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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2010年12月号

特別企画

2010 私が選んだ今年の5大ニュース

北海道
小山内美智子(おさない みちこ)

社会福祉法人アンビシャス施設長。1977年札幌いちご会を結成し、「どんなに障がいの重い者でも地域で生きる運動」を始めた。言葉だけの訴えではなく、アパートに住み、地域のボランティアに支えられながら個室で暮らせることを訴えた。『障害を持ったヤクザ』だと当時言われていた。今は…?

1.私の悪性リンパ腫が治った!

2年前、悪性リンパ腫と医師から告げられ、死んでいくデータを見せつけられた。しかし、周囲のヘルパーさんたちの明るい笑い声のケアの中で私は100%ガンが治った。希望と夢と愛があればガンは治ります!

2.仲間が歌を作詞した!

清原文浩さんという脳性マヒで全身がマヒし言葉も喋れない、微かに動く右足の親指で詩を書いている仲間がいる。札幌でシンガーソングライターである桜庭和さんと出逢い、彼は甘い声で歌を作ってくださった。もうすぐCDができる。『僕の奇跡』という。全国的にヒットしますように…。聞いてください。

3.バンクーバーオリンピックがバリアフリーになった!

パラリンピックで旭川のアイススレッジホッケーチームが銀メダルを取った。今年から、オリンピックと同じメダルになったという。厚い壁がやっととれた!うれしい情報である。

4.障がい者郵便割引不正証拠改ざん事件

この事件により、全国の障害者団体は振り回された。80%以上会費を受け取らなければ第三種郵便は使えないと郵便局は言い張った。警察で取り調べるような感じで責められた。多くの障害者団体は、通信を出すことを諦めた。弱い者いじめだ。

5.北海道大学で脳性マヒの人が弁護士になった!

私たちを助けてくれる大きな味方ができた。障がい者が犯罪者になったり犯罪にまきこまれたりする例が多くなってきている。愛が無いからである。彼に愛を伝えてほしい。


北海道
佐々木寛(ささき ひろし)

北海道生まれ、精神科病院、小規模作業所や共同住居等の立ち上げ、運営を実践後、地域生活支援センター・ハート釧路開設。精神障害者の地域移行に関わり地域生活支援を展開。道より地域づくりコーディネーターとしての委嘱も受け活動中。北海道精神保健福祉士協会会長。

1.全国精神障害者社会復帰施設協会破産申請

全国の精神障害者施設の運営向上を目的に研修、調査広報、情報支援等を展開したが、「ハートピアきつれ川」補助金不正受給の有罪判決を受けて厚労省から1億円の返還命令が出され、運営のめどがたたないこととなる。嘆かわしいと思うのは私だけであろうか。

2.「自殺と貧困」を考えるシンポジウムに市民800人

3月、東京でシンポジウム開催。職場の過労で3人の子どもを残し自殺した父、その家族や当事者が体験談を語った。鳩山首相(当時)や福島瑞穂大臣(同)も駆け付けた。今後も国民一人ひとりが考えていくことを続けなければならない。

3.精神科の身体拘束が増加1.3倍に

精神科病院で患者さんの身体拘束が年々増加し、4年間で1.3倍になっていることが10月、厚労省の調査で明らかになる。認知症患者さんの入院が増加しているとの見方もあるようだが、そもそも精神科病院の役割とは何か、国の姿勢が問われているのであろう。

4.大阪発…精神疾患で休職職員583人

精神疾患で休職した大阪府の教職員が583人と、全国でもっとも多いことが分かる。この問題は大阪に限らず全国的な傾向でもあり、国の教育現場の実情を改めて国民皆が認識しなければならない。

5.精神障害者リハビリテーション学会でのピアサポーター

10月、全国から800人の参加があった今年の浦河大会、昨年の福島大会に続き、地域移行(退院促進)で北海道が実施しているピアサポーターの取り組みが自主企画で開催される。北海道の取り組みがさまざまな形でさらに広がることを願う。


東京都
中橋真紀人(なかはし まきと)

1951年生まれ。大学時代より映画一筋。自主製作のアニメ「どんぐりの家」を皮切りに、車椅子バスケの青春映画「ウィニング・パス」、きょうされん30周年「ふるさとをください」、ろうあ連盟60周年「ゆずり葉」などを推進。

1.「アバター」のメガ・ヒットによる3D映画ブームの到来!

作品の物語の魅力もあり、素晴らしい立体映像の面白さに観客が押し寄せた。しかし、その後も3D作品のレベルはさまざま…。

2.「ハートロッカー」がアカデミー賞の作品・監督・脚本賞を獲得!

「シャッターアイランド」など、精神疾患の世界を背景とするアメリカ映画が話題となる。現代社会の苦悩を反映したと言えるのだろうか?

3.「キャタピラー」で寺島しのぶがベルリン映画祭主演女優賞を獲得!

悲惨な太平洋戦争の犠牲となった兵士=障害者を描くハードな物語で、体当たりの熱演に高い評価。重苦しい作品で、鑑賞に辛い気持ちになる…。

4.「ザ・コーブ」がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝く!

和歌山県太地町でのイルカ漁を批判する記録映画に注目が集まり、賛否両論のなか、「反日」という理由の抗議活動で「上映中止」という異常事態も…。

5.障害者問題をテーマとする映像作品の詳細なリストが初めて発表される!!

「つながり映画祭」(主催:きょうされん)を契機とした作品情報の収集から、二百数十本ものリストがデータとなり、『ノーマライゼーション』2010年5月号に掲載。


東京都
久松三二(ひさまつ みつじ)

1954年生まれ。1980年より聴覚障害連盟等の活動に関わり、現在、財団法人全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長。趣味は、読書と囲碁。妻、長女、長男の4人家族。

1.障がい者制度改革推進会議の発足

障害当事者と関係者が過半数を占めた推進会議は、障害者とその関係者に大きなインパクトと夢を与えた。「私たち抜きで私たちのことを決めないで」権利条約の理念に沿った国内法整備の動きは、わが国の障害者政策の歴史を変えインクルーシブ社会構築の第一歩。

2.聴覚障害者制度改革推進中央本部の発足

応能負担を導入した自立支援法に対応するために発足した聴覚障害者「自立支援法」対策中央本部(5団体)に全国盲ろう者協会が新しく加わり、聴覚障害者制度改革推進中央本部に衣替えした。聴覚障害に関係の団体が一堂に会したのは大きな前進であった。

3.We Love パンフ運動

盲ろう者を含む聴障者を国民に理解してもらおうと啓発パンフ『We Love コミュニケーション』30万部普及運動を開始した。30年前の『I Love コミュニケーション』120万部普及運動は今日の手話通訳制度の基礎を築いた。今回は「私」から「私たち」への転換であり、権利条約の理念の実現に向けた私たちの運動でもある。

4.10.29大フォーラム 1万人集会

東京・日比谷公園に全国から1万人が集まった10.29大フォーラムは、障害者の声を無視して作られた自立支援法を廃止し、障害当事者が新法を自らつくることへの期待と夢があふれていた。このエネルギーがわが国の制度改革推進の大きな原動力になっている。

5.「手話言語法」制定推進研究会の発足

ろう者の長年の夢であった手話が言語法として制定される機運が高まり、研究会を立ち上げたことは多くの教育者、研究者、手話通訳者、手話を必要とするろう者に大きな期待と夢を与えた。


東京都
関根千佳(せきね ちか)

株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所 http://www.udit.jp/)で、だれにでも使いやすいICTをコンサルしている。代表取締役社長。温泉を巡る旅が元気の源。

1.村木厚子さんの冤罪

事件の最初から「有り得ない!!」と思い、陰ながら応援していた村木厚子さんの無罪がやっと確定した。歴史に残る冤罪事件となった。怪しげな組織に便宜を図るような人ではないと、障害者団体ならだれもが知っていたことを、検察は信じなかった。事件の裏に隠された真実を知りたいと思う。

2.人工股関節の手術

先天性股関節脱臼の後遺症で痛みがひどくなり、人工股関節の手術をした。手術自体は数時間で終わり、1週間で退院したのだが、85歳の認知症の方と2人部屋で同室だったので、夜中のせん妄につきあった。得難い経験だった。

3.障害者手帳の取得

退院後、4級の手帳を申請に行った。ほとんど動けない状態の本人が出向いて申請するのは、結構しんどいことだ。自分に関わる福祉制度を理解するのも大変。もっとわかりやすくできないのだろうか。

4.東大のジェロントロジーコンソーシアム

3年目に入った東大の加齢学研究で2030年のロードマップを作っている。これからの未来社会を考える上で重要なものだ。高齢社会日本の経験を、世界でシェアできれば、高齢や障害の力をもっと活かせるはず。

5.「ユニバーサルデザインのちから」発刊

3月に3冊目の単著となる本を生産性出版から出した。新入社員の柚衣(ゆい)さんが、会社や社会で出会うさまざまな人々や出来事から、ユニバーサルデザインの重要性を学んでいく。女子大の講義用にと書いたものだが、企業の男性にもうけているらしい。


神奈川県
宮澤京子(みやざわ きょうこ)

1970年兵庫県出身。体育大卒業後、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールに勤務。リハビリテーション・スポーツ教室をはじめ、発達障害のある学齢女児を対象としたダンス教室を担当。

1.アダプテッドエアロビック大会2010開催

10月10日(日)に横浜ラポールで開催され、フライト競技の障害者部門が全国で初めて実施されました。横浜開港150周年記念事業を契機に、昨年度から当センターを会場に始まったこの大会。今後の発展が大変楽しみです。

2.シニア世代、体力右肩上がり

障害を問わずシニア世代が元気になることは、介護予防の面からも大変重要です。個々が運動習慣を身につけ、体力を向上させることと同じく、地域におけるスポーツを通じた人と人とのつながり、コミュニケーションの場というものがより広まっていくことを期待し、今後も注目したいと思います。

3.アンプティーサッカーW杯出場へ

チェアスキーはもちろん知っていますが、両腕で杖をつきながら片足でピッチを走りボールを操作する、大変ハードな競技スタイルに驚きました。W杯初出場という追い風を受け、今後も競技の発展と選手の増加に期待したいと思います。

4.第32回アビリンピック(全国障害者技能競技大会)開催

職業能力・技能を競い合う大会。今年は新横浜を会場に開催されました。大会の開閉会式が当センターで行われたこともあり、非常に身近に感じられました。

5.チリ落盤事故、作業員無事救出

救出までの2か月以上にわたる報道。想像を絶する環境からの生還は、世界中が注目する大変大きなニュースとなりました。作業員たちの絆やチームワーク、周囲の協力体制が注目され、最後の一人が救出されたときは私も拍手をせずにはいられませんでした。


滋賀県
中崎ひとみ(なかざき ひとみ)

滋賀県生まれの滋賀県育ち。共生シンフォニーの常務理事とがんばカンパニーの所長。

製菓事業では味見担当。前身の小規模作業所時代から経営を行い、現在は障がい者だけではなく社会的に排除された人たちの共に働く場「ソーシャルファーム」の実現を目指している。

1.推進会議で社会的雇用、社会的事業所が検討される

障がい者制度改革推進会議で、このような言葉が度々出されるようになりました。言葉の定義や方法などは、まだ議論中のようですが、これが障がい者の雇用創出につながっていくことを期待しています。

2.新しい就業のあり方「ソーシャルファーム」の研究調査始まる

厚生労働省の総合福祉推進事業として表題の研究が始まりました。企業的経営手法を用い、障がい者を含むハンディのある人を雇用する、一般企業でもなく福祉的就業事業所でもない、“第三の場”としての「ソーシャルファーム」の研究が進み、雇用が広がることを期待しています。

3.史上初、共同連全国大会がきょうされん宮城と共催で開催

8月に仙台で、共同連全国大会がきょうされん宮城と共催で開催されました。団体の壁を越え、障がい者の労働や制度、賃金、対等性についての議論がなされました。障がい者を主体に互いに協力して新しい時代を創り上げていこうとする扉が開いた気がしました。

4.社会福祉法人共生シンフォニー、創立25周年!

1986年に前身の小規模作業所を立ち上げ、今年で25周年を迎えました。これからも先に逝った仲間たちの努力や描いた夢を大切に次世代につないでいき、だれもが安心して暮らせる社会づくりを目指していきます。

5.がんばカンパニーが新工場完成。50人定員のA型となる

今年3月に念願の新工場が完成、引っ越しをしました。就労継続支援A型の定員も最賃減額なしに50人に増やし、障がい者、就労困難者も含め、合わせて80人の働く場を作ることができました。


京都府
高木俊介(たかぎ しゅんすけ)

精神科医。精神病院、大学病院の勤務を経て、2004年より重度の精神障がい者に対する訪問ケアであるACTをはじめる。

1.GDP中国に抜かれ世界第3位に(…なる予想。来年にならないと結果は出ないが。)

これからは小国主義をかかげて福祉を充実させ、障がい者、老人、若者らが共生できる社会にしていくしか日本の生きる道はない。

でも、ダイジョウブ、わが国はまだまだ世界一の「精神病院大国」です。

2.障がい者制度改革推進会議第一次意見書、出る

ノーマライゼーションからインクルージョンへ。障がい者総合福祉法(仮称)制定、障がい者権利条約締結への第一歩となるか。

3.トリエステから改革の中心人物らが来日、各地で講演

精神病院を捨てた国イタリアはトリエステから精神保健の大物3人が来日。しかし、ニコニコと歓迎していてはいけない、本当は恥ずかしい。多くの日本の精神医療関係者がトリエステ詣でにいそしんできた。しかし、だれ1人本気でトリエステを創(つく)らなかった。

4.私がタバコを吸いはじめた

いつから私たちの社会はこんなにも潔癖で感情的になってしまったのだろう。こわい。

5.高木俊介著「こころの医療宅配便」文藝春秋社より発売

え? これがニュースかて? いえいえ、天下の文春が精神障がい者のこと書いた本出版でっせ。ええことでっしゃろ。買うてや。


大阪府
岡田弥(おかだ あまね)

日本ライトハウス情報文化センターサービス部長。米国生まれの奈良育ち。京都大在学中の点訳サークル活動がこの世界へのきっかけ。法人内のリハビリ部門に10年間勤務後、情報部門に異動。視覚障害リハ協会理事、視覚障害乳幼児研究会幹事、きんきビジョンサポート副代表等、視覚障害の世界にどっぷり。

1.国民読書年

2010年は文部科学省が定めた国民読書年。著作権法改正や電子書籍の普及、「サピエ」のスタートなど、視覚障害者の読書について取り組む1年でした。私もiPad買っちゃいました。

2.著作権法改正

著作権法が改正され、点字図書館等は、点字と録音だけでなくテキストや電子データで図書を提供できるようになりました。また、視覚障害者だけでなく、学習障害や上肢障害などで活字図書を読むのが困難な人も対象となりました。

3.「サピエ」スタート

視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」がスタートしました。利用登録すれば、加盟館の点字・デイジーデータ等の蔵書検索、オンラインリクエストが可能で、さらに点字やデイジーデータのダウンロードも可能です。

4.マルチメディアデイジーが広がる

著作権法改正により学習障害者を中心にマルチメディアデイジー(本文と文字・画像と音声が同期しているデイジー)が広がってきました。先行投資してマルチメディアデイジーの普及に努めてきた日本ライトハウスとしてはうれしいことです。

5.地デジテレビ普及が本格化

三菱やパナソニックから電子番組表などを音声で読み上げる機能の付いたテレビが発売され、地デジテレビへの注目が高まりました。日本ライトハウスでは、視覚障害者の地デジ広報事業(実は私も地デジ説明員)に積極的に取り組みました。


大阪府
栗原久(くりはら ひさし)

1959年生まれ、財団法人箕面市障害者事業団常務理事兼事務局長。今年4月からは、非常勤で箕面市市長政策室参与を兼任。市長の代理で障がい者制度改革推進会議総合福祉部会にも出席することも。

1.倉田哲郎箕面市長が、総合福祉部会構成員に

障がい者制度改革推進会議が発足し、倉田市長が総合福祉部会の構成員になりました。一般就労と福祉的就労の谷間の社会的雇用の国の制度化を求めて、積極的に発言を続けています。

2.「就労」合同作業チームが立ち上がりました

推進会議と総合福祉部会合同で、作業チームをスタートさせました。初回から、福祉的就労従事者の労働権が認められていない現状を巡って、白熱した議論が交わされました。

3.箕面市障害者事業団が設立20周年を迎えました

平成2年(1990年)、アメリカでADAができた年に事業団は生まれました。職業的重度障害者を職員として雇用するほか、施設からの実習受け入れ、一般企業への就労支援、さらには作業所の販路拡大まで盛りだくさんの事業を行っています。

4.村木厚子さん無罪に、そして共生社会政策担当の内閣府政策統括官に

実は、村木さんが障害者雇用対策課長になられた平成9年度(1997年度)から労働省の研究会に入れていただいていました。当時、ご一緒に対談させていただいたり、とてもお世話になりました。それだけに今回のことは、大変うれしく思っています。

5.箕面中央朝市inかやの広場、8月からオープン

国(大阪府)の緊急雇用創出事業を活用して、猛暑の中、毎週、日曜と水曜に朝市をスタートしました。農家さんの直売所ができ、市民に新鮮な野菜が届き、就労移行支援事業の新たなトレーニングの場が生まれと、win-win-winを目指しています。


福岡県
小林博光(こばやし ひろみつ)

独立行政法人労働者健康福祉機構 総合せき損センター 医用工学研究部に勤務。日本リハビリテーション工学協会理事。同団体の車いすSIG常任世話人。

1.某企業の会話補助装置の開発再開

当事者視点で考案された携帯用会話補助装置を開発販売していた企業が営業終了に追い込まれました。しかし、ネット上で復活を求める活動が展開され、再び新製品を開発販売することに。福祉機器関連から撤退する企業が多い中、気持ちの良いニュースでした。

2.所在不明の高齢者と年金の不正受給

戸籍上は「生存」しているのに現在の住所が確認できていない高齢者の存在が明るみになりました。中には意図的に年金の不正受給を狙ったケースもあるとのこと。清く正しく長生きしたいものです。

3.事業仕分け第2~3幕

廃止・見直し・縮小という結果となった事業も多くありました。しかし、それに対応していない事業や、名を変えて予算請求している事業も多々あるとのこと。残念です。でも、事業仕分けの様子をメディアで見ることによって、いろいろな事業がどんな計画で進んでいるのか興味を抱ける良い機会にはなりましたね。

4.エコカー補助金・減税

おかげで自動車が大いに売れました。が、その反動で不景気になっています。CO2は削減できたのでしょうか。電動車いすも立派な「EV」なので、補助金やら購入支援金やらあるといいのですけどね。

5.3Dが流行(はや)る

ハリウッド映画の3Dが、これまでの常識を覆すクオリティの技術で大流行しました。これがきっかけで、大型液晶テレビやデジタルカメラ、携帯型ゲーム機などにも、3D技術の波が押し寄せてきました。3D携帯型ゲーム機が、会話補助装置や意思伝達装置に応用できると楽しいですね。


アメリカ
細田満和子(ほそだ みわこ)

ハーバード公衆衛生大学院研究員。博士(社会学)。主著に『「チーム医療」の理念と現実』、『脳卒中を生きる意味―病いと障害の社会学』。医療・福祉のさまざまな問題に関心を持ち、現在は患者団体のアドボカシー活動に注目。

1.障がい者制度改革推進会議と総合福祉部会

2010年1月から開始され、当事者の声を反映した政策として、制度の谷間を作らずにサービスを必要とする人に提供できる福祉の仕組みづくり、自立支援法の廃止、障害者の基本的権利が守られる新法の成立などが目指されています。

2.慢性疲労症候群(CFS)を共に考える会の発足

CFSの患者とその友人知人たちによる、CFSについて共に学び、病気の正しい認知を広め、医療制度や社会保障制度の確立を目指した会が2月に発足しました。制度の谷間から声を発し、新聞や雑誌でも取り上げられるようになりました。

3.多田富雄氏のご逝去(4月)

免疫学の権威にして文筆家で能の脚本家、2001年に脳卒中を発症後、執筆活動はより盛んとなり、2006年のリハビリ診療報酬で180日上限が決められたことに対して撤廃運動を展開して48万余の署名を集めました。ご冥福をお祈りします。

4.ポリオの会の不活化ワクチン推進運動

諸外国がすでに生ワクチンから不活化ワクチンへ切り替えている中、日本ではいまだに生ワクチンの予防接種によってポリオに罹患している現状を変えるため、不活化ワクチンへ切り替えるよう、夏には署名を、10月には都内でデモを行って訴えました。

5.自動車損害賠償保障制度を考える会の結成

国の特別会計に貸し出された自動車事故被害者救済のための6000億円が、事業仕分けで返済されなくなる危機を回避すべく、日本自動車会議所を中心に、脳外傷友の会等の被害者団体、保険会社、自労連、日本医師会が共に運動し、10月の仕分けを乗り切りました。