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視覚障害老人を援助する人々のためのガイドブック ”ふれあう”

全国盲老人福祉施設連絡協議会

項目 内容
発行年月 1994年12月

発刊によせて

 我が国の急速な高齢化は国の制度政策におきましても、ゴールドプランが発表されて、すでに、見直しをしなければならない状況にあります。
 高齢失明者の福祉におきましても、糖尿病等による失明者の増加は顕著にみられます。これらひとびとに対する在宅サービス、施設サービスにおいて、どのような接し方やサービスの方法があるのか、ごく初歩的な知識をホームヘルパーや、ガイドヘルパー、病院等で働く看護婦、施設における寮母のみなさんが知り理解していただくことによって、よりよい人間関係を築き、視覚障害老人と信頼関係を深め、サービスを提供してゆければこんな幸せなことはありません。
 このたび、社会福祉法人丸紅基金の深いご理解を得て、「ふれあう-視覚障害老人を援助する人々のためのガイドブック」を刊行することができましたことは、誠にありがたいことで、心から感謝申し上げます。
 どうか、関係する多くの人々が、いっそうこの手引書によって理解を深められ、視覚障害老人の幸せのためにあたたかい配慮と援助を切にお願いする次第であります。

目次

発刊によせて

はじめに

視覚障害老人の理解

声には表情がある

ラジオ感覚を忘れずに

指先で見てもらう

初めての出会いでは

いろいろな日常生活の援助

食事をするときは

お茶などをすすめるときは

お金はかぞえて渡しましょう

外出は楽しみ

手引きをするときは

階段や段差では

車の乗り降りは

椅子にかけてもらうには

席についたら・席をはずすとき

お風呂に入るときは

外出先のトイレでは

掃除と洗濯のときは

代わりに読む、書く

知っておくと便利です

 ★補装具と日常生活用具
 ★バリアフリー商品

盲老人ホーム一覧

はじめに

 ホームヘルパーやガイドヘルパーなど、視覚障害老人を援助している人々が全国にたくさんいますが、視覚障害老人を援助するためのガイドブックが今までになかったので、ぜひ作って欲しいという声が聞かれるようになりました。
 視覚障害老人については「目が見えないのだから、何もできない」と思っている人も多いかもしれませんが、適切な援助があれば自立も可能になります。ヘルパーとしては、ただお世話するのでほなく、老人のできることは老人自身にしてもらい、できないことができるように援助する、そのことが、援助の基本となります。
 ただ、援助の過程では、いろいろな配慮も必要です。物の位置を知らせるときに「そこにあります」と言っても、目の不自由な人にとってはどこにあるのかわかりません。お風呂で何も言わずにいきなりお湯をかけると、びっくりしてしまいます。このガイドブックでは、いろいろな場面で、ついうっかりがないように、活用してもらうことを目的に執筆しました。
 実際に、視覚障害老人を援助しているホームヘルパーの皆様にとっては、少し物足りない内容かもしれませんが、日々の援助をチェックするために役立てて項きたいと思います。また、老人ホームや老人保健施設の職員・病院の看護婦・ボランティアなど、多くの皆様には基本的な援助の手引きとして、ぜひ活用して頂きたいと思っております。
 このガイドブックの表題の「ふれあう」は全国盲老人福祉施設連絡協議会本間昭雄会長が、やさしい気持ちで援助し、心と心がふれあうことで、すばらしい信頼関係が生まれる事を願ってつけました。

声には表情がある

[談話中の女性2人]

 「○○さん、何か心配ごとでもあるの」と視覚障害老人から言われて、ハッとすることがあります。少し気になっていることがあると、自然と声にでていることが多いのです。私たちが顔の表情で、ある程度相手の考えていること、感じていることを判断するのと同じように、視覚障害老人は声で判断します。つまり、声には表情があるのです。
 電話でも、相手の言い方で嫌な思いをした経験がある方は多いと思います。
 どんなに、嫌なことがあっても、常に、明るい声で接してもらいたいものです。また、言葉づかいにも気を配り、信頼関係を築くのは、まず「言葉」からということを忘れないで、日常生活の援助をしてください。

ラジオ感覚を忘れずに

 一度ためしに、テレビを、目を閉じて聞いてみて下さい。ドラマは、人の動きの説明などありませんので、内容が良くわからなかったり、ニュースでは、外国人へのインタビューなど字幕の場合、やはり内容がわかりません。
 視覚障害老人と一緒にいると、いろいろな場面で説明が必要です。つい、自分の見えている感覚で説明すると、相手は何を言っているのか理解できないということがあります。その時は、ラジオだったら、どういう言い方をするのかな?と、ちょっと考えてみてはどうでしょうか。ラジオをしばらく聞いて、研究するのもいいかもしれません。
 説明はくどすぎても困りますが、簡単すぎてもよくわかりません。要領の良い説明ができることも、視覚障害老人を援助する大切な事の一つです。

[ラジオを聴く男性]

指先で見てもらう

目の不自由な人が買物をしているときに、援助者が横で言葉だけで説明している場面を見かけた事があります。
 「物に触れてもらうと、もっと良くわかるのに」と思ったものです。
 衣類は触れることにより、生地の素材や大きさがわかります。お菓子なども大きさや量がわかります。触れると困るもの以外は、なるべく触れてもらい、視覚障害老人が納得しながら買物できるようにしたいものです。
 また、野山を散策した時なども、草花に触れてもらうことにより、どんなにか楽しみが増すことでしょう。
指先は、目の不自由な人の「目」です。触れて、想像することで、すばらしい世界が広がります。

[援助者と衣類に触れ生地の素材を確かめながら買い物をする女性]

初めての出会いでは

 初めて目の不自由な人と会う時は、どのように挨拶したらいいか、失礼なことを言わないだろうかなど、不安な気持ちになると思います。しかし、あまり意識し過ぎると、会ったときに、態度が不自然になり、ギクシャクしてしまいます。視覚障害をあまり意識せず、自然に振るまってください。
 視覚障害老人宅を初めて訪間する時は、ドアをノックし、「ホームヘルパーの○○です。入ってもよろしいでしょうか」と声をかけ、始めに軽く握手をし、「はじめまして」と挨拶してください。握手することにより。相手がどこにいるのか、背の高さはどのくらいかがわかります。そして、何よりも親近感を持ってもらえます。スキンシップはとても大切なことです。

[初対面のホームヘルパーさんと握手し挨拶を交わしている女性]

食事をするときは

[時計の文字盤方向で献立の説明を受けている男性]

 多くの盲老人ホームでは、食事前に、時計の文字盤の方向で献立の説明をしています。上の「献立の説明例」のようにです。あらかじめ食べ物の位置がわかれば、自分の好きなものを自由に食べられ、とても楽しい食事となります。また、嫌いな物を自分で寄せることができないので、一つだけ嫌いなものがあっても、そのおかずには手を付けないということもありますので、どんな材料が入っているかも教えて下さい。嫌いな材料は寄せてあげると、なお親切です。しょう油やソースも希望により、かけて下さい。
 在宅の視覚障害老人には、いきなり「1時」「5時」と言っても、わからない人が多いと思いますので、最初は「右上」「左下」と説明してもかまいませんが、覚えてもらうといろいろな場面で活用できますので、徐々に時計の文字盤方向の説明に慣れてもらいましょう。食事の際はどうしても、手を使う事が多いので、オシボリを用意し、食べやすいように、盛りつけや器の選び方に工夫することも大切です。

お茶などをすすめるときは

 お茶やコーヒーなどをすすめる場合や、外出先ですすめられた場合は、援助者は絵のように手を添えて触れさせてあげると、安心して飲むことができます。「お茶です」と言って、テーブルに置くだけですと、手さぐりで探しているうちに、湯飲み茶碗をたおし、やけどをすることもあります。お茶を入れかえたときも同様にし、ふた付きの湯飲み茶碗の時は、忘れないで教えて下さい。
 コーヒーが出されたときも、同じ要領で行います。砂糖やミルクの位置も教え、老人自身で入れてもらいますが、多く入ってしまう場合もありますので、入れる量を聞いて、入れてあげても良いと思います。

[援助者が手を添えてお茶の器を触れさせてあげながらお茶をすすめている]

お金はかぞえて渡しましょう

[銀行員に両替を頼み金種別に数えて渡してもらっている女性]

 自動販売機でつり銭をとろうとしたら、自分のつり銭より多く入っていたということがあります。私たちは意外に、お金を数えないということが多いのかもしれません。また。銀行員に両替えを頼んだ時でも、数えなおすと相手を信用していないようで、気が引けたりもします。しかし、視覚障害老人にお金を渡す時は、それでは困ります。お金によるトラブルが結構多く、信頼関係も失われてしまうからです。
 お金を渡す時は、金種別に一枚ずつ、例えば「千円札を渡します。1枚、2枚……5枚で5千円です」というように、声を出し、数えながら手渡してください。視覚障害老人の中には、「あなたを信用しているから、数えなくていいよ」という人もいるかもしれませんが、その場合でも、「私も確認したいから」と言って、必ず数えて渡すようにして下さい。

外出は楽しみ

 買物に行くなどの外出は、楽しみの一つです。普段、家にとじこもりがちですので、とても良い気分転換になります。外出の前には、外の空気や天気予報を確認し、それにあわせた衣類や傘などの準備をし、白杖も忘れずに持ってもらい、出かけるようにしましょう。
 道路を歩く時は、ガイド者は車の通行側を歩いてください。ただ、あまり車にばかり気をとられると、視覚障害老人側の側溝、道路のくぼみや木の枝、看板等に気づかず、事故につながりますので、注意が必要です。安全なところは、ゆったりした気持ちで、混雑しているところなどでは、細心の注意を払うということが基本です。また、外出している時には、会話も楽しみたいものです。まわりの状況の説明や世間話をしながら歩くと、心もなごみ、楽しさも増します。

[桜の咲き具合の説明を受けながら散歩している女性]

手引きをするときは

[ガイド者から手引きを受けながら歩く男性]

 手引きをする時は、最初は緊張から肩に力が入ったりするかもしれませんが、ガイド者がそういう状態だと、視覚障害老人は歩くのがとても不安です。あまり意識せず気軽に一緒に歩くという気持ちで手引きしてください。
 絵のように、ガイド者が右腕をかし、少し前に出るようにし、歩きやすいフォームで手引きしてください。歩く速度は相手に合わせることも大事なことです。どんな場面でも後から押したり、無理にひっぱるような手引きは絶対しないでください。
 視覚障害老人の中には、肩に手を添えるほうが良い人、手をつないだ方が歩きやすい人がいます。その場合は、やはりガイド者が、相手が望む手引きに慣れるべきですが、ためしに、絵のような手引きも一緒に練習してみてはどうでしょうか。また、同僚の職員に目かくしをしてもらい、手引きの方法を練習することも良いと思います。

階段や段差では

[ガイド者と階段を上がる男性]

 手引きしていると、段差が結構多いことに気づくと思います。ガイド者にとって、階段は特に神経をつかうところです。階段の前では、一旦止まり、「階段を上がります」と声をかけてから、手引きの姿勢のまま上がってください。しかし、屋内で手摺りがあり、視覚障害老人も手摺りにつかまった方が歩きやすい場合は、その通りにしてください。5段程度の階段は、上がり降りする前に、「5段上がり(降り)ます」と声をかけ、長い階段では上がり(降り)きる前に「あと2段です」と声をかけると親切です。
 段差も同じ要領です。前で一旦止まり、「小さく一段上がり(降り)ます」と声をかけてください。小さな段差だから大丈夫、と勝手に判断すると、以外に小さな段差でつまづき、転倒することが多いので、気をつけましょう。一旦止まり、適切な声がけが基本ですので覚えておいてください。

車の乗り降りは

[ガイド者にタクシーの車高の確認を受けながら乗車する女性]

 乗用車やタクシーに乗る時には、車がどちらの方向を向いているか知らせるためにも、まず、開いているドアに手を触れてもらい、次に屋根のところに触れ、高さを確認してもらい、座席に触れてもらうと、視覚障害老人は一人でも車に乗れます。特に、高さの確認は忘れないようにしてください。確認をしても、つい頭をぶつけることもありますので、車の乗り降りに慣れていない視覚障害老人の場合は、ガイド者が屋根の縁のところに手を添えるといいと思います。
 降りる時は、ガイド者が先に降り、足を降ろすところが安全か確認してください。良くあることですが、歩道に近いところに車が止まることがあります。その場合は、歩道から少し離れて車を止めてもらうか、「足を前にのばして降りてください」などと一声をかけてください。

椅子にかけてもらうには

目の不自由な人を椅子にかけさせようとする時、うしろや前から両肩を押したりする人がいますが、もっともしてはいけないことです。
 椅子にかけてもらう時は、椅子の背に手を蝕れてもらい、テーブルがある場合は、テーブルにも手を触れてもらった方が高さもわかりますのでいいと思います。和室の場合は、座布団の位置を手で教え、座る向きも知らせててください。
 どういう場面でも、説明や物の位置を知らせる時など、人前では、あまり大きな声を出さないようにしたい、ものです。視覚障害老人が恥ずかしい思いをし、人格を傷つけられるからです。聞こえる程度に説明し、まわりからも自然な振る舞いに見えることが大切です。

[ガイド者に誘導を受け椅子にかけようとしている男性]

席についたら・席をはずすとき

[談話中席をちょっと席をはずすことを告げている男性]

 担当している視覚障害老人が、視力障害者の会のメンバーだったり、老人クラブに入っている場合、会合の機会もあると思います。会合の場所に一緒に行く時は、前もって、道順を調べておき、時間も十分余裕をもたせて出かけましょう。
 会場の席に着いたら、中の様子を説明します。例えば「正面は左で、いまのところ30人ぐらい来ています」というようにです。正面の方向を教えないと、スピーカーの方向を見てうなずくということになります。また、隣や向いの人の名前がわかる時は、教えてください。
 援助者が電話をかける用事ができたり、物を取りに行かなければならず席をはずすときは、「ちょっと、席をはずしますから」と、必ず声をかけてから席をはずしてください。だまって席をはずすと、視覚障害老人がいない相手に向かって話しているということにもなります。

お風呂に入るときは

在宅の視覚障害老人の場合、お風呂は一人ではいることが多いと思いますが、お風呂場の中が整理されているか見て下さい。物が多過ぎて煩雑だと、入浴中につまづき転倒することもあります。特に、石鹸には十分気をつけるよう話して下さい。できればポンプ式の液状石鹸を使うことを勧めてみてはどうでしょうか。シャンプーとリンスのボトルの区別は片方にテープを貼るなどの工夫もいいですが、後述するバリアフリー商品の利用も勧めてみて下さい。
 自宅以外のお風呂にはいる時は、援助者が老人と同性の場合は、一緒にはいり介助できますが、異性の場合は、お風呂場の浴槽や洗い場、石鹸の位置などを良く説明し、一人で入浴してもらいます。脱衣場では、なるべくわかりやすい位置(棚の一番端など)にかごを置いてもらうと、入浴後も一人でかごを見つけられます。
 衣類を着るとき、裏表や前うしろを間違えることがあります。下着(シャツ)などについているタグの位置を確認し着るように教えて下さい。丸首のセーターも判りにくいので、内側に布などを縫い付け、印にする工夫も良いと思います。
 援助者が一緒にお風呂にはいるか、介助できる時は、視覚障害老人の身体の状況(湿疹など)にも注意してください。

[援助者と一緒に入浴中の男性]

外出先のトイレでは

[外出先のトイレで援助を受けている男性]

 外出先でトイレに行く場合、お風呂と同じで援助する老人か異性の時は困ります。その時は、周囲の人に事情を話し、トイレの中にはいり、便器やトイレットペーパー、洗面所の位置を説明し、終わった時点で声をかけるよう話し、トイレの外で待ちます。
 便器の位置を教えるには、男性の場合は、小便器上の水を流すボタンに手を触れてもらいます。女性の場合、水を流すレバーと洋式便器のフタに手を触れてもらいますが、和式は判りにくいですので、位置の確認を特に丁寧に教えて下さい。

掃除や洗濯のときは

 掃除や洗濯は、視覚障害老人自身でしてもらうのが基本です。掃除はなるべく、ほうきではなく掃除機を使ってもらった方がきれいに掃除できるようですが、とは言っても触覚だけできれいになったかどうかを確かめますので、ほこりやちりが残っていることも良くあります。訪間時に部屋の掃除をする時は、なるべく一緒にすると、ほこりやちりが残りやすい場所を教えられます。
 掃除をしながら、物を移動する時は、特に注意が必要です。一見煩雑に見えても、視覚障害老人は自分の判りやすいように物をならべていたり、重ねています。物を動かすときは必ず本人に確認し、掃除後はもとの位置に置くようにして下さい。
 洗濯は、今ではほとんど洗濯機で行なっていると思いますが、なるべく操作の簡単な全自動洗濯機を使うよう勧めて下さい。洗濯機や乾燥機でわかりにくいのが、洗濯・脱水・乾燥のタイマーのつまみです。標準の時間のところにテープを貼っておくと、時間を自分で調整できます。

[援助者と洗濯物をたたんでいる女性]

代わりに読む、書く

[代筆してもらっている男性]

 家族からの手紙や新聞などを代わりこ読むことを代読と言います。読む時は、ゆっくり、はっきりを心掛け、固有名詞など分からない文字は、どんな文字かを説明し、読み方を聞いて下さい。また、必ず辞書を携帯しておくようにしましょう。
 代筆(代わりに書く)は、視覚障害老人が言うとおりに正確に書き、文字が分からないときは聞くか、辞書で調べて下さい。けっして、じょうずに書く必要はありませんが、なるべく丁寧に書いて下さい。
 代読も代筆も、プライバシーにかかわることが多いですので、他人に知らせることのないように、特に注意が必要です。
 視覚障害老人の中には点字の読み書きができる人もいます。援助者が点字ができれば、老人とのコミュニケーションは更に広がります。点字は難しいものと決めつけないで、取り組んでみて下さい。

知っておくと便利です

1 補装具と日常生活用具

 視覚障害者のための補装具は、白杖、点字器、義眼、遮光眼鏡などです。白杖は外出の時には、必ず携帯するものですが、折りたたみ式、スライド式、直杖など種類が多いですので、視覚障害老人にあったものを選んでください。
 日常生活用具こは、時計(音声式・感覚式)、タイマー、音声電卓、電磁調理器、音声体温計、音声体重計などがあります。補装具と日常生活用具に指定されている物は、市町村の福祉課で手続きをすると支給されますが、所得により、本人負担も必要になることもあります。
 補装具と日常生活用具に指定されていないものでも、しょう油さしのように倒れてもこぼれないで、上を押すと一定量(5㏄)だけでる物や、目が不自由でも容易に針に糸を通せる糸通し、小銭を分けて収納できる小銭いれなど、知っておくと便利な品物がたくさんあります。

2 共用品(バリアフリー商品)

 市販の製品で、視覚に障害を持つ人にとって必要な配慮がなされているものを共用品(バリアフリー商品)といいます。例えば、シャンプーとリンスのボトルの形が同じ場合、視覚障害者は輪ゴムを巻くなどの工夫をしているようですが、市販されている物で、区別のために、シャンプーのボトルにギザギザマークのあるものがあります。また、お湯が沸くと音がでるやかん、テープの録音時間が触ってわかるカセットテープなどたくさんあります。
 在宅で生活する視覚障害老人にとって、家の中での不便さを感じる「商品の識別」を共用品は解消してくれます。会社によっては積極的に共用品の開発に取り組んでいるようですが、缶詰、化粧品、薬の容器、靴下、切手など、識別がしにくいものが、まだまだ多いようです。
 視覚障害老人を援助する人達が、共用品を数多く使用し、会社にもアイデアを提供することにより、たくさんの種類の共用品が生まれます。

盲老人ホーム一覧

(全国盲老人福祉施設連絡協議会 加盟施設) 1.養護盲老人ホ一ム

開設順 施設名 所在地 電話番号
慈母園 奈良県高市郡高取町大字壷阪3番地 0744-52-2350
聖明園曙荘 東京都青梅市根ヶ布2丁目722番地 0428-24-5701
白滝園 広島県三原市小泉町116番地1 08486-6-3214
ナザレ園 茨城県那珂郡瓜連町中里344番地 0292-96-0317
恵明園 北海道江別市豊幌149番地 011-383-3351
湯の川温泉 盲老人ホーム 島根県簸川郡斐川町学頭3567番地 0853-72-0009
横須賀第一第二老人ホーム 神奈川県横須賀市野比2893番地5 0468-48-1761
明光園 群馬県勢多郡大胡町大字樋越19-1 0272-83-3258
梨ノ木園 三重県上野市朝屋734番地 0595-23-1555
10 松ヶ丘葵荘 栃木県芳賀郡益子町大沢寺前2492-1 02857-2-2615
11 槻ノ木荘 大阪府高槻市塚原1-8-1 0726-94-0716
12 熊本めぐみの園 熊本県熊本市小山町1781番地 096-380-2321
13 津軽ひかり荘 青森県中津軽郡岩木町大字百沢字小松野87-175 0172-83-2216
14 光の園 長野県下伊那郡下条村睦沢7103番地 0260-27-2246
15 三重盲老人ホーム 三国寮 大分県大野郡三重町大字本城2060 09742-2-1899
16 松風荘 宮城県名取市手倉田字山208番地1 022-384-0753
17 三宝園ひかり寮 鹿児島県日置郡吹上町永吉15605 0992-97-2444
18 権現荘 愛媛県松山市権現町甲584番地 0899-78-2681
19 猿田荘 千葉県銚子市猿田町440番地 0479-33-1385
20 五色園 兵庫県津名郡五色町鳥飼浦2277番地3 0799-34-0550
21 千山荘 兵庫県神戸市灘区鶴甲5-1-50 078-841-4504
22 青い鳥老人ホーム 山梨県甲府市下飯田2-10-1 0552-28-7482
23 松峰園 秋田県秋田市浜田字陳ヶ原15番地8 0188-28-6600
24 寿光園 福岡県筑紫野市西小田35番地 092-926-3410
25 船岡寮 京都府京都市北区紫野花ノ坊町11 075-463-4649
26 第二光が丘ハウス 福井県丹生郡朝日町朝日22-7-1 0778-34-1220
27 啓明園 鹿児島県伊佐郡菱刈町徳辺2202-1 09952-6-0300
28 香東園盲老人ホーム 香川県大川郡寒川町石田西680-1 0879-43-2557
29 蓮の実園 鹿児島県阿久根市鶴川内字山崎1443 0996-72-2287
30 生目幸明荘 宮崎県宮崎市大字小松1119番地5 0985-47-3452
31 胎内やすらぎの家 新潟県北蒲原郡黒川村大字熱田坂字長崎野881-86 0254-48-3134
32 鶴海荘 岡山県備前市鶴海2406番地 08696-5-8975
33 ひとみ園 埼玉県深谷市人見1665番地3 0485-73-5222
34 光明荘 長崎県諫早市有喜町637番地 0957-28-2963
35 旭光園 北海道旭川市7条通17番地83 0166-24-1215
36 福寿園 愛知県渥美郡田原町大字六連字神ノ釜9-3 05312-7-0008
37 自生園 石川県小松市上荒屋町ソの4番地10 0761-65-1800
38 第二静光園 静岡県浜松市都田町8091番地 0534-28-3128
39 白藤の苑 福岡県嘉穂郡桂川町大字吉隈字ヲベ田13-96 0948-65-4141
40 羽ノ浦荘 徳島県那賀郡羽の浦町宮倉字背戸田12番地12 088444-5666
41 サリバン 佐賀県東松浦郡相知町大字佐里1646-13 095562-4411
42 春光苑 山口県下関市大字永田郷字勧応寺440-3 0832-86-7300
43 喜望園 和歌山県和歌山市楠本266番地 0734-62-3933
44 緑光園 福島県福島市飯坂町湯野字簗尻1-1 0245-42-8822
45 瀬古第二マザー園 愛知県名古屋市守山区大字瀬古字元杁1-7 052-792-5556
46 松月園 福岡県福岡市南区老司5-12-4 092-565-6264
47 祥風苑 岩手県大船渡市猪川町字富岡148番地 0192-27-7111

2.特別養護盲老人ホーム

開設順 施設名 所在地 電話番号
第二尾張荘 愛知県名古屋市守山区大字川字東山3103 052-794-1611
静苑ホーム 北海道江別市豊幌149番地 011-383-3351
聖明園富士見荘 東京都青梅市根ヶ布2丁目722番地 0428-24-5703
第二権現荘 愛媛県松山市権現町甲648番地1 0899-78-1110
第二梨ノ木園 三重県上野市朝屋731番地 0595-24-3030
光明園 奈良県高市郡高取町大字清水谷150-5 0744-52-2960
聖明園寿荘 東京都青梅市根ヶ布2丁目724番地 0428-24-5702
第二福寿園 愛知県渥美郡田原町大字六連字神ノ釜9-3 05312-7-0008
松陽苑 宮城県名取市手倉田字山212番地 02238-4-3663
10 自生園 石川県小松市上荒屋町ソの4番地10 0761-65-1800
11 第三静光園 静岡県浜松市根洗町681番地4 0534-37-8288
12 第二胎内やすらぎの家    新潟県北蒲原郡黒川村大字熱田坂字長崎野881-86 0254-48-3134
13 バラ苑 熊本市小山町1781番地 096-380-2321
14 豊田福寿園 愛知県豊田市高町東山7-46 0565-45-8880
15 松涛園 秋田県秋田市浜田字陳ヶ原35-31 0188-28-7856
16 第二光の園 長野県下伊那郡下条村睦沢7098-8 0260-27-3566
17 岡本荘 香川県高松市岡本町527-1 0878-85-2828
18 第二鶴海荘 岡山県備前市鶴海2401 08696-5-8975
19 富美岡荘 岩手県大船渡市猪川町字富岡148番地 0192-27-7111
20 第二明光園 群馬県勢多郡大胡町大字樋越19-1 0272-83-3258
21 ハートフル 岐阜県関市下有知5367-4 0575-23-7001
22 ゆめハウス 島根県八束郡穴道町大字西来待2071-1 0852-66-3012
23 白滝園 広島県三原市小泉町116番地1 08486-6-3214

※ごのガイドブックは、社会福祉法人丸紅基金の助成金を受けて発行されたものです。


主題:
視覚障害老人を援助する人々のためのガイドブック ふれあう
著者名・研究者(個人・団体):
全国盲老人福祉施設連絡協議会
編集委員(川本俊憲,山口俊吾,新阜義弘) 発行者:
全国盲老人福祉施設連絡協議会 (会長:本間 昭雄)

発行年月:
1994年12月 情報の種類:
ガイドブック
情報の分野:
社会福祉 文献に関する問い合わせ先:
東京都青梅市根ヶ布2-722
全国盲老人福祉施設連絡協議会
TEL: 0428-21-0301
FAX: 0428-24-3871