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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2013年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●便利なショルダー付き洗濯かご、他●

提案者:高木佳子 イラスト:はんだみちこ

高木佳子(たかぎよしこ)さん

CILくにたち援助為センターの非常勤職員として、脳血管障害による後遺症をもつ仲間のグループ「中途ピアくにたち」の事務局を担当。

2007年、心臓疾患が原因による心原性脳梗塞を発症、左半身マヒで杖歩行。

私は脳血管障害による左半身マヒで補装具と杖歩行で暮らしてます。女性の立場で生活の工夫を少しだけ紹介したいと思います。


便利なショルダー付き洗濯かご

わが家は2階のベランダが狭いので、洗濯干しはもっぱら乾燥機と部屋干しです。

洗濯が終わると、使わなくなった古いカバンのショルダーを付けて改良した洗濯かごに入れて2階に上げます。2階までは階段で、ここにはもちろん住宅改造で手すりが付いています。手すりを使って移動するために、必要なものはすべて自分の身に付けるほかありません。退院して自宅での生活が始まった時に、家族が最初に作ってくれたのがこのショルダー付き洗濯かごでした。

今でも、このショルダー付き洗濯かごは何かと便利で重宝しています。


洗濯干しはハンガーを活用。自分のペースでゆっくりと

2階に運んだ洗濯物は、ベッドの上に大きなゴミ出し用のビニール袋を広げて、1枚ずつ形を整えてからハンガーを差し込んでいきます。ハンガーに衣類をかけ終わったら、室内用の物干しにかけていきます。ソックスなど小さな物もクリップにはさむのが難しいので、ついついハンガーになってしまいます。

どうしてもクリップを使いたい時は、やはりビニール袋の上に一度置いてからゆっくりゆっくりはさみます。ぶら下げた状態で物をはさむことは、片手ではとても難しいのです。リハビリのためにあえて挑戦したこともあるのですが、“できない”イライラが募って逆効果。結局、ゆっくりゆっくり自分にできるペースでベッドに置いてからやる、現在の方法に落ち着きました。

洗濯をたたむ時も同様にハンガーをはずし、ベッドの上で形を整えてからたたみます。タオル類もとにかく広げてからたたむ。これは、入院中にOTの先生から教えていただきました。


お風呂ではタオルを使い分ければ片手でラクラク

入浴の時は、通称「お風呂グッズの袋」と呼んでいる布製のショルダーで着替えを運びます。これはエコバッグでも可です。

入浴の時は、フェイスタオルは使わず、いつもハンドタオルを使います。私は左マヒなので、右手だけで自由に使える小さなタオルが便利です。最後にタオルを絞る時は、手すりの根元にタオルをまわし、右手で絞ります。お風呂からあがる時は、用意しておいた乾いたフェイスタオルで、ここではあえて長いタオルを使って髪を拭き、タオルを振り回して背中にあてます。

お風呂からあがってからは、バスタオルの替わりに丸首、袖なしのタオルドレスをかぶります。最初、このタオルドレスは家族がバスタオルをリフォームして作ってくれましたが、今は市販品を使っています。

髪の毛を乾かす時は、洗面台のガラス面に取り付けた吸盤にドライヤーをはさみ、ドライヤーを手で持たずに使います。この吸盤とドライヤーをはさむクリップは市販されています。時々はずれますが、これは大変便利です。