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約束を達成するために
アメリカにおけるメンタルヘルスケアの変革
(要旨)

複雑な現在のメンタルヘルスシステム

『大統領への中間報告書』の中で、コミッションはこう宣言した。「メンタルヘルスサービスを提供するシステムが統一されておらず、混乱しているために、多大な犠牲を払う障害を不必要に負うことになったり、ホームレスになってしまったり、学業で失敗したり、施設に収容されたりする。」中間報告書には、以下の未解決のニーズと、ケアの問題点とが記されている。

  • 児童のケアにおける統一性の欠如と欠陥
  • 重度の精神病を抱える成人のケアにおける統一性の欠如と欠陥
  • 重度の精神病を抱える人々の高い失業率と障害
  • 精神病を抱える高齢者のケアの欠如
  • メンタルヘルス及び自殺予防が国家の優先事項とされていないこと

中間報告書は、このシステムが、サービスの対象となっている人々の最も重要な目標の達成に向けられていないと結論付けている。その目標とは、回復という希望である。数十年にわたる研究に基づく最新の治療は、研究の場から地域社会における実践の場へと移されていない。多くのコミュニティーでは、質の高いケアへのアクセスは悪く、その結果、資源は無駄になり、回復のための機会は失われている。もし地域で各自のニーズにあった治療と支援が受けられれば、今より多くの人々が、最も重度の精神病でさえも克服することができるようになるであろう。

コミッションは、何千人もの献身的で思いやりと技術のあるサービス提供者が、ヘルスケアサービス提供システムのスタッフとなり、運営に当たっていると認めており、現在のシステムの欠陥が、メンタルヘルスケアワーカーの専門性と情熱の欠如によるとは考えていない。むしろ問題は、主に地域を基盤とした国のメンタルヘルスシステムの、過去40年から50年間に渡る発展のあり方に由来する。一口で言えば、国は現在の不必要な制度に基づくケアを、人々が信頼できる効率的かつ効果的な地域に根ざしたサービスへと変えていかなければならないのである。それには、様々な行政段階、そして多数の機関にまたがって分散しているプログラムを統合する必要がある。

2,300人以上の利用者注釈c 、家族、サービス提供者、管理者、研究者、政府役人その他の人々の、メンタルヘルスケアサービスの提供方法に関する貴重な洞察を記した研究文献及びコメントに基づき、一年間調査研究を進めた後、コミッションは従来の改革方法では利用者や家族の期待に十分にこたえられないとの結論を出した。

質の高いケア及びサービスの利用を促進するため、コミッションはアメリカにおけるメンタルヘルスケアサービスの提供方法を根本から変革することを勧告する。この根本的な改革の目標は明確で、大統領が打ち立てた指針と一致している。

質の高いケア及びサービスの利用を促進するため、コミッションはアメリカにおけるメンタルヘルスケアサービスの提供方法を根本から変革することを勧告する。

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