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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●呼吸器を安定させて安心な外出を、他●

提案者:三浦大輔 イラスト:はんだみちこ

三浦大輔(みうらだいすけ)さん

生まれつきの病気(筋ジストロフィー、デュシェンヌ型)により、電動車いすで生活。26年間の親元での生活を経て、2年前に念願の自立生活を実現させた。現在は、CILいろはでイベント企画やFacebook管理などを担当している。趣味は音楽鑑賞。年3回ほど好きな歌手のライブに行ったりして、自立生活をエンジョイしている。


呼吸器を安定させて安心な外出を

私は人工呼吸器を使って生活しています。車いすに搭載した呼吸器が移動中の揺れなどでずれないように固定する必要があります。呼吸器は私にとって体の一部なので落として壊れたら一大事です。

最初は、車いすの後ろに台を取り付けて伸縮性のあるロープで二重巻きにして固定しました。しかし見栄えや安定も悪く、取り付けに時間がかかるので別な方法を考えることにしました。新たに考えたのは、呼吸器より少しだけ大きいカゴを百均で購入して、車いすの後ろの台に取り付けそこに設置しました。そして、雨の日も安心して外出できるように、防水加工の自転車かごカバーも購入しました。カバーには、モニターが見えるように窓をつけ、ホースを通せるように切り込みを入れました。

現在は、移動中に呼吸器がずれることなく、雨なども気にせず、安心して出掛けられるようになりました。最近では旅行も計画しています。


小型ジョイスティックで快適な車いす操作

私が利用している電動車いすのコントローラーは、小型ジョイスティックです。

私は握力がごくわずかしかありません。今までは何とか普通のコントローラーで操縦できていましたが、運転がおぼつかなくてよく何かにぶつかっていたので、いつか通行人にぶつかるのではないかと内心ヒヤヒヤでした。さらに、冬場は手がかじかむと、まったく力が入らなくて操縦不可能になります。何か良いコントローラーがないかと考える日々でした。

ある日、今使っているジョイスティック型のコントローラーに出合いました。今までのコントローラーとは違って軽い力で操縦が可能です。私はこの小型コントローラーをあえて固定せず、左手でコントローラーを持ち、右手で操作をしています。おかげで物や人にぶつかる心配もなく、安全で快適な運転で外出を楽しむことができています。

また、車いすにはチルト・リクライニング機能が付いています。介助者にスイッチを切り替えてもらえば手元の小型コントローラーで操作できるので、疲れたら車いす上で休めて安心です。

でも、飛ばし過ぎには気をつけています。やっぱり安全第一が大切ですから。


介助者と映画を楽しみたい

私は音楽以外に好きなものがあります。それは映画鑑賞です。

自立生活をする前は、映画を観に行くのも一苦労でした。なぜなら、当時は親の手を借りなければ外出ができない状況で、両親の都合が良い日にしか観に行けませんでした。弟もいるのでなおさら行けません。

自立生活を実現させてからは、休みの日は暇さえあれば映画を観に行っています。

映画を観に行く時は介助者と一緒ですが、その時に工夫していることがあります。出かける前に介助者に映画を観に行くことを話して、介助者も興味のある映画の場合は映画代を折半します。興味のない場合は、私が介助者の分も負担することにしています。

このような工夫をすることで、介助者もモヤモヤを感じませんし、私も介助者に気を使わず映画を楽しむことができます。

これからも好きな時に映画を観に行き、誰にも負けない映画通になりたいと思います(笑)。