが必要であると考えています。そのために、昨年4月に「市民活動支援課」を新設しました。今後、福祉の分野にとどまらず、あらゆるボランティア人口の増加に努めていきたいと考えています。

さて、本市の福祉事業においては、平成19年7月、県下の市町村に先駆け「障害者自立支援協議会」を設置し、障害者の生活を支えるための福祉サービス利用にかかる相談事業の充実や、困難事例への対応等に努めています。

また重度の障害者の方々に社会活動、とりわけ外出機会を増やしていただくための、福祉タクシーシステム事業の助成や、福祉ホーム入居者の休日、夜間の介助サービスをケアグループに委託するなど、市の単独事業を行っています。

今後は、ますます障害者の高齢化や障害の重度化が進むことが予測されます。障害者が住み慣れた地域で安心して暮らしていける社会をつくるには、一人ひとりの実情にあわせた情報提供やサービスの確保をさらに進めていく必要があります。

総合計画の中では、「障害者の自立支援」と「ノーマライゼーションの推進」を具体的な施策の一つとして定め、計画を確実に実行するために、達成目標を数値化し、市民に分かりやすい指標を示しています。

障害のある人もない人も、互いに人権を認め合う「共に生きる社会」の実現を目指していきます。