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約束を達成するために
アメリカにおけるメンタルヘルスケアの変革
(要旨)

目標3 メンタルヘルスサービスにおける格差は解消される

変革後のメンタルヘルスシステムでは、全てのアメリカ国民が、人種、性別、民族或いは居所に関わらず、利用できる最善のサービスと成果を共有しあう。メンタルヘルスケアは非常に個人的で、個人の違いや事情に対応したものとなる。スタッフにも、メンタルヘルスサービス提供者として研修を受け、雇用された、民族的、文化的及び言語学的な少数派が含まれる。地方や遠隔地に住む人々も、メンタルヘルスの専門家やその他の必要な支援にアクセスすることができ、地方や過疎地域でも最新の治療が受けられる。また、医者が利用者の年齢、性別、人種、文化、民族性及び地域性などの要素を考慮しつつ、どうやってニーズにあった介入をしたらよいかを考える際に、研究や研修が常に役立てられる。

国民の文化的多様性に応じたサービスが用意され、利用しやすく、質が高い、また成果が大きいケアが提供される。その結果、アメリカインディアンや、アラスカ原住民、アフリカ系アメリカ人、アジア系アメリカ人、太平洋諸島出身者、そしてスペイン系アメリカ人が、精神病が原因の障害という重すぎる負担を、背負い続けなくてもよくなる1。これらの国民にも、アクセシブルですぐに利用できるメンタルヘルスサービスが提供され、全てのアメリカ国民が同じ様に質の高いケアを受けられるようになる。文化的多様性に応じた治療やサービス、ケア及び支援を開発するためには、メンタルヘルスに関する調査研究において、サービスを受けられずにいるこれらの人々の問題も採り上げなければならない。更に、多様な文化を持つ人々の信仰や規範、価値観、そしてコミュニケーションパターンを尊重し、共有できる人々を、サービス提供者の中に含めなければならない。

地方や遠隔地では、サービス提供者は他の地域以上に利用者中心のシステム作りを支援していかなければならない。テレビ会議やテレヘルス(遠隔医療保健サービス)などの手段を利用して、地方や人口の少ない地域にも治療法の進歩が伝えられなければならない。これらの技術は、ケアを提供すると同時に、利用者がしばしば経験する孤独感を打ち砕くことにも役立てられる。

一般ヘルスケアの提供者、救急処置室のスタッフ及び警察官や救急医療技術者のような事故に最初に対応する人々に対して、メンタルヘルス教育及び研修を行い、精神科医や心理学者、精神病関係のソーシャルワーカーの配置に見られる地域格差の解消をはかる。

変革後のメンタルヘルスシステムでは、すべてのアメリカ国民が、人種、性別、民族或いは居所に関わらず、利用できる最善のサービスと成果を共有しあう。

メンタルヘルスシステムの変革を支援するために、コミッションは以下の2点を勧告する。

3.1 国民の文化的多様性に応じた質の高いケアの利用を促進する。
3.2 地方及び遠隔地における質の高いケアの利用を促進する。

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