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発行日:平成23年(2011年)4月5日(火)

厚生労働省生活支援ニュース第1号

厚生労働省 Ministry of Health, Labour and Welfare

出典:
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017y57-img/2r98520000017y7w.pdf

「避難所で生活されているみなさんへ」

東北地方太平洋沖地震では、多くの市町村が甚大な被害を受け、地域にお住まいのみなさんも大変なご苦労をされていることと存じます。心よりお見舞い申し上げます。

このたび、厚生労働省では、被災されたみなさんの健康維持や生活支援、仕事探しなどのための情報を「生活支援ニュース」としてお届けすることになりました。

このニュースが、少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。

みなさんのまわりに、目や耳の不自由な方や、身のまわりの状況が即座には把握しにくい、といった方はいらっしゃいませんか?

そうした方は必要な情報を得ることが難しく、支援の手がさしのべられないおそれがあります。

耳の不自由な方には筆談で情報を伝えるなど、周囲の人の手助けが必要な方に、ちょっとした心配りをお願いします。

◎もくじ

健康のために

医療・介護支援について

配慮が必要な方へ

生活支援について

しごとの支援について

●健康のために

こころの健康のために気をつけること

からだの健康はもちろんですが、こころの健康も大切です。避難先では顔なじみや話せる相手を見つけ、困ったことがあれば、ひとりでかかえ込まずに相談してみましょう。眠れないときでも、横になるだけで、からだもこころも休めることができます。

まわりの人が不安を感じているときは

  • そばに寄り添い、安心してもらえるようにしましょう。
  • 困っていることがあるかもしれません。相談に乗ってあげましょう。
  • 相手の目を見て、ゆっくりと話しましょう。

子どもが不安を感じているときは

  • 子どもをひとりにせず、安心・安全感を持たせてあげましょう。
  • 抱っこや体をさするなど、スキンシップを増やしましょう。
  • 赤ちゃん返り、わがままなどが出ても、しっかり受け止めてあげましょう。
  • 深刻な映像を繰り返し見ると、不安な気持ちが強くなることがあります。そのような場面を子どもに見せすぎないように、大人が配慮しましょう。

即席マスクの作りかた

感染症を防ぐため、マスクはできるだけ頻繁に交換することが大切です。

いらなくなった衣類で簡単に作ることのできるマスクをご紹介します。

※できるだけ清潔な衣類をご使用ください。

1 そでを切り取り、中心で折り返して、二重にする。

即席マスクの作り方1

2 すそを切り取り、ヒモを 2本つくる。

即席マスクの作り方2

3 折り返したそでにヒモを通し、上下、それぞれをしばる。

即席マスクの作り方3

被災者支援サイト OLIVEより転載。URL http://www.olive-for.us/

からだの健康を守るために気をつけること

避難生活をおくるうえで、病気にかからないために大切なことを以下にまとめました。

1 生活・身のまわりのこと

トイレで体調を崩さないために

  • トイレが不足していたり、汚れていて使いたくないなどの理由で、食事や水分を控え、トイレに行く回数を減らそうとする方が少なくありません。しかし、トイレをがまんし続けると、脱水症状や感染症、さらに重い病気の危険性が高まります。そうなる前に、水分をとるよう心がけましょう。
  • 特に高齢者は脱水に気づきにくいため、意識して少しずつでも水分をとりましょう。
  • トイレはできるだけ男女別に分けましょう。
  • 感染症を防ぐため、きれいな水が使える場合は石けんで十分に手を洗いましょう。
  • 掃除の担当者を決め、定期的に清掃・消毒しましょう。

飲み水でおなかをこわさないために

  • 生水を飲むのは避けましょう。
  • 給水を受けてくみ置きした水には、配給された日時を書いておきましょう。古くなった水は生活用水などにし、飲み水としては使わないようにしましょう。
  • 井戸水を飲む場合は、煮沸するなど殺菌してからにしましょう。

食べ物でおなかをこわさないために

  • 食事の前にはきれいな水で手を洗うのがいちばんですが、水が確保できない場合、手指用の消毒アルコールがあればそれを使うようにしましょう。
  • 調理器具などは、使った後にできるだけ洗うようにしましょう。
  • 下痢や嘔吐などの症状がある人は、食べ物を取り扱う作業をしないようにしましょう。
  • 配られた弁当や炊き出しの食事は、長時間保存しないようにしましょう。

身のまわりを清潔に保つために

  • 体調の悪い人や高齢者に配慮しながら、時々換気しましょう。
  • 受動喫煙を防ぐため、避難所では原則として全面禁煙にしましょう。
  • 避難生活が長くなると、敷きっぱなしの布団は湿気を含み、ダニの心配も出てきます。できれば時々日干しをして、風を通しましょう。
  • ゴミは定期的に集め、屋外の閉鎖された場所で管理しましょう。

2 病気の予防

感染症を防ぐために

  • 熱やせきの症状がある場合はマスクをしましょう。
  • 下痢や嘔吐の症状がある場合は、水分補給と手洗いを心がけましょう。可能なら医師の診察を受け、入院など、避難所とは別の場所での療養を検討しましょう。
  • けがをした場合は、そこから破傷風に感染するおそれがあります。放置せず、手当てを受けるようにしてください。
  • 歯みがきが不十分だと、口の中に細菌が繁殖し、感染症になる危険性が高くなります。毎日、歯をみがきましょう。できないときは、“ぶくぶくうがい”をしましょう。
  • 入れ歯の手入れも大事です。寝る前には入れ歯を外し、歯ブラシでみがきましょう。
  • 入れ歯をなくしたりこわしてしまったら、早めに避難所の担当者に相談しましょう。歯が痛いときもがまんせずに相談しましょう。

一酸化炭素中毒にならないために

  • 屋内や車庫など換気の良くない場所では、発電機や木炭を使ったキャンプ用コンロなどを使わないようにしましょう。これらは、換気に注意して使いましょう。

エコノミークラス症候群にならないために

  • 同じ姿勢を続けず、散歩や軽い体操などで体を動かしましょう。
  • 水分をたくさんとりましょう。ただ、アルコールやコーヒーは、飲んだ以上の水分が体の外に出てしまうため、避けましょう。
  • 体を締め付けない、ゆったりした服を着ましょう。
  • 禁煙を心がけましょう。
  • 胸の痛みや、足が痛む・赤くなる・むくむ、といった症状が出た場合は、早めに避難所の担当者や医師に相談してください。

体力低下を防ぐために

  • 筋力が弱ったり、関節が固くなったりしないよう、体を動かしましょう。
  • 身のまわりのことでできることは、なるべく自分で行いましょう。みんなで行う作業にも参加しましょう。

持病や健康上の不安があれば、避難所の救護班や保健師へ早めにご相談ください。

●医療、介護支援について

保険証がなくても、病院で診てもらえます。

保険証をなくしていませんか?

避難するときに保険証(被保険者証)をなくしてしまった場合でも、全国の病院で診察や治療が受けられます。病院の窓口で、「名前」「生年月日」「住所」「勤務先名」「現在の連絡先」などをお伝えいただければ大丈夫です。地震の後に他の市町村に移った方も、同じように受診できます。

介護サービスも、まだ要介護認定を受けていない場合でも利用できます。

まだ要介護認定を受けていない人や、認定の有効期限を過ぎている人でも、サービスを利用できます。お近くの市町村にご相談ください。認定を受けてはいるものの、介護保険証をなくしてしまった場合も、市町村の窓口に「名前」「生年月日」「住所」を言っていただければ大丈夫です。

被災された方は、診察代介護利用料がかかりません。

被災地にお住まいで生活にお困りの方は、医療機関や介護施設、介護事業所に申し出ていただければ、診察代や介護サービス利用料(自己負担分)を支払う必要はありません

●配慮が必要な方へ

まわりの人のお手伝いが必要な方やそのご家族へ

避難所の担当者に「どのような支援が必要か」をお伝えください。

お困りのことがあれば、次の連絡先へご相談ください。

目の不自由な方

東北関東大震災視覚障害者支援対策本部

□本部/電話:090-1704-0874(終日)FAX:03-5291-7886

□岩手県/電話:090-1704-2448(終日)FAX:019-606-1744

□宮城県/電話:090-1704-0437(終日)FAX:022-219-1642

□福島県/電話:024-531-4950(火~日 9:00~17:00)FAX:024-534-0522

耳の不自由な方

東日本大震災聴覚障害者救援中央本部

□本部/電話: 03-3268-8847(9:00~18:00)FAX:03-3267-3445

□岩手県/電話:019-601-2020(月~金 10:00~16:00)FAX:019-601-2021

□宮城県/電話:022-293-5531(8:30~18:30)FAX:022-293-5532

□福島県/電話:024-522-0681(月~金 9:00~17:30)FAX:024-522-0681

発達障害のある方

発達障害者支援センター

□岩手県/電話: 019-601-2115(月~金 9:00~17:00)

□宮城県/電話: 022-376-5306(月~土 9:00~16:30)

□仙台市/電話: 022-375-0110(月~金 8:30~17:00)

□福島県/電話: 024-951-0352(月~金 8:30~17:00)

□茨城県/電話: 029-219-1222(月~金 9:00~17:00)

障害のある人への思いやりを

大勢の人が出入りする避難所生活は、誰にとっても落ち着かないものです。

特に、環境の変化の影響を受けやすい発達障害者や認知症の方については、まわりの人が十分に気を配る必要があります。ご家族へも、「気にしないで」などと声をかけてあげてください。

●生活支援について

当面の生活費を無利子でお貸しします。

被災された方へ、さしあたっての生活費を10万円まで(特別な場合は20万円まで)お貸しします。地震の後に他の市町村に移った方も、避難先の社会福祉協議会へお申し込みください。

【対象:被災世帯】
貸付上限:10万円以内(※特別な場合は20万円以内)
据置期間:1年以内は返済なし
償還期限:据置期間経過後2年以内
貸付利子:無利子
連帯保証人:不要

※特別な場合
●ご家族に亡くなった人がいる場合
●ご家族に要介護者がいる場合
●4人以上のご家族の場合
●ご家族に重傷者、妊産婦、学校に通う子どもがいる場合で、特に社会福祉協議会会長が認めたとき

生活費の貸し付けについては、お近くの市町村社会福祉協議会にお問い合わせください。

●しごとの支援について

ハローワーク、労働基準監督署などの相談窓口にご相談ください。

ハローワークでの「震災特別相談窓口」の設置や避難所への出張相談で、被災されたみなさんの支援に取り組んでいます。勤め先が休業してしまった、社宅・寮付きの仕事を探している、別の地域で就職したい、内定を取消された…など、なんでもご相談ください。

また、都道府県労働局や労働基準監督署の「緊急相談窓口」では、労働条件、安全衛生、労災補償、労働保険などについて、ワンストップで相談を受け付けています。

事業を休業・廃止せざるをえない場合には特別な支援策があります。

震災の影響で事業を縮小せざるをえない場合、事業や雇用の見通し、賃金、休業手当が支払われるかどうかについて、事業主と従業員で相談し、確認してください。

事業主が従業員の雇用を守るために休業させ、従業員に休業手当を支払った場合、その2/3(中小企業は4/5)を助成する雇用調整助成金があります。被災地では支給要件を緩和していますので、ぜひ、ご活用ください。

震災で事業が停止し、給料が支払われない場合には、従業員の方は離職していなくても失業給付が受けられます。災害救助法の指定地域にある事業所が災害により事業を休業し、従業員が一時的に離職しなければならなくなった場合にも、失業給付が受けられます。

勤めていた会社が倒産して給料や退職金が支払われない場合には、国が会社に代わって、その一部を立て替え払いする制度が利用できます。

雇用調整助成金失業給付についてはハローワークへ、未払い賃金の立て替え払い制度については労働基準監督署へお問い合わせください。