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第3章 今後の課題と方向

本章では、前章までの論考及び研究会での討議を踏まえて、福祉的就労分野における労働法適用上の問題についての今後の課題と方向性について論ずる。しかしながら、いわゆる福祉的就労の実態は極めて多様であり、検討すべき課題も単に労働法上の問題だけでとどまらず、例えば、賃金制度と所得保障制度との関わりなど、障害者の社会保障制度全体にかかわる様々な領域に関連する。一方、こうした多方面にわたる課題に対しては、多様な接近方法や考え方があり、研究会参加者の間でも全ての問題について完全な意見の一致を見ているわけではない。そこで、本報告書では、一定の方向性を拙速に打ち出すのではなく、できるだけ多様な視点から問題点の整理を行い、今後、様々な可能性にむけて検討を行うための素材を提供することに主眼をおいている。

したがって、本章での論考は、研究会での討議を踏まえ、その成果を最大限反映するよう努めつつも、執筆担当者がそれぞれの立場から論じたものであり、必ずしも研究会参加者全体の統一的見解を示すものではない。