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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●横断歩道を渡る時の注意点、他●

提案者:西村徹也 イラスト:はんだみちこ

西村徹也(にしむらてつや)さん

私は両眼0.02の弱視です。視神経萎縮のため中心部が見えにくいのですが、視野はありますので少しは行動することができます。現在、特定非営利活動法人アイ・サポートセンターの理事長を務めています。加古川市在住。


横断歩道を渡る時の注意点

最近は車社会になり、私が住む田舎町でも道路幅が広くなってきています。ですが、私の視力では、信号は見えません。長い横断歩道または、変形した信号のあるところの横断には一苦労します。

私は、ヘルパーさんなしで1人で横断歩道を渡る時は、左右の車が止まると信号が青になったことが分かります。そして、人が動き出すと渡っても大丈夫だと思い、人の流れに乗って歩行します。しかし、車の交通量が少なくて、利用する人も比較的少ない小さな横断歩道の場合、信号を無視して赤信号なのに渡ってしまう人がいます。私もつられて渡ってしまい、渡ってしまってから赤だと気付くことがあります。このようにならないよう、小さな横断歩道では、特に注意して横断するようにしています。


弱視眼鏡やルーペなどの活用

私は、昭和42年に国立神戸視力障害センターに入所した時に点字を習ったのですが、点字を目で見ていたために指で点字を読むことができませんでした。社会に出てからは、文章を読んだり書いたりする時は点字を使わず、墨字(視覚障害者は、晴眼者が使う文章や書類等の文字のことを墨字と言います)を使っていました。

当初は、メガネ屋でルーペを購入したのですが、当時のルーペの倍率はせいぜい2倍から3倍にしかなりません。この倍率では私の視力矯正には役に立たず、少しでもよく見えるメガネやルーペはないかと探し求めました。

現在は、弱視眼鏡を使っています。弱視眼鏡を使うことによって、8~10倍に拡大されます。手書きで文章を書く時は倍率の低い弱視眼鏡に変えています。また、資料などを見る時などは、倍率の低い弱視眼鏡にルーペを使って倍率を上げて読んでいます。最近は5倍、20倍になるルーペもあるので、時と場合に合わせてそれらを使い分けています。


パソコンの活用

私は、特定非営利活動法人の認可を受けて、視覚障害者をメインとした同行援護(改正前は移動支援)の事業所を立ち上げて9年になります。

パソコンは事務処理を行う上で必需品です。私は昭和50年頃からパソコンを使い始めました。当時は、パソコンと周辺機器一式に拡大ソフトを合わせて、80万円くらいしたのを覚えています。

現在は、PCTalker(画面読み上げソフト)を使い、文書の作成や表計算などの事務処理を行なっています。このほか、行政への届け出様式をインターネットからダウンロードしたり、年賀状の作成なども行なっています。PDFや手書き文字は、専用のスキャナーでパソコンに取り込み、読み上げソフトで読んでいます。他の活用方法として、デジカメで撮った写真をパソコンで拡大して見ています。

このように、パソコンは私の日常生活になくてはならないものになっています。