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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●「eRemote(イーリモート)」を使って快適生活!、他●

提案者:島本卓 イラスト:はんだみちこ

島本卓(しまもとたかし)さん

兵庫頸髄損傷者連絡会の島本です。私は、頸髄損傷C4(四肢麻痺)です。頸髄損傷になり首から下の動き、知覚を失って10年になります。電動車いすを使用しています。操作は、チン(あご)コントロールで行なっています。自立生活を始めて、1年が経ちました。自立生活のスタート時には多くの不安がありましたが、今は毎日の生活が楽しいって思えてます。今後も「自分らしさ」にこだわっていきたい。


「eRemote(イーリモート)」を使って快適生活!

私の環境制御装置へのイメージは、「高価」「設定の手間」「大きい」です。某メーカーの環境制御装置を9年間使っていました。環境制御装置を使うことで、日常生活の中で自分の好きな時に機器のON-OFFができて、一人でいられる時間もできました。

現在は、環境制御装置から、「イーリモート」に変更しました。イーリモートは、福祉機器としての販売、レンタルは行なっていません。インターネット通販では、1万円以下で購入することができます。専用アプリは無料で利用できます。スマホとWiFi環境があれば、機器登録をしてすぐに利用可能です。私はテレビやエアコン、照明、扇風機などの操作をこの機器でしています。外出先からの帰宅時に、最寄り駅から照明を点けるなど、ほぼ環境制御装置と似た機能があります。これこそがユニバーサルデザインだと感じています。


私の入浴方法

私が今住んでいる部屋は、バリアフリー物件ではありません。平成28年2月に住み始めて、1年になります。

部屋の広さには満足していますが、トイレと浴室は車いすのまま使うことができません。そのため購入した浴槽を部屋に置いて、お風呂に入っています。入浴時は、移乗用リフターとシャワー用スリングシートを使用します。この入浴方法は、同じ頸髄損傷の先輩に教えてもらいました。シャワー浴だと体が冷えやすいですが、肩までつかれるので体がとても温まります。

また、シャワーチェアーと違い、お尻への負担も軽減をさせることができます。体や洗髪については、ベッド上にビニールシートを敷いて洗っています。洗髪時には頭部のみ、フラットシートを敷きます。お湯はお風呂場からホースで溜めていき、排水は洗濯時にも使うポンプを使って入ります。

物件を探す時、すべての条件をクリアできる物件を探すのは難しいと思います。だからといって諦(あきら)めてほしくないです。私のように優先順位から考えていけば、解決策も見つけられるはずです。1事例として参考にしてください。


電動車いす上でもMyライフを満喫

頸髄損傷者のイメージはベッド上での生活と思われがちです。私の場合、1日15時間も電動車いす上にいることが当たり前になっています。ベッド上にいるのは、入浴後の就寝の時だけです。性格的に、じっとしていられないだけかもしれません。

また私の場合、日常生活の中で介助者がいない時間帯もあります。1人で外出する時もスマートフォンを活用することで、緊急時も含めた連絡手段の確立ができています。さらに外出中でも、自宅内のパソコンメールや来客者の確認と応対ができています。自分の好きな時に行えることが、最も重要だと思います。

現在のIT技術があることで、重度障害者の社会参加への環境が整い始めているように感じています。IT技術を活用するために、自分のニーズに合った特別仕様の補助具が必要になります。

私はスマートフォンを操作する際、オリジナルスティックを口にくわえます。カーボン素材の棒に通電するシリコンチューブを取り付け、先端にはタッチペンの一部を使いました。完成までの工程も、とても楽しく感じられる瞬間です。

私は「自分らしい生活がしたい」という思いを持ち続けていて、電動車いすになった今でも実現させています。