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ニュージーランドのメンタルヘルスサービス計画
(要旨)

メンタルヘルス委員会(ニュージーランド)

項目 内容
作成年月 1998年12月

Blueprint for Mental Health Service in New Zealand
How Things Need to Be

概要

ニュージーランドにおけるメンタルヘルスサービスのための修正案の要旨。 精神疾患を持つ人々に対するより良いサービスのための戦略。 マオリ族及び太平洋地域の人々へのサービスにも特に考慮している。

作成日:1998年12月
作成者:メンタルヘルス委員会
備考:この文献の全文は以下URLに掲載されています。
(英語) http://www.mhc.govt.nz/publications/1998/Blueprint1998.pdf

エグゼクティブ・サマリー(要旨)

ニュージーランドにおけるメンタルヘルスサービスのための本修正案は、Blueprint Working Document(1997)を基にしている。本案は、政府による全国メンタルヘルス計画(Government’s National Mental Health Strategy)を実行するのに必要なメンタルヘルスサービスの開発を記載するものとして、メンタルヘルス委員会(Mental Health Commission)により作成された。

  • 本案はサービス提供における回復アプローチに重点を置く。このアプローチは、サービスは消費者の能力を高め、その権利を保障し、最善の結果を得、消費者自身によるメンタルヘルスおよび福利の管理を増強し、また消費者が社会に十分に参加することを可能にするものでなければならないと述べた計画の基本方針に一致するものである。このように回復に重点を置くことは、部門全体において考え方が転換しつつあることを反映している。
  • この回復アプローチは、メンタルヘルスサービスが、サービス内やより広いコミュニティに見られる精神疾患を持つ人々への差別の是正を目的として機能することを求めるものである。
  • 本案は、要求されるサービスの質、不可欠なサービスの要素および資源のガイドラインを記述するための出発点として、精神疾患に罹患した人々のニーズを考慮した。
  • 計画は、いかなる任意の一時点においても、非常に重症の精神疾患に罹患した、人口の3%の人々に対しメンタルヘルスサービスが提供されることを求めている。このパーセンテージの決定は本来全国および地域の計画立案のためになされたものであり、地域レベルの要求にこの数字をあてはめる場合は、地域の人口とそのニーズを必ず考慮しなければならない。
  • 本案では計画に記されたパーセンテージ目標を達成するための詳細な資源ガイドラインを示す。それらは目下の最善の概算であり、より多くの情報が得られるにしたがって修正される予定である。
  • あらゆるタイプの提供者に適応するメンタルヘルスのインフラストラクチャーあるいはシステムをデザインすることは困難な作業である。メンタルヘルスサービスにとって、それを利用する人々のニーズに可能な限り最善の方法で応えるためには、革新的なサービスの提供が極めて重要である。メンタルヘルス部門で働く人々が、新しくより良いサービスの提供方法に常に注目するよう促す環境作りを進めるべきである。
  • 身体衛生かメンタルヘルスか、また他部門が提供するサービスかに拘らず、サービスのユーザーがあるサービスから他のサービスへ容易に移行できることが必要である。
  • マオリ族の人々にとって精神疾患が現在第一の健康問題であるため、本案はマオリ族のメンタルヘルスニーズへの対応を特に強調している。マオリ族のための効果的なサービスの開発が優先されなければならない。本案ではマオリ族向けのサービスのために新セクションを設けている。
  • 本案では太平洋地域の人々のためのメンタルヘルスサービスにも特に考慮している。委員会は、太平洋地域の消費者の生活の質の改善を達成する最善の方法として、太平洋地域の人々のためのサービスの享受資格と提供を拡大することを支持している。
  • 継続的ケアプログラムの一環として家族のための援助を提供した場合、有意によい結果が得られる。疾病を持つ人に最も近い人々の知識と経験を活用すれば、サービスはより効果的になると思われる。
  • メンタルヘルス・セクターにおけるサービス提供には改善が見られるが、さらに解決すべきニーズが存在する。適切に機能する部門をめざす本案は、今後進むべき方向についての委員会の意向である。